土地活用の中でもかなりローリスクで始められるのが駐車場経営です。
アパートやマンション経営のように高額な初期投資費用を掛けることなく始められることから、多くの土地所有者がこの駐車場経営を始めようとしています。
そこで気になるのが、駐車場経営は儲かるのかという点ですよね。いくら低予算で始められるかといっても、儲からないでは始める意味がありませんので、ぜひ最後まで目を通して参考にしてください。
駐車場経営とは?種類は2つある
駐車場は土地の上に車が駐車できるスペースを区画割して、そこに止めた車の所有者から駐車料金を得る土地活用です。
そしてこの駐車所経営をする際にまず決めなければならないのが、駐車場形態の選択です。駐車場形態には下記の2つがあります。
- 月極駐車場
- 時間貸し駐車場
どちらを選ぶかで初期投資費用は違ってきますし、利用者ニーズがまったく異なるため運営方法も違ってきます。もちろん得られる儲けも同様です。
そこで、今回の記事を分かりやすく読み進めてもらうためにも、まずはこの2つの形態の駐車場の特徴について解説していきます。
よく理解している人は読み飛ばしてもらって結構ですが、そうでない人や、再度シッカリと把握したいという人は、必ず目を通すようにしてください。
月極駐車場の特徴
月額いくらという月単位で駐車スペースを貸し出す駐車場形態を、月極駐車場と言います。
この月極駐車場は、次に紹介する時間貸し駐車場よりも、古くから存在する最もオーソドックスな駐車場ですから、みなさんにとっても馴染みが深いでしょう。
この月極駐車場の利用者には、下記のようなターゲット層が挙げられます。
- 近隣住宅に住む住民
- 近隣マンションやアパートに住む住人
- 近隣の飲食店等、商業施設の駐車場
- 近隣の会社の従業員駐車場
基本的には敷地内に駐車場をできない人が、利用者になるというわけです。
月額賃料はアパート等の賃貸物件と同様、相場が決まっており、一般的には、近隣の月極駐車場に合わせた賃料が設定されます。そのためアパート等の賃貸物件と同じように、契約者さえ確保できれば、安定した駐車場収益を長期間にわたって得ることも可能です。
安定・継続した収益を得たいという人には、おすすめの駐車場経営となってくるでしょう。
また、月極駐車場の良いところは、初期投資に掛ける費用を抑えられる点です。
これは経営者の考えにもよりますが、駐車場にできる土地さえあれば、下記のように砂利のまま舗装する必要はありませんし、区画割のラインもロープでまかなえます。
初期投資に掛ける資金がない人には、まさにおすすめの土地活用と言えるでしょう。
時間貸し駐車場の特徴
月単位で貸し出す月極駐車場に対して、時間単位の金額を決めて駐車スペースを貸し出す駐車場形態を、時間貸し駐車場と言います。みなさんにはコインパーキングと言った方が、馴染みが深いでしょう。
月極駐車場は近隣が住宅街であれば、どこでも需要が見込めるので場所を問いませんが、コインパーキングの場合はそうもいきません。月極駐車場とは利用者層がまったく違ってくるからです。
コインパーキングに向いている立地条件には、下記のような場所が挙げられます。
- 駅や交通機関の周辺
- オフィス街や商業店舗街
- ショッピングモール等の大型商業施設の近隣
コインパーキングへのニーズは、目的地に行っている間だけ停めておきたいというものですから、周辺に人が出向く施設があることが立地条件として求められます。
住宅街でコインパーキングをやっても、あまり収益は期待できないというわけです。
コインパーキングの使用料は10分、30分、60分と表示方法は様々ですが、基本的には60分が基本使用料となっており、これも月極駐車場と同じく相場が存在します。周辺のコインパーキングと同等、もしくは少し下という使用料設定が一般的です。
コインパーキングは駐車スペースの利用者が決められているわけではないため、収益は月極駐車場に比べて不安定になります。
オフィス街や商業店舗が建ち並ぶ区画、人の出入りが激しい区域ならば話は別ですが、通常は天気や季節、曜日によって、利用者数に変動が見られるからです。
近隣で大きなイベントでもあれば利用率が上がり、収益もグンと跳ね上がるといったように人の出入りの多さに左右されるため、収益の上昇や下落が大きく、安定して継続した収益を得たいという人には不向きです。
ちなみにコインパーキングは土地の舗装や、下記写真の精算機や看板、ロック装置等、様々な初期投資が必要になるので、初期投資の費用は月極駐車場よりも格段大きくなります。
資金を掛けたくないという人には、向かないかもしれませんね。
月極駐車場と賃貸し駐車場、どちらを経営した方が儲かるの?
