マンション価格の高騰はいつまで続く?理由や地域別価格を紹介!

マンション価格の高騰はいつまで続く?理由や地域別価格を紹介!

近年、マンション価格は高騰が続いています。

この記事を読んでいる方の中にはマンションの購入や売却を具体的に検討している方も多いでしょう。マンションの売買は数千万にもなる大きな取引ですから、多くの方にとっては人生でそう何度も経験することではありません。

大きな取引になるマンション売買ですが、マンションの価格は時期によって価格に変動があります。購入を検討している方にとっては安いタイミングで買いたいですし、売却を検討している方にとっては高く売りたいと考えるのが当然です。

そこで今回の記事ではマンション価格の高騰がいつまで続くのか、そもそも何故今マンション価格が高騰しているのかを、地域別の事情なども含めて詳しく解説をしていきます。マンション売買を検討している方はぜひ最後までお読みください。

そもそもマンションの価格とはどうやって決まる?

マンション価格_高騰_いつまで_決まり方

マンション価格の高騰がいつまで続くかを説明する前に、そもそもマンション価格はどのようにして決まるのかを確認しておきましょう。この点を理解しておくだけで、今後のマンション価格を予想するにあたって大きく違ってきます。

マンションには新築と中古があり、中古よりも新築の方に住みたいのは当たり前ですから、価格も新築の方が高くなるのが一般的です。しかしマンションの場合は立地や物件によっては、新築時より中古で再販する際の方が高く取引される事例もあります。

これは新築と中古で、価格の決まり方がちがうことが理由です。何故このようなことが起こるのか、まずはマンションの価格がどのように決まるのかをそれぞれ見ていきましょう。

新築の場合

新築マンションの価格は、一言で言うと売り主である不動産業者次第です。通常マンションはマンションデベロッパーと言われる不動産業者が土地を仕入れ、建物を建て、営業マンや広告費などを使いながら販売を行います。つまり、土地の仕入れ値に建築費と人件費や広告宣伝費を足したものがマンションの価格ということになりますが、それだけではなくここに不動産会社の利益が上乗せされます。新築マンションの価格を構成するそれぞれの要素を見ていきましょう。

土地代

マンションのような大きな建物はどこでも建てれる訳ではありません。高い建物を建てることが出来る地域で、まとまった広さの土地が必要です。マンション用地を確保するのは、不動産業者にとってとても重要な仕事です。

マンションを建築するために複数の土地所有者から土地を買い取る場合もあれば、等価交換と呼ばれる土地所有者から土地を譲り受ける代わりに建築したマンションの部屋の区画を割り当てる手法を用いる場合もあります。

建築費

土地の仕入れが出来たら、マンションの建物を建てます。マンションには鉄やコンクリートなどの多岐に渡る材料に加え、実に多くの職人の方が力を合わせて建築します。鉄などの材料費も職人の人件費も様々な外部要因によって変動し、近年のマンション価格高騰の要因の一つは建築費の上昇です。

土地代が地域や立地によって大きく変動するのに対し、建築費は同じグレードの建物であれば全国どこであっても一律であるのが特徴です。

人件費・広告宣伝費

マンションの販売するための営業マンの人件費や広告の費用はこれに当たります。ここの費用は販売する不動産業者が大手であるほど割高になると思って間違いありません。大手不動産会社ほど社員の給料も高く、広告も派手に行っていることはお分かり頂けると思います。

しかし大手が悪いという訳ではなく、営業マンの教育体制や購入後のアフターフォローなども大手の方が充実しています。何より、土地の仕入れが強いのは大手ですから都心の一等地などの立地であれば、大手意外の選択肢がないのも現実的な事情です。

利益

これまで説明した要素に加えて販売している不動産業者の利益を加えて、販売価格を決定します。新築マンションの場合でも値引きをしてくれる場合もありますが、値引きの場合はこの利益部分を削ることになります。

 

中古の場合

では続いて中古マンションの場合の価格の決まり方を見ていきましょう。中古マンションの場合は、新築と違い売主と買主の交渉によって価格が決まります。そしてその価格交渉の際、大きな目安になるのが周辺や同水準の物件の相場です。

