売れ残るマンションにはどんな特徴があり、どう対処すれば良いのか?
「あのマンション、ずっと売れ残っているけれど、どうしてだろう?」と思うようなマンション、ありますよね。誰もが納得するような売れ残りの条件が整っているマンションもあれば、それほど条件が悪くない筈なのに、なぜか売れ残っているマンションもあります。
実は、売れ残るマンションには、それなりの理由があります。売れ残りマンションに共通する特徴を把握し、そうならないために対処をしておくと、よりスムーズな売却につながるでしょう。
売れ残るマンションは立地条件が悪い
立地の悪さは、マンション売却には致命的
「マンションは立地で選ぶ」と言われるように、マンション売却にとって、立地の悪さは致命的ともいえます。
- 最寄り駅まで徒歩15分以上かかる
- 最寄り駅までバス便
- 最寄り駅が各駅停車で、都心まで時間がかかる
- 電車の乗り継ぎが悪い
- 電車の本数が少ない
- 電車の始発時間が遅く、終電時間が早い
- 沿線そのものに人気がない
このような条件がある場合は、マンション売却にとってかなり不利であることを自覚し、何とか売れ残らないための改善方法を考えなくてはなりません。
立地の悪いマンションが売れ残らないための対処法
価格の安さで勝負する
立地条件が悪いマンションは、それ以外の部分で何とか魅力を伝えなければ、売れ残る確率は非常に高いといえます。たとえ新築購入時の金額が高額だったとしても、現実にいくらで売却に出せば売れ残らないのかを、冷静に判断する必要があります。
場合によっては、ギリギリのところまで物件価格を下げることによって、買手が見つかる可能性があります。
住環境の良さをアピールする
立地条件が悪いマンションは、住環境の面では充実していることが多いので、そこをしっかりとアピールすることも大切です。
子育て中のファミリーの中には、「子どもを緑豊かな環境の中で、心豊かに育てたい」と思っている人も少なくありません。その点、駅から遠い立地のマンションは近くに広大な緑地があったり、カブトムシやセミが捕れるといった環境面での利点があります。
そこをしっかりとアピールすることで、「そんな所で子どもを育ててみたかった。中古だから価格も安いし、最初に買うマンションとしては最適」という買手を見つけることもできるでしょう。
売れ残るマンションは築年数が古い
築20年以上の物件は、どうしても売れ残る確率が高まる
築年数が20年以上になってくると、築浅の物件に比べて建物の魅力が減る割には、大規模修繕費用などの出費が多く、売れ残る確率が高くなります。大規模マンションなどは、売却物件があちこちに出るために買手の獲得競争になり、それに負けると売れ残ってしまうというケースもあります。
築年数が古いマンションが売れ残らないための対処法
マンションの“ここが魅力”という部分をはっきりさせる
マンション内で売却を争っているような場合には、その中から「やっぱりこの部屋がいい」と思ってもらわなければなりません。同じマンション内にライバルがいないとしても、周辺の同じような条件のマンションの中から、自分のマンションだけを選んでもらう必要があります。
築年数が古いマンションが売れ残らないようにするには、マンションの“ここが魅力”という部分をはっきりさせる必要があります。
思い切って価格を下げるか、リフォームをして室内を魅力的に見せる
築年数の古いマンションが売れ残らないようにするために、自分自身の努力で改善できるのは、主に下記の三つです。
・価格を思い切って安くする
・室内を魅力的にする
・物件の魅力をできる限り伝える
価格の安さを売りにするなら、室内のリフォームやクリーニングは考えずにできる範囲で美しく整え、その分だけ極力安く売却する努力をしましょう。
逆にハウスクリーニングのプロに室内をピカピカにしてもらって「古いマンションなのに、こんなにきれいなら住みたい」と思ってもらうか、リフォームをして買手が喜ぶような室内に改造するという方法もあります。
中途半端にお金をかけると売却に失敗するので、不動産会社の営業マンに相談しながら、ベストの方法を選択することが大切です。
売れ残らないために、物件の魅力をサイト上でしっかりと伝える
また、不動産業者間で情報交換するレインズのサイトや、SUUMO、LIFULL HOME’Sなどの不動産情報サイトに物件を掲載する際に、マンションの魅力をできる限り伝えることも重要です。たとえば「給食が美味しい人気保育園が徒歩圏にあり、園児を受け入れている」というような、生活に密着した情報も効果的です。
築年数が古くなればなるほど、物件の魅力をしっかりと買手に伝えることが、売れ残らないためには大切になってきます。不動産情報サイトは非常に効果的なので、大いに活用しましょう。
売れ残るマンションは管理費や修繕積立金が高い
魅力あるマンションでも、ランニングコストが高いと敬遠される
たとえJRの急行停車駅から徒歩10分以内で、管理体制が良好なハイグレードマンションでも、売れ残ることはあります。それは、管理費や修繕積立金などのランニングコストが高すぎて、一般的な収入の人が購入はできても、暮らし続けることができないからです。