今回のテーマとなる「駐車場経営は儲かるのか?」という観点からすれば、月極駐車場と時間貸し駐車場のどちらが儲かるのかは、気になってくるところです。
ここではどちらの駐車場経営の方が儲かるのかを検証していきます。
基本的にはコインパーキングの方が儲かるが・・・
基本的には月極駐車場よりも、時間貸し駐車場の方が儲かると言われています。
実際にどれくらいの収益差が出るのかを計算してみましょう。
荒川区の月極駐車場の相場は45,000円くらいで、同区のコインパーキングの相場は60分300円(日中8時~20時)です。
双方に同じ10台分の駐車スペースがあった場合、両者の月間収益を計算すると下記のようになります。
- 月極駐車場:450,000円
- コインパーキング:1,116,000円
コインパーキングは日中8時から20時の料金で計算したのにも関わらず、月極駐車場の3倍近い収益が上がっています。この収益差を見れば、どちらが儲かるかは一目瞭然ですよね。
ですが、これは共に駐車スペースが常に埋まっている場合の収益計算です。
月極駐車場の場合であれば、全ての駐車スペースの契約者が決まっているケースも多いでしょうが、コインパーキングの場合はそうもいきません。
コインパーキングは契約者が決まっているわけではないため、利用者が少なければ、これは机上の計算に過ぎない与太話になってしまいます。
立地条件によっては、月極駐車場の収益を大きく下回ることもあるでしょう。これはあくまで可能性の話なのです。
要は、自分が駐車場経営を始めようとする土地は、どちらの駐車場形態を選んだ方が、利用者を多く募ることができるのかを正確に判断することが、駐車場経営で儲けるための第一条件となってくるでしょう。
そこで、その判断材料としてもらいたいのが、月極駐車場と時間貸し駐車場のメリット・デメリットです。次はそのメリット・デメリットについて解説します。
各メリット・デメリットに駐車場経営を始めようとする土地を照らし合わせ、どちらに適しているのかを考えながら読み進めていくようにしてください。
月極駐車場のメリット・デメリット
月極駐車場の主なメリットとデメリットは下記の通りです。
メリット | デメリット |
初期投資費用が低く抑えられる | 収益の上限が決まっている |
土地さえあれば開業可能 | コインパーキングよりも収益性が低い |
安定・継続した収益が得られやすい | 空き期間が長い場合は収益ロスが高くなる |
料金未払いが起きにくい | 違法駐車等のトラブルが起きやすい |
好立地でも変形地だと集客しにくい | |
契約者を集客する必要がある |
月極駐車場のメリットは、何と言っても「月極駐車場の特徴」でも話した通り、初期投資の費用が抑えられる点です。
駐車場経営はその形態に関わらず、アパート経営といった他の土地活用と比べると低予算で始められますが、月極駐車場はコインパーキングよりもさらに低予算で始められます。
予算を掛けずに土地活用を始めたいという人には、おすすめの土地活用となってくるでしょう。
駐車スペースが限られるため収益の上限が決まっており、コインパーキングのように高収益は望めませんが、契約者さえ見つけられれば安定・継続した収益を長期にわたって得ることが可能です。
しかし、契約者が見つからなければ収益ロスが生じるため、長期の未契約は絶対に避ける必要があります。集客するための工夫や手立てが必要になってくるでしょう。
また、毎日車を出し入れすることから、近隣にニーズがある立地でも、車の出し入れがしづらい変形地は避けられる可能性が高くなります。
そのような土地の場合、週ky核のために周辺の月極駐車場よりも、値引きする等の対策が必要になるので、この点は理解しておきましょう。
時間貸し駐車場のメリット・デメリット
時間貸し駐車場の主なメリットとデメリットは下記の通りです。
メリット | デメリット |
利用率次第で高収益が見込める | 初期投資の費用が高め |
好立地だと変形地でも集客が見込める | 月極駐車場よりも収益が不安定 |
当て逃げ、未払い等のトラブルが起きやすい | |
継続して定期的な市場調査が必要 | |
設備の定期的メンテナンスが必要 |
時間貸し駐車場となるコインパーキングの最大のメリットは、好立地であれば高収益が望める点です。
一日中、人の出入りが激しいオフィス街や、商業店舗が並ぶ区画では、高回転が望めるので月極駐車場よりも、確実に高収益が得られます。
しかも、そういった地域では多少車の出し入れがしづらくても、目的地に近い場所にあれば気にせず駐車しようとします。そのため月極駐車場のように変形地にこだわる必要はありません。
しかし、各種設備機器や舗装が必要になるため、初期投資の費用は数百万単位で必要になりますし、定期的なメンテナンス費用も発生するので、月極駐車場にはない維持費用も必要です。
また好立地でない場合は、収益が不安定になりがちですし、近隣のコインパーキングの駐車料金に合わせた料金設定が必要になるため、定期的な市場調査も欠かせません。
月極駐車場よりも運営に手が掛かるのは必至でしょう。
駐車場経営のメリット・デメリットは?
