マンションを早く高く売却するために、引越しをして空室にするのがいい?

マンションを早く高く売却するために、引越しをして空室にするのがいい?

マンションを少しでも早く高く売却するために、引越しをして空室にした方がいいのか、それとも居住中の方がいいのかというのは、とても悩む問題です。

「居住中の方が、実際に暮らしているシーンをイメージできるから売却しやすい」と言う人もいれば、「引越しをして空室にする方が、購入希望者も遠慮なく見学できるので、断然売却しやすい」という人もいます。いったいどちらの方が、より早く高くマンションを売却できるのでしょうか?

引越しをして空室にした方が、売却しやすいのは事実

空室にすると内覧者数が増え、成約率は高まる

一般的には、引越しをして空室にした方が、売却しやすいと言われています。たしかに、空室にした方が内覧者数は増え、成約率が高まるのは事実です。それはなぜかというと、次のような理由があるからです。

引越しをして空室にした方が、マンションを売却しやすい理由

  1. 売主が引越しをして空室になれば、内覧者はいつでも室内を見ることができる。
  2. 不動産業者も空室の方が案内しやすいので、積極的に紹介するようになる。
  3. 内覧者は押し入れの中まで気兼ねなく確認することができ、室内のどこに傷があるかなども、隅から隅までチェックできる。
  4. 内覧時に売主がいないので、時間をかけてじっくりと内覧できる。
  5. プロのハウスクリーニングをかけることで、居住中に比べて見栄えが良くなる。
  6. 家具や置物などがないので、室内が広く見える。
  7. 購入希望者の中には、居住中物件を最初から候補に入れない人もいるので、そういう人も内覧に訪れるようになる。

さらに、引越しをして空室にすることで、売主側のメリットもあります。

引越しをして空室にしてから、マンションを売却することのメリット

  1. 内覧のために、いちいち予定を空けて立ち会わなくて済む。
  2. 内覧のたびに家を掃除したり、キッチンをピカピカにするなど、労力を使わずに済む。
  3. 売主の家族が、内覧のたびに外に出かけなくて済む。

売主にとって引越し&仮住まい費用は大きな痛手

引越しをしたい気持ちはあっても、現実としては居住中に売却をスタートする人が多い

上記のように、売主が引越しをして空室にすることは、マンション売却にとって多くのメリットがあります。しかし、中古マンションを売却する人の多くは、新しい住まいへの買い替えを予定しているため、引越し&仮住まい費用は売主にとって大きな痛手となります。そのため、現実としては多くの売主が、居住中にマンション売却をスタートしています。

実際に、著者も2度マンションの売却を行いましたが、2度とも居住中に売却を決めました。その際に経験したことなども含めて、居住中のマンション売却を成功させるコツをご紹介しましょう!

引越しをせず、居住中にマンションを何とか売却するコツ

「引越しをしないで、何とか居住中にマンションを売却したい」というのは、誰もが思うことです。居住中にマンションを売却するには、“居住中だからこそのメリット”を最大限に利用することが、より早く高く売却を決めるコツです。

引越しをせずに住み続けながらマンションを売却するコツ1

「こんなマンションに住みたい!」と内覧者に実感させるような室内にする

玄関に花を飾るなど、魅力的な室内に見える工夫を

売主が居住中にマンションを売却する場合は、家具やカーテン・装飾品などがそのままの状態になっているので、内覧者が生活をイメージしやすいという利点があります。そのため、室内の雰囲気を工夫して「こんな家に住みたい!」と内覧者に思わせることが、売却に結びつけるコツです0。

かといって、多額の費用をかけて小物や調度品などを用意するのは、本末転倒というもの。お金をあまりかけなくても、玄関に季節の花を飾ったり、不要なものを片付けてスッキリとした美しい室内にするだけでも、印象はグッとアップします。

引越しをせずに住み続けながらマンションを売却するコツ2

内覧者とコミュニケーションをとり、安心感と親近感を与える

売主の口から出るひと言には、信憑性がある

引越しをせずに住み続けながらマンションを売却する場合は、売主自身が“自分が広告塔だ”という自覚をもつ必要があります。なぜなら、売主の口から出るひと言は、不動産業者が言うことの何倍も信憑性があるからです。

たとえば、売却理由に関しても、不動産業者が「売主様はお住み替えを理由に、マンションを売却されます」と言っても、「本当かな?他に何か理由はなかったのだろうか?」という懸念を抱いてしまいます。