中古マンションの価格の決まり方を理解するには、取引の流れを理解すると分かりやすいです。

  1. まずはマンションを持っている方(売主)がマンションを売ることを決めます。
  2. 売るためには買いたい人(買主)を探す必要がありますが、自分で見つけることは難しいので不動産業者に相談をします。
  3. 不動産業者と相談をして、いくらで販売するかを決めます。この販売価格を決める際に相場を参考にしたり、不動産業者が物件の査定を行なっておおよその価格を決めます。
  4. 不動産業者が買主を探します。
  5. 興味のある買主が見つかったら、物件の案内などをして買う意思を固めてもらいます。
  6. 買主にいくらであれば購入するかを決めてもらいます。販売価格通りであればこれで成約ですが、大体は値引き交渉が始まります。
  7. 売主は買主が提示した購入希望価格を確認して、売るかどうかを判断します。
  8. このようなやり取りを何度か繰り返し、お互いが納得出来る価格が決まったら成約となります。

中古の場合はこのように売主と買主の合意によって価格が決まります。極端に言えば、相場に比べてどれだけ安くても、また高くてもお互いが納得していれば取引は成立します。しかし一般的には、周辺相場などを参考に価格を決めますから極端な金額になることはありません。

マンション価格の高騰はいつまで続く?

マンション価格_高騰_いつまで続く?

マンション価格の決まり方を理解した次は、今のようなマンション価格の高騰がいつまで続くのかを見ていきましょう。マンションをこれから売る方にとっても、買う方にとっても一番気になるポイントでしょう。

まず最初に何故今このようにマンション価格が高騰しているかについて説明します。

価格高騰の原因は?

マンション価格_高騰_いつまで_高騰の原因

参照:国土交通省・不動産価格指数

上記の表は2010年の価格を基準とした時の、マンションと戸建て、住宅用土地の現在までの価格推移です。不動産価格全般の上昇に比べると、マンションの価格が突出して上がっているのが分かります。他の不動産に比べてマンションだけがこんなに高騰しているのには理由があります。

東京オリンピック

マンション価格の高騰の理由の一つが東京オリンピックです。オリンピックはスポーツの祭典ですから、マンション価格には一見関係ないようにも思えますが、実は大きな影響があります。

オリンピックが行われる2020年に向けて、東京を中心に様々なインフラ整備が行われています。その代表的な例がメイン会場でもある国立競技場です。国立競技場のような大型の建築物などの整備が急ピッチで行われることで、建築に必要な資材や職人などの物的資源・人的資源が一時的に不足しています。そのためマンションを建てる場合の建築費が高騰しており、マンション価格の高騰へと繋がっています。

また東京でオリンピックが行われることで、世界中から観光客が集まり日本や東京の良さが世界に伝わり、インバウンド需要が更に加速することが期待されています。今後の需要を見越して都心を中心としたマンションが注目をされていることで、マンション価格の高騰へと繋がっています。

金融緩和

「マイナス金利」という言葉を聞いた事のある方も多いと思いますが、これは政府による金融緩和政策の一つです。金融緩和とは簡単に言うと、世の中に流通しているお金の量を増やすことによって、景気を良くするための政策です。

そして現在は大規模な金融緩和政策が行われている訳ですが、この金融緩和が始まったのが2013年からです。上の表を見ると、2013年からマンション価格の高騰が始まっていることがお分かり頂けると思います。

では何故金融緩和でマンション価格が高騰するのでしょうか。金融緩和によって世の中の流通するお金の量が増えることで、融資が受けやすくなることが要因の一つです。不動産を買う場合は、融資を受けて買う場合が多いですから自然と不動産を買う方が増えて価格が上がっていきます。

流動性

東京オリンピックや金融緩和の影響でマンション高騰が続いていると説明してきましたが、これらの理由による価格上昇はマンションに限った訳ではありません。しかし先ほどの表からも読み取れるように、戸建てなどの他の不動産に比べても、マンションの価格の高騰は突出しています。

マンションの価格だけがこれほど高騰している大きな要因の一つに流動性があります。

マンション価格_高騰_いつまで_流動性

参照:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向」より作成

流動性は、換金のしやすさを意味します。例えば、上場している株は流動性の高い資産の代表です。上場株は株価が常に公表されており、証券会社を通じて売却をすることで多少の日数はかかりますが換金することは容易です。一方不動産は同じ資産でも、換金をするためには買い手を見つける必要があります。物件によっては売りたくでもなかなか売れない場合もありますから、不動産の流動性は低いというのが一般的な考え方です。