駐車場経営は他の土地活用と比較すると、手軽に始められるイメージがあるため、安易に手を出す人も少なくありません。
しかし、十分な知識や計画性がないまま初めると、失敗する可能性も高くなってしまうでしょう。
駐車場経営を始める際は、まずはどのようなメリット・デメリットがあるのかは最低限、理解しておくことをおすすめします。
それでは駐車場経営には、そのようなメリット・デメリットがあるのかを見ていくことにしましょう。
駐車場経営のメリット
それではまずは駐車場経営のメリットについて解説します。
駐車場経営のメリットは他の土地活用と比べて、手が出しやすい点に尽きます。
各メリットを見れば、諸々の理由から土地活用を諦めなければならなかった人でも、経営参加できる可能性が高いことに気づくはずです。
それでは早速、各メリットを見ていくことにしましょう。
初期投資費用が少なく、低リスク
主な土地活用にはアパートやマンションの賃貸経営が挙げられますが、建物を建設するために何千、何億という消費投資費用が必要になります。
そのため失敗した時の高いリスクが付きまといますが、駐車場経営ならこのリスクを回避することが可能です。
月極駐車場ならば全く初期投資費用を掛けずに始めることもできますし、初期投資費用の掛かるコインパーキングでも、数百万の費用ですみます。
そのため、資金面で経営を断念する必要もありませんし、たとえ失敗したとしても、アパートやマンション経営のように大きな痛手とはなりません。
休眠地を有効に土地活用したいが、失敗した時のリスクが心配で手が出せないという人には、おすすめの土地活用と言えるでしょう。
変形地でも運営できる
変形地の場合は建物を建てることが難しく、例え建てられたとしても敷地面積よりも小さくなってしまう上、建設資金が割高になってしまいます。
特に初期投資費用は利回りに直接影響してくるため、このような土地は建物を建てる土地活用には向きません。
しかし、駐車場ならばそんなことは気にせず、経営に乗り出すこともできます。建物を建てる必要がないため、建設資金に直接影響がないからです。
また駐車場を始める土地周辺に出し入れしやすい駐車場があれば、そちらにお客を取られてしまうでしょうが、そうでなければ十分な集客が見込めます。
変形地の土地活用ならば、駐車場経営がおすすめとなってくるでしょう。
土地活用の転用が簡単
アパートやマンション経営を始めてしまえば、土地の転用は不可能になります。住宅ローン支払いもありますし、簡単に撤去・転売ができないからです。
しかし、駐車場経営ならば建物を建てる必要はありませんし、駐車場契約者の立ち退きにしても数ヵ月程度で完了するため、他の土地活用への転用が簡単です。
また売却にしても建物が建っている場合は、売却額は建物評価額が大きく影響してきますが、駐車場経営ならばそんなことに気をもむ必要はありません。
住宅ローン相殺を気にせず転売することが可能です。
これら理由から将来的な流動性を確保したいと考えるならば、この駐車場経営が最もおすすめな土地活用と言えるでしょう。
駐車場経営のデリットは?