その点、内覧に同席した売主が「実はこのマンションは住民がいい方ばかりで、すごく気に入っていたのですが、実家の母が体調を崩して近くに住まなければならなくなったんですよ」と伝えれば、内覧者は「そうなんですか。住みやすいマンションなのに残念ですね」と、100%近く納得するでしょう。

売主のさり気ないアピールが、購入の決め手となることもある

マンションの売却例の中には、売主のさり気ないアピールが、内覧者の購入の決め手となることもあります。たとえば、子育て中のAさんファミリーがマンションを売却に出し、同じく子育て中の教育熱心なご夫婦が内覧に訪れたケースをご紹介しましょう。

「〇〇小学校の学区内」という魅力に魅かれて訪れたご夫婦は、〇〇小学校に入れることには満足しているものの、幼稚園に関して不安を抱いていました。そこでAさんが、「うちの長男が〇〇幼稚園に行っていたのですけれど、一人ひとりの園児をきめ細かくみてくれる、とっても素晴らしい幼稚園だったんですよ!なかなかああいう幼稚園はないので、引越し先では次女の幼稚園探しが大変です」と伝えると、ご夫婦は「そんな幼稚園があるなら、安心だね」と、心から納得しました。

さらにAさんは、お勧めの幼稚園のパンフレットや習い事のパンフレットなども用意して、ご夫婦に差し上げました。ご夫婦は大満足で内覧を終え、後日不動産業者に、購入の意思を告げる連絡が入りました。

売主が居住中だからこそ、売却が決まることもある

このように、売主が引越しをしないでマンションに住み続けていたことで、かえってマンション売却が順調に進むケースもあります。

筆者もマンションに住み続けながら売却した一人ですが、購入を決めたのは近所に実家がある子育てファミリーでした。奥様はその地で育っているので周辺のことには詳しく、内覧そっちのけで主婦同士の会話が盛り上がり、結果的に売却へと結びつきました。

ただし、内覧者が売主との会話を望んでいない場合もあります。静かにじっくりと物件を確認したい内覧者に対しては、ヘタに話しをせず、一歩下がっていた方が良いかもしれません。あくまでその場の雰囲気を読みながら、内覧者が本当に欲しがっている情報をさり気なく伝えることが大切です。

引越しをせずに住み続けながらマンションを売却するコツ3

無駄な経費をカットして、その分売却価格を安くしてコスパを高める

空室にすると室内の汚れが目立ち、リフォームが必要になることもある

引越しをして空室の状態でマンションを売却しようとすると、家具を置いていた跡が壁や床にクッキリと見えたり、ちょっとした傷がやけに目立ったりします。そのために、空室の場合は何らかのリフォームをしてから販売を始めるケースも少なくありません。

その点、居住中の場合は家具や調度品などが視線に入るので、汚れや傷などはあまり目立たず、リフォームをしなくても売却できるケースが数多くあります。中古マンションの購入者は、ほとんどが購入後にリフォームを考えているので、リフォームをしない分売却価格を安くしてコスパを高めた方が、買手がつく可能性が高まります。

居住中のマンション売却には、こんなメリットも

悪徳不動産業者から、身を守ることができる

引越しをして空室になったマンションを売却するのではなく、居住中にマンションを売却することで、実は意外なメリットもあります。それは、悪徳不動産業者に専任媒介を頼んでしまった場合でも、それを察知することができる点です。

引越しをしてしまうと、不動産業者がどのように内覧を行っているかを、売主は知ることができません。もしも不動産業者が、自分の利益のためにわざと売れ残るように仕組んだとしても、それに気づかない危険性もあります。

その点居住中であれば、いつどんな内覧者が訪れたか、不動産業者がどのように対応をしているかを、しっかりと目で確かめることができます。

マンション売却は引越しの後がいいか、居住中がいいかに関するまとめ

マンションの売却は、引越しをして空室にする方が成約率は高まりますが、逆に引越し代や仮住まい費用・リフォーム代などの経費がかさむというデメリットがあります。

もしも「余計な経費はかけたくない」と思うのであれば、最初の数ヶ月は居住中のまま販売し、どうしても売れなければ引越しをするという方法もあるでしょう。その辺は不動産業者とよく話し合い、できる限り手元にお金が残る方法を考えることです。