しかし同じ不動産の中でも物件によって流動性に違いがあり、流動性が高いと言われているのがマンションです。流動性が高いということは、中古で売りに出した際にすぐに売れることを意味します。

上の表は中古マンションと中古戸建及び土地(100㎡~200㎡)の成約件数を比較したデータです。まず見て頂きたいのは成約件数の違いです。中古戸建+土地と比較しても中古マンションの成約件数が格段に多いのが分かります。新規登録件数というのは、物件の売出情報の件数を意味します。新規登録件数もマンションの方が圧倒的に多いですが、新規登録件数に対する成約率もマンションの方が安定して高水準にあります。

つまり、中古で売る場合は戸建てや土地に比べても、マンションの方が売りやすい=流動性が高いという事が言えます。マンション価格だけがこれだけ高騰している要因の一つには、この流動性の高さがあります。

流動性が高く、更に価格の値上がりが続いているのが首都圏のマンションの足元の状況です。このような状況から首都圏を中心としたマンションは、株のような金融商品としても注目をされており、海外を含めた投資家が積極的に買うことによって更なる高騰が続いています。

世界の富裕層

もう一つ、マンションの価格高騰の理由を説明をする際に忘れてはならないのが富裕層によるマンション価格への影響です。

この場合の富裕層というのは、日本だけではなく世界の富裕層です。日本の、特に都心の高級マンションは世界の富裕層を中心に注目されており、新築分譲されるとあっという間に売れてしまいます。

ではなぜ日本の高級マンションがこんなにも注目を浴びているのでしょうか?

マンション価格_高騰_いつまで_富裕層

参照:一般財団法人日本不動産研究所「国際不動産価格賃料指数」

その理由は、日本のマンション価格の割安感があります。これまでマンション価格は都心を中心に高騰をしていると説明してきましたが、世界の先進国のマンション価格と比べると日本のマンション価格は上の表の通りまだまだ割安感があります。

この割安感に加えて先ほど説明した流動性の高さから、日本だけでなく世界の富裕層のマネーが日本のマンションに集まっています。東京都港区の六本木駅近くの高級低層マンションでは、中国の富裕層が数十億で購入した事例もあります。

このように都内の高級マンションを頂点にして、需要が根強いことからマンション価格は高騰を続けています。

過去の価格下落のきっかけは?

これまでマンション価格高騰の原因について説明してきましたが、価格の高騰はいつまでも続くわけではありません。どこかのタイミングで下落局面へと入る訳ですが、そのタイミングを読むのは非常に難しいです。今後の価格推移を予想するにあたって、過去の下落局面とそのきっかけを押さえておくことは重要です。

マンション価格_高騰_いつまで_過去の下落のきっかけ

参照:不動産経済研究所「マンション40年史」より当方作成

この表は過去の新築マンションの販売価格と供給戸数の推移を表わしています。この表から分かる通り、過去マンションの価格と供給戸数が大きく下がったのは2回です。きっかけとなった出来事は1991年のバブル崩壊と2008年のリーマンショックです。

この二つの出来事は、それぞれ原因は違いますがマンション価格だけでなく不動産価格全体も下がり、経済危機と呼ばれるほど景気が悪くなった時期です。つまり、これまでの推移から分かるのはマンション価格の下落は、景気の悪化に伴って起きているということです。

いつまで高騰が続く?

現在のようなマンション価格の高騰が、いったいいつまで続くのでしょうか?今後の不動産価格を予想する際、多くの記事やレポートで分析されているのが、東京オリンピックの終了と2022年問題です。

東京オリンピック終了の影響

一つずつ見ていきましょう。先ほども説明したように、現在のマンション価格高騰の要因の一つに東京オリンピックによる建築費の高騰などがあります。東京オリンピックが終われば建築費の高騰も落ち着き、景気も一段落することでマンション価格も下落するとの見方もあります。

しかし、東京では大規模な再開発がいくつも計画されています。渋谷の駅前や虎ノ門エリアや六本木、山手線の新駅など様々です。これらの計画にはオリンピックに合わせたものもありますが、オリンピック以降の計画もたくさんあります。

またオリンピックを通じて東京の良さが世界に伝わることで、東京を中心に更なるインバウンドニーズが強まる期待があることは先ほども説明しました。このような理由からオリンピック後も、特に東京の物件は価格が多少落ち着く可能性はありますが、大幅に下落することは考えにくいです。