駐車場経営は初期投資費用が低く、比較的ローリスクの土地活用です。そのため、他の土地活用と比較するとデメリットはそれほど多くありません。
しかし、ローリスクハイリターンとはならないのが実情で、一部の高収益可能なコインパーキングを除き、収益性が低く、税制面においても優遇措置を受けられないデメリットが存在します。
税制上の優遇措置が少ない
住宅用地の場合、土地の固定資産税と都市計画税において、下記の減税措置が受けられます。
(固定資産税)
- 小規模住宅用地(200㎡以下の部分):土地評価額×6分の1
- 一般住宅用地(200㎡超えの部分):土地評価額×3分の1
(都市計画税)
- 小規模住宅用地(200㎡以下の部分):土地評価額×3分の1
- 一般住宅用地(200㎡超えの部分):土地評価額×3分の2
しかし、駐車場の場合は更地と判断されるため、これら税金の減額措置を受けることができないのです。
特に固定資産税は住宅地の6倍にもなるため、土地評価額が高い土地は、この課税金額が収益性に大きく影響してくる恐れがあります。
また駐車場経営は建物がないため、減価償却が少なく、その分、所得税の課税対象となる所得額が大きくなってしまいます。
そのため、アパートやマンション経営と比べると減税効果が得られず、節税対策もしづらい土地活用と言えるでしょう。
土地の運用効率が悪い
土地活用において運用効率を上げるならば、アパートやマンションのように上方向に収益物を重ねていくのがベストな方法です。
しかし、駐車場経営はこれとは全く逆の平面一層の運用方法となるため、どうしてもアパートやマンションと比べると、面積(1㎡)当たりの収益率が落ちてしまいます。
同じ広さの土地を運用するに当たっては、アパートやマンションとは比べようがないほど、収益効率は低くなってしまうのです。
収益性が低い
アパートやマンション経営は初期投資費用は高額になりますが、経営が順調に進めば高収益が望めます。住宅ローンが完済できれば、賃貸料が全て収益となるため、将来的には金の卵を産むガチョウになる可能性もあるでしょう。
しかし、駐車場経営は冒頭でも話した通り、一部のコインパーキングを除き、アパートやマンション経営と比べると収益性にはさほど期待できません。
ローリスクではありますが、高い収益性を望むのであれば、あまりおすすめできない土地活用と言えます。
収益が立地条件に左右されやすい
駐車場経営の収益は立地条件に左右されます。
月極駐車場にしても、時間貸し駐車場にしても、ニーズがないことには利用者が集まらず、十分な収益は望めません。
駐車場は建物のように用途地域制限を受けないため、どこでも開業できるメリットはありますが、ニーズがないことには経営は成り立ちません。ニーズの有無を知ることは駐車場経営を始めるに当たって、一番重要視しなければならないポイントになってくるでしょう。
月極駐車場であれば周辺が住宅やアパートマンションのある住宅地であれば、十分な集客が見込めます。しかし、コインパーキングは月極駐車場よりも立地条件が収益に与える影響が大きいので注意が必要です。
人の出入りが多い地域であれば安定した収益が見込めますが、それ以外の地域だと収益が不安定になってしまいます。
駐車場経営に向いている人
駐車場経営についての基礎知識を理解してもらったところで、次は駐車場経営に向いている人の特徴について検証していきます。
これは自分が駐車場経営に向いているかどうかの、1つの判断基準となってくるので、駐車場経営を検討している人は、自分が駐車場経営に向いているかどうかを確認しながら読み進めていきましょう。
土地はあるが、土地活用に掛ける資金がない
遊休地を土地活用で有効利用したいが、それに掛ける資金がない。または資金を欠けて失敗するのが怖いという人は少なくないでしょう。
そんな人には少ない初期投資で始められる駐車場経営は、まさにおすすめの土地活用となってきます。
月極駐車場であれば、ほとんど資金を欠けずに始めることが可能ですし、コインパーキングにしても数百万くらいの初期投資ですむため、アパートやマンションのように高額な初期投資をすることなく、利用価値のない土地を有効利用して収益を得ることが可能です。
将来に備えて転用性や流動性を残しておきたい
駐車場経営は転用性や流動性を残しておきたいという人には、まさにピッタリの土地活用です。
将来的には親族に相続させてマイホームを建てさせてやりたいとか、売却することも視野に入れているという人もいるでしょう。この場合も流動性の高さから、駐車場経営を廃業して、目的のために土地を転用することが可能です。
また、とりあえず遊休地を土地活用に利用してみた。しかし、初めてみたはいいものの収益性が悪く、このまま経営を続けても将来的に上昇修正できる見込みはない。土地活用ではこのような話は珍しくありません。必ず儲かる商売なんて存在しませんから、土地活用でもこのリスクをぬぐうことはできないのです。
アパートやマンション経営は収益性が大きい土地活用ですが、高額な初期投資を行っているため、先が見えないからといって、直ぐに撤退することは難しいでしょう。
撤退することは事実上不可能ではありませんが、初期投資に掛けた資金は回収できず、大きな損益を被ることになってしまいます。これがハイリスクハイリターンのアパートやマンション経営の怖さです。