実際にバブル期に建てられたマンションの中には、人気の高いエリアにある優良マンションでも、80㎡台の部屋が2千万円以下で売れ残るケースがあります。管理人やコンシェルジュが常駐し、敷地内には樹木がたくさん植えられ、誰が見ても憧れるようなマンションです。
高額の管理費・修繕積立金がネックになって、売れ残ってしまう
新築当初は管理費や修繕積立金も安めに設定されているので、高額所得者でなくても入居ができます。しかし、築10年を過ぎた頃からマンション管理の見直しが入り、「このままではマンションが維持できない」ということになり、大幅な料金アップが計画されるのです。
新築当初に管理費・修繕積立金の総額が2万円以下だったマンションも、築15年を過ぎると4万円以上になっているケースも、少なくありません。これに住宅ローンと駐車場代などをプラスすると、目が飛び出るほどの高額を毎月支払わなければならなくなるのです。
まだ築10年以内の売却であれば、毎月のランニングコストが数年後にアップすることを知らない買手が、購入を希望する場合もあります。しかし築15年を過ぎて実際にアップしてしまった後では、高額の管理費や修繕積立金を見て買手が二の足を踏み、売れ残ってしまうのは仕方のないことです。
管理費・修繕積立金が高いマンションが売れ残らないための対処法
管理組合の総会で話し合い、コストカットを検討する
あまりに高額のランニングコストがかかると、築年数が進むにつれて住民が減り、どんなに魅力的なマンションでもいずれはスラム化してしまう危険性があります。
管理費や修繕積立金が高いことを管理組合の総会で提案し、自分だけではなく住民全員の問題として話し合うことが、解決できる最善の方法です。たとえば「コンシェルジュが24時間常駐しているが、日中だけでも良いのではないだろうか?」といった具合です。
住民だけでなく、管理会社の担当者なども巻き込み、改善のためのアドバイスを受けるのも役に立つでしょう。
管理費が高い方が、将来にわたって快適な生活ができることを買手に伝える
また、「管理費は安ければいいのか?」という問題もあります。たしかに管理費が安い方が生活は楽ですが、高い管理費を出すことによって、将来にわたってマンション内で快適に暮らせるというメリットもあるからです。
ある程度高額の管理費を払うことが必要な理由をきちんと説明し、買主に理解してもらう努力も大切です。
マンションの規模が小さいと売れ残りやすい
規模の小さいマンションは、共有施設や管理費などの面で不利になる
世帯数が50戸に満たないような小規模マンションは、集会室やキッズルームといった共有施設が少なく、それに反して管理費や修繕積立金の負担割合は大きいため、中古マンションとしては売れ残る傾向にあります。
小規模マンションが売れ残らないための対処法
小規模マンションの魅力をしっかりとアピールする
小規模マンションは、特に高齢者など静かな落ち着いた暮らしを望む人にとっては、大規模マンションよりもずっと快適な生活が望めます。
小規模マンションの良さを、インターネットで情報を配信するときや内覧のときなどにしっかりとアピールし、購入意欲を高める努力をしましょう。
小規模マンションの魅力
- お互いに顔が見えるので、住民同士が仲良くなりやすい
- エントランスを入って自分の部屋にたどり着くまで近い
- 物件価格に開きがないので、価値観の似た人が集まりやすい
- 管理組合で何かを決めるときに、スムーズにいく
- 管理の目が行き届く
- エレベーターであまり人に会わないで済む
- 静かで落ち着いた住環境がある
どんなマンションでも売れる時代は、すでに終わった
日本の人口が増えている頃は、どんなマンションでも何らかの形で売り切ることができました。しかし今は、昭和の高度成長期に乱立したマンションが数多くあるにも関わらず、新築マンションは建ち続け、それと逆行するように人口は減っています。そうなると、自ずと魅力のないマンションは売れ残り、空室になってしまうのです。
マンションが売却できない大きな理由のひとつに、依頼している不動産業者の能力不足ということもあります。そのようなことにならないよう、当サイトの”カンタン60秒査定”で複数の不動産業者の訪問査定を受けて、間違いのない営業担当者を見つけるようにしましょう。
そして不動産会社の営業マンと二人三脚で試行錯誤しながら、何とかマンションが売れ残らないよう、最善の努力をすることが大切です。
売れ残るマンションの特徴と対処法に関するまとめ
売却しようと思っていたマンションが売れ残ってしまうと、売主としては大きなストレスをかかえることになります。それにつけ込んで、不当に安く売却させようとする不動産業者もいるので、くれぐれも焦らないよう注意が必要です。
中古マンション市場の動きをいつもチェックし、今現在いったいいくらならマンションが売れるのか、どんな買手がいるのかなどを確認しながら、より良い形で売却できるようがんばってください!