2022年問題

次に2022年問題です。この問題は2022年になると大量の生産緑地が売りに出されることによって、不動産価格が下落すると言われている問題です。生産緑地とは都市部にある農地のことで、その殆どが関東・関西・中京の都市部にあることから影響が懸念されています。

しかし実は生産緑地の多くは、駅から徒歩10分以上の立地が多いです。仮に2022年以降に生産緑地が売りに出されたとしても、駅からの距離を考えると車を保有しているファミリー層向けの戸建てが中心になると予想されます。もしくは生産緑地所有者の相続対策として、賃貸アパートを建築することもあるでしょう。

一方でマンションを購入する方の多くは駅近の立地を求める場合が多く、ワンルームなどの物件も多いです。このことから2022年問題がマンション価格へ与える影響はさほど大きくないと予想されます。

きっかけは金融引き締め?

東京オリンピックも2022年問題もマンション価格への影響が少ないと説明をしましたが、そうするとマンション価格は今後も高騰し続けるのでしょうか?もちろんその可能性も否定できませんが、今後の価格に大きな影響があると予想されるのが金融引き締めです。

流動性の高さがマンション人気の要因であることは先ほども説明しましたが、マンションはその流動性の高さから投資として購入する方も少なくありません。今後の値上がりを期待してマンションを買い、高くなったら転売をして利益を手に入れます。更に、保有している間は賃貸に出すことで賃貸収入を得ることも出来ます。

投資でのマンション購入による利益 売却価格−購入価格+保有期間中の賃料収入

他の不動産価格に比べてマンション価格だけが高騰している要因には、このような投資目的での購入が多いこともあります。更に足元の状況を見ると、シェアハウスの不正問題やサラリーマン投資家向けへの建築会社や銀行による不正問題により、同じ不動産投資である一棟アパートへの投資は逆風が吹いていることから、ますますマンションへの投資が注目されています。

もともと不動産は景気に左右されにくい実物資産の代表例でしたが、マンションにおいてはこのように金融商品としての側面が強まっています。そのため、東京オリンピックや2022年問題のような不動産市況におけるイベントよりも、景気や金融市況におけるイベントの方が影響が大きいと言えます。

流動性 購入目的 価格への影響
戸建て 低い 自宅用 不動産市況におけるイベント
住宅用土地 低い 自宅用 不動産市況におけるイベント
マンション 高い 自宅用+投資用 不動産市況におけるイベント+金融市況におけるイベント

現在の大規模な金融緩和が価格高騰の要因であることは説明しましたが、逆を言えば金融引き締めが起こった際には同じように大きく価格に影響を受ける可能性があります。今後のマンション価格を予想するには、金融政策に注意する必要があると言えます。

2019年12月の足元の状況では、日本の金融政策はマイナス金利を代表として大規模緩和が続いており、物価上昇も鈍いことから更なる緩和が期待されている状況です。世界を見ても、これまでは利上げによる金融引き締めを行っていたアメリカも方向転換し緩和方向へと向かい、同じくヨーロッパでも金融緩和政策が続いています。

当面は現在のような緩和政策が続くと予想されますが、マンション価格が気になる方であれば金融政策は注視しておいた方が良いでしょう。

各地域のマンション価格の推移!今後も高騰する?

マンション価格_高騰_いつまで_今後も高騰する

一口にマンション価格と言っても、地域によって価格も増減幅も大きく違います。マンションに限らず不動産と言えば場所によって値段相場が大きく変わるのは皆さんもご存知でしょう。

駅からの距離などの利便性のほか、再開発や新しい駅が出来るなどの理由で将来発展が期待できる、などの立地ごとの様々な要因で不動産価格は変わります。これに加えて、地域毎の経済状況などによっても不動産価格は変動します。地域毎のマンション価格を分析する場合は、全国平均の相場を掴んだうえで各地域固有の事情を加えて分析すると理解しやすいです。

マンション価格の推移について、地域毎に見ていきましょう。

北海道・東北

マンション価格_高騰_いつまで_北海道東北

参照:不動産経済研究所「全国マンション市場動向」より当方作成

まずは北海道及び東北地区のマンション動向を見ていきましょう。上記の表は新築マンションの販売価格の札幌市と仙台市と推移を表したグラフです。価格そのものこそ全国平均を上回ってはいませんが、上昇幅は両市ともに全国平均を上回る勢いで上昇しているのが分かります。