しかし、駐車場経営ならばこのような事態に至っても、別の土地活用に転用できる流動性が維持できているので、失敗したなと思ったらすぐに駐車場経営から撤退することもできます。土地活用後の失敗による損益を、できるだけ低く抑えたいという人にも、駐車場経営はおすすめの土地活用と言えるでしょう。
建物を建設できない土地を所有している
土地の中には今ある建物を解体し、新しい建物を建てることを法律で禁止されている、「再建築不可物件」に認定されている土地があります。これは建築基準法第42条が大きくかかわっており、道路に接地していない敷地には、建物を建てたてないと規定されているからです。
この再建築不可物件の土地では、今ある建物に住み続ける分には何ら問題はありませんが、新しく新居を建て直すことはできません。このような土地を所有している人も少なくないでしょう。再建築不可物件の場合、自分が住む以外に活用方法がないというわけですね。
しかし、駐車場経営なら話は別です。建物を建てることなく始められる土地活用ですから、再建築不可物件に認定されている土地であろうと何ら問題はありません。
しかも、こういった土地は住宅密集地に多く見られるので、月極駐車場としてのニーズは大いに見込めます。月極駐車場として安定・継続した収益も期待できるでしょう。
自宅内に駐車可能な空きスペースがある
自宅の敷地内に駐車可能なスペースがあるならば、それを駐車場として貸し出すのも1つの手です。
建物は敷地一杯に建てられるわけではありません。下記を保全して市街地環境を維持するため、用途地域に応じて建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)が建築基準法で規定されているからです。
- 日照
- 風通し
- 防災
そのためいくらかのスペースが残されていることがほとんどです。貸し出せるスペースは多くて数台分でしょうが、それでも家計には大きな足しになります。
自分の敷地内に他人が出入りすることになるため、嫌がる人もいるでしょうが、敷地内に利用可能なデッドスペースがある場合は、プチ駐車場経営を始めてみるのもおすすめですね。
駐車場経営で儲けるための運営方法は2つ
月極駐車場と時間貸し駐車場の運営方法を分類すると、下記の2つに分けられます。
- 自分自身で運営する方法
- 駐車場運営会社に貸し出す方法
どちらの運営不応法を選ぶかで、得られる収益が違ってきますし、運営に掛かる手間暇も大きく異なります。駐車場運営会社に貸し出すことで、駐車場経営のデメリットを回避することも可能です。
運営方法が変わればどのような違いがあるのかを、月極駐車場と時間貸し駐車場をそれぞれ見ていくことにします。
駐車場経営を始める際、まず決めなければならないのは駐車場形態ですが、次に決めなくてはならないのがこの運営方法です。自分にはどちらの運営方法が合っているのかを、確認しながら読み進めていきましょう。
月極駐車場の場合
月極駐車場の場合、運営方法は主に下記2つのいずれかです。
- 管理委託方式
- 一括借り上げ方式
それでは早速、これら2つの運営方法の違いを見ていくことにしましょう。
管理委託方式
月極駐車場は自分で運営・管理・利用者募集の全てを取り仕切る人もいるようですが、運営だけを行い、管理・利用者募集・集金などを不動産会社に依頼するのが一般的です。
月極駐車場経営を最初から始める場合は、駐車場の区画割や料金設定等のアドバイスも受けられるので、初心者が駐車場経営に乗り出すには、まさにおすすめの運営方法と言えるでしょう。
管理委託方式のメリット・デメリット
それでは管理委託方式のメリット・デメリットにはどのようなものがあるのかを簡単に見ていくことにしましょう。
管理委託方式のメリットは下記の通りです。
- 月極駐車場経営で必要なアドバイスがもらえる
- 面倒な管理を全て委託することができる
- 管理委託業者が集客するため、利用者が見つかりやすい
月極駐車場の運営では駐車場内のトラブル処理や、集金、清掃など、意外と多くの手間暇が掛かってきます。専業として行うならいいですが、副業として行うなら、これら全てを自分自身で取り行うのは難しいでしょう。
しかし、管理委託方式ならば、そんな手間暇を全て管理委託業者が請け負ってくれるので、本業に影響することなく駐車場経営を行うことができます。
また、月極駐車場では、空きスペースが長期間継続すると、大きな収益ダウンに繋がるので極力避けたいところです。
そこで重要になってくるのが集客ですが、管理委託業者が不動産業者であることが大きなメリットを生み出します。月極駐車場を求める人が集まってくるため、自分自身で集客するよりも断然、集客率が上がります。
長期間、契約者が出現しない事態を避ける確率が高くなり、安定・継続した収益を見込めるのは、経営者にとって大きなメリットになってくるでしょう。
またメリットに対して、考えられるデメリットは、何と言っても管理委託業者へ支払う管理委託費用が生じる点です。
基本的に管理委託費用は、駐車スペース1台あたりに定率の費用が課せられ、台数分を毎月支払うことになります。自分自身で全て取り仕切れば必要のない費用ですし、この支出によって収益が下がることは疑う余地もありません。
しかし、駐車場経営は他の土地活用と違って経費が少なく、所得税控除が少ないのが特徴です。それを考えれば管理委託費用を経費として計上し、課税額を減額できるのは考え方を変えればメリットにもなってきます。
自分自身で全てを取り仕切った方が良いか、費用は掛かりますが管理委託方式で手間暇を削減した方が良いかは、経営者の考え方次第です。
自分にメリットが高いと思える方法を選ぶようにしてください。
一括借り上げ方式
一括借り上げ方式は専門業者が事前に行ったマーケティングによる経営計画に基づき、経営者が駐車場を整備した上で、それを月極駐車場として業者に一括借り上げしてもらう運営方法です。
大頭建託等の建設会社が行っている、アパートの一括借り上げと同じ方法になります。「私が賃貸施設は用意したので、後は業者さん頼みますよ。」という方式ですね。
その一括借り上げ方式のメリット・デメリットは下記の通りです。
一括借り上げ方式のメリット・デメリット
一括借り上げ方式のメリットは下記の3つが挙げられます。
- 駐車場契約率に関係なく、安定・継続した収益が得られる
- 駐車場経営を丸投げできる
- 直ぐに契約を打ち切れる
一括借り上げ方式の最大のメリットは、毎月の収益が駐車場契約率に影響しない点です。
駐車場全部で月いくらという賃料が支払われるので、駐車場に空きがあったとしても、収益に関係することなく、安定。継続した収益を得ることができます。駐車場運営業務を全て業者に丸投げできるので、副業として駐車場経営を始める人にはおすすめの運営方法となってくるでしょう。
また、借り上げは駐車場全体とは限りません。駐車場で未契約のスペースだけを選んで借り上げてもらうこともできます。長期間契約者が見つからないスペースを効率的に運用するのに利用するのもいいでしょう。
契約も月単位となるため、契約更新しなければ直ぐに返してもらえる点も見逃せません。契約者が見つかりそうな時には、契約を打ち切ればいいわけです。
この特徴を生かせば、運用次第で効率的な駐車場経営を成功させることもできるでしょう。
しかし、この一括借り上げ方式には下記デメリットが存在するので注意が必要です。
- 対応可能地域が限定される
- 管理委託方式よりも、さらに収益性が低くなる
実は月極駐車場の一括借り上げ方式を実施している業者はさほど多くありません。そのため対応地域が限定されてくるので、利用できる業者が見つからなかったというケースも出てきます。
そして収益性が低い点も大きなデメリットとなってきます。一括借り上げ方式の賃料保証という事情から、どうしても収益背は先の管理委託方式よりも低くなってしまうのです。
周辺の駐車料金相場を元に自分の駐車場の収益性を確認し、実際に業者から出された月額賃料と比較して、契約するかどうかを慎重に検討するようにしてください。
時間貸し駐車場の場合
時間貸し駐車場の場合、運営方法は主に下記2つのいずれかです。
- 自己経営方式
- 土地賃貸方式
それでは早速、これら2つの運営方法の違いを見ていくことにしましょう。
自己経営方式
自己経営方式はコインパーキングの設置を経営者が行い、その後、管理・運営を業者に委託する運営方法になります。
月極駐車場の管理委託方式のコインパーキング版と考えてもらえばいいでしょう。
自己経営方式のメリット・デメリット
この自己経営方式のメリットは下記の2つです。
- 稼働率しだいで高収益が見込める
- 面倒な管理・運営を業者に委託できる
利用者が多い好立地であれば高い稼働率が見込めるため、月極駐車場では考えられない高収益を得ることができます。
先に紹介したようにコインパーキングを60分300円(日中8時~20時)で、常時利用者で埋まっていると仮定し、10台分の駐車スペースがあれば、このコインパーキングの月間収益は下記の通りです。
- 300円×12時間×30日=1,116,000円
これを月額45,000円の月極駐車場に置き換えれば、月間収益は450,000円ですから、いかに高収益が望めるかは一目瞭然ですよね。
また、コインパーキングは24時間営業となるため、24時間体制での管理が必要になりますが、そこは業者に委託できるので何の心配もいりません。
高収益を上げるには好立地が条件となりますが、適した土地を所有している場合には、ローリスクハイリターンが望める土地活用になってくるでしょう。
また自己経営方式のデメリットは下記の通りです。
- 契約できるのはコインパーキング需要がある土地に限られる
- 初期投資費用が大きくなる
- 好立地でなければ収益が安定しない
自己経営方式では初期投資費用を全て自分でまかなう必要があります。アパートやマンション経営と比べれば微々たるものですが、数百万単位の費用が必要になってきます。
購入する設備機器メーカーや駐車スペース数にもよりますが、200万円から350万円くらいが相場です。この点は低資金で始められる駐車場経営では、デメリットになってくるでしょう。
また、好立地を除き、コインパーキングは時間や曜日で利用者が大きく変化します。近隣でイベントなどが開催されれば、高稼働により高収益が見込めますが、普段は不安定な稼働率のコインパーキングが多いのが実情です。
高収益を狙ってコインパーキングを始めてみたが、収益が安定しないということも多いので、この点はよく理解しておきましょう。
土地賃貸方式
土地賃貸方式はコインパーキング経営といっても、その経営に土地所有者が関わることはありません。土地をコインパーキング用に業者へ貸し出し、土地の賃貸料のみを受け取る方法だからです。
要は単に土地を賃貸しているに過ぎないため、コインパーキングで得られる収益を分配されることもありません。そのため土地活用としては最もローリスクで、最もローリターンな方法と言えるでしょう。