北海道地域では2016年の北海道新幹線の開通や海外観光客の増加に伴って、札幌市のマンション価格は全国平均を上回る伸び方で推移していましたが、2016年の豪雨や2018年の震災をきっかけに地域経済は落ち込み、マンション価格も足踏みをしています。

一方で2019年7月に発表された基準地価では、スキーリゾートで有名なニセコ観光圏にある倶知安町(くっちゃん)が上昇率で全国1位になるなど依然として不動産価格の上昇が続いています。また東京オリンピックでは花形協議とも言えるマラソンの開催地が札幌に選ばれるなど、世界的にも北海道が注目されているのが足元の状況です。

北海道はエリアが広く、札幌やニセコなど注目されているエリアがある一方で人口減少が続いているエリアもあります。札幌などの都市部のマンションは比較的底堅く推移すると言われていますが、立地によっては注意が必要とも言えるでしょう。

仙台を中心とした東北エリアは、2011年に東日本大震災という大きな地震災害がありました。その復興のため全国から多くの人やお金が東北に集まったことから、マンションだけでなく不動産価格は大きく上昇をしています。消費税増税などの影響もあり、一時的に落ち込んだ時期もありましたが足元では高い上昇が続いています。

一方で復興関連の需要は震災から一定期間経過したこともありピークアウトを迎えているのも事実です。また東北エリア特有の事情として全国の中でも高齢化が高いということがあります。一般的にマンションを購入するのは30~40代の現役層が中心であることを考えると、マンション価格にとってはマイナスの要因と言えます。

東北地域は震災による原発事故の影響もあり、インバウンド需要が少ないエリアでしたがここ数年は急速に伸び始めています。マンション価格におけるインバウンド需要の影響が大きいことを考えると、今後の東北エリアのマンション価格のポイントは、インバウンドの取り込みと復興需要の動向がポイントになるでしょう。

首都・関東圏

マンション価格_高騰_いつまで_首都圏関東

参照:不動産経済研究所「全国マンション市場動向」より当方作成

首都圏のマンション価格は、表からも分かる通り全国平均を引っ張る形で上昇を続けています。中でも東京23区のマンション価格については高い上昇が続いており、一部ではマンションバブルとも言われているほどの高騰が続いています。

首都圏、特に東京23区内のマンションがこれほど高騰している要因は先ほども説明したように金融緩和や東京オリンピックなどの影響のほか、他の地域に比べるとこの地域のマンションが流動性が高いことが要因です。現在の高騰がどこまで続くかは先ほども説明したように、金融政策の引き締めがポイントになると言われています。

首都圏全体で見れば今後も人口は増加が見込まれマンション価格も底堅い推移が予想されますが、一方で日本で建築されるマンションの約35%が東京都、神奈川県・埼玉県・千葉県まで含めると約55%が集中しています。それだけに競合する物件が非常に多いエリアでもあるので、マンション価格の今後を推測する場合にはマンション毎に丁寧に物件を見ることが大切です。

東海

マンション価格_高騰_いつまで_東海

参照:不動産経済研究所「全国マンション市場動向」より当方作成

続いて東海地域のマンション価格の推移です。東海地域の中心である名古屋市のマンション価格は全国平均と概ね同じような動きをしています。しかし東京、大阪に次ぐ第三の都市である名古屋市のマンション価格が全国平均よりも下回っていることに違和感を感じる方もいるでしょう。

実は愛知県では人口の割にはマンションの戸数は少なく、全国第3の都市でありながら新築マンション戸数のシェアは約5%程度しかありません。愛知県には日本を代表する製造業の企業が多くあるため平均給与は全国的にもトップクラスの水準である一方で、土地の価格は首都圏に比べると大幅に安いためか戸建ての方の需要が比較的高いと言えます。

東海エリアのマンション価格を予想する際に、大きな影響があると予想されるのが2027年の開業を目指しているリニア計画です。これが実現すれば品川~名古屋間が約40分で移動できることになり、名古屋に住んでいながら東京へ通勤することが可能になります。リニアがもたらす効果についてはまだまだ未知数の部分が多いですが、東海地域のマンション価格への影響はチェクしておく必要があります。

関西圏

マンション価