土地賃貸方式のメリット・デメリット
この土地貸借方式のメリットは下記の通りです。
- 初期投資費用が全く必要ない
- 稼働率に関係なく安定・継続した収益が得られる
- コインパーキング経営のわずらわしさが一切ない
これらメリットは土地所有者がコインパーキング経営に参加していないわけですから、本当にこれらがメリットとなるのかは疑わしいところです。
自分で土地活用するつもりがない、遊休地を利用して少しだけでも収益を上げたいと考えている人にはおすすめですが、駐車場経営で収益を上げたいと考えている人には、もはや駐車場経営を行っているとは言えない状況ですね。
土地帯賃貸方式を選ぶ際は、自分がどのような経営者像を抱いているのかが大きく影響してくるでしょう。
また土地賃貸方式のデメリットは下記の通りです。
- 利用できるのはコインパーキング需要のある土地に限定される
- コインパーキング収益が上がっても収入は増えない
土地賃料だけでもいいと思っても、コインパーキング需要がない土地の場合は契約してもらえません。
しかも、土地賃貸だけの契約ですから、当然コインパーキング収益の分配も皆無です。
しかし、これらデメリットを逆手に取れば、契約してもらえるなら、十分に需要があることが認められたことになり、コインパーキング需要による高収益を期待することができる証にもなります。
となればコインパーキングで高収益を望むなら、土地賃貸方式よりも、先の自己経営方式の方がコインパーキング経営としては魅力的な運営方法と言えるでしょう。
駐車上経営で儲けるためのポイント!
ここまでの解説で駐車場経営の基礎知識について、高い知識を得てもらえたかと思います。
そこで最後は今回のテーマでもある、駐車場経営で儲かるのかの問いに対して、儲けるためのポイントを紹介します。
駐車場経営を行う人にとっては、一番重要な答えとなるので、最後まで目を通してシッカリとポイントを押さえるようにしてください。
土地購入から始める土地探しが肝心!
まずは土地を購入して、一時から駐車場経営に着手しようという人に、注意してもらいたいポイントを紹介します。
土地を所有している場合は、駐車場経営の妨げとなる条件を排除することはできませんが、購入から始めるならば話は別です。
できるだけ駐車場経営に向いている条件に合った土地を購入することで、多くの利用者を確保することができ、高い収益を上げることが可能になってきます。
駐車場を利用する需要が多い地域ならば儲かりますが 田舎なら そこらに停めてしまって 金払ってまで停めること無いので儲かりませんね、 なんの商売もそうですが 客が居なければ 儲かりません。
参照先:Yahoo知恵袋
駐車場料金の高い土地
月極駐車場にしても、時間貸し駐車場にしても、駐車料金は周辺相場にに見合った設定が求められます。他の駐車場との差別化を図るため、周辺相場よりも値引きした価格設定が必要になることもあるでしょう。
そこでできるだけ収益性を上げるための工夫として、購入時に心がけてもらいたいのが、できるだけ駐車料金の周辺相場が高い土地を購入することです。
駐車場料金は下記のような検索サイトを利用すれば、簡単に相場料金を確認できます。
月極駐車場検索サイト
参照先:CarParkinng HP
コインパーキング検索サイト
参照先:駐マップ
購入する地域の駐車料金相場を調べて、できるだけ料金相場の高い地域の土地購入を検討するようにしてください。
駐車場はローリスクローリターンですね。ただ、世田谷区の成城で月極7万円等の駐車場がありますが、あれはローリスク・ミドルリターンかも・・・
参照先:Yahoo知恵袋
周辺地区の地価・需要も大きく関係しています。
固定資産税と都市計画税が安い土地
先に説明したように、駐車場経営は土地が更地扱いになるため、住宅地のように固定資産税と都市計画税の控除措置が受けられません。
特に固定資産税は住宅地の6倍にも上るため、土地評価額が高い地土地では、高額な固定資産税の納付が課せられてしまいます。
そのためあまりに土地評価額が高ければ、駐車場経営の収益にも大きく影響するので、できるだけ固定資産税と都市計画税を抑えられる土地購入が重要なポイントです。
駐車料金が高く、これら税金も抑えられる土地がベストな選択になってきます。
これら2つの税額は下記計算方法で求められます。
- 固定資産税=土地評価額×1.4%
- 都市計画税=土地評価額×0.3%
また土地評価額の計算方法は下記の通りです。
- 土地評価額=土地面積×路線価
路線価は国税庁のHPで簡単に検索することができるので、購入検討先の土地で納める税期がいくらになるのかを確認するようにしてください。
検索先:国税庁 路線価図・評価倍率表
リスクが少ないのは駐車場でローリスクローリターン。駐車場はアパートよりも初期投資が少ないのですが、税金が高いですのでトントンとなる場合が結構あります。
参照先:Yahoo知恵袋
形の整った無駄が出ない土地
駐車場経営はアパートやマンション経営のように、整形地にこだわる必要はありませんが、土地を購入してから始めるのならば、わざわざ変形地を購入する必要はありません。
変形地の場合、駐車区画がきれいにとれないため、その分無駄が出てしまい、収益ロスを引き起こします。
無駄なく収益性の高い運用を目指すためにも、形のできるだけ整った土地を購入するようにしてください。
コインパーキングは更に注意が!
また、コインパーキング経営を成功させるには、運用では月極駐車場よりも多くの手間暇が必要になります。
そのためコインパーキングの経営に着手するならば、月極駐車場経営には必要とされない、多くの実務が必要になってくるでしょう。
市場調査に基づく料金設定
コインパーキングの場合、周辺の駐車料金がいくらに設定されているかを知るために、ますは市場調査が必要になってきます。
大手メーカーとの自己経営方式で運営すれば、最適な単価設定を提案してくれますが、それでも、それが正しい価格なのかを自己判断できる材料は自ら持ち合わせておく必要があるでしょう。
また、場合によっては料金引き下げも必要ですが、基本路線としては周辺相場に合わせた料金設定がおすすめです。
下手に客欲しさのために料金を下げてしまうと、周辺のコインパーキングで価格競争を引き起こすことにもなりかねません。
周辺のコインパーキングが妥当な料金設定を行っているならば、それに沿った料金を設定し、相場を崩すような真似はしない方が無難です。
コインパーキングは知名度が上がれば、自ずと稼働率も上がるので、料金メリットに頼った集客だけは止めるようにしましょう。
最大料金設定を工夫する
コインパーキングで差別化となると、料金設定くらいしか見当たりませんが、値下げは先に言ったようにおすすめできるものではありません。
そこで工夫してもらいたいのが最大料金です。24時間駐車すればいくらとか、夜10時から朝7時までがいくらといったように、独自の価格設定を行い、それをウリにするのです。
この最大料金を利用して駐車する人は、ヘビーユーザーが大半を占めます。例を上げれば、周辺に勤務先があるとか、定期的に長時間訪問する目的がある人などがそれに当たります。
このヘビーユーザーはリピーター客になってくれやすいので、料金形態さえ満足してもらえれば、稼働率が低くなる深夜帯でも定期的な利用者を確保できます。このリピータさえ掴めれば、収益面でも大きな効果が得られるでしょう。
利用時間表示を工夫する
コインパーキングの料金表示には、10分、20分、30分、60分と様々ですが、この表示方法でも利用者が受けるイメージは大きく変わってきます。120分1,200円と表示されるより、30分300円と表示された方が割安感を感じるのです。
また車に乗っている時はスピードが出ているため、60分600円と30分300円が同じ料金設定であることに気づきにくいため、ついつい安い方を選んでしまう傾向にあります。
リピーターには通用しない手ですが、初めての利用者ならば、気づかずに駐車してしまう可能性は高くなってくるでしょう。
しかも、時間設定が短い方がメリットが高いという利用者も少なくありません。10分くらいしか駐車しないのに、最低料金が60分だと、すごく損した気になってしまいますよね。
しかし、時間設定が短ければ無駄も省けるので、このメリット生かしてリピータを増やすこともできるというわけです。
料金体系の見直しを心がける
コインパーキングを経営していると、ある日突然、稼働率が悪くなることがあります。
この場合は、周囲に自分のところよりも勝手の良いコインパーキングが開業したか、どこかのコインパーキングが値下げしたかのどちらかです。
コインパーキング需要の高いところは、このようなケースが多く見られます。定期的に周辺のコインパーキング事情を確認し、料金体系の見直しを検討する必要も出てくるでしょう。
駐車場経営は儲かるの?知るべき基礎知識と注意点のまとめ
駐車場経営は好立地のコインパーキングであれば驚くような高収益を上げることはできますが、そうでなければ高収益よりも安定・継続を求める人に向いている土地活用と言えるでしょう。
駐車場経営を検討している人は、今回解説した内容を参考にし、まずは駐車場経営に適しているのかを慎重に検討することをおすすめします。
また、駐車場経営を始める際は一度その土地を査定して、土地の価値を確認してみるのもおすすめします。その時におすすめしたいのが一括査定サービスです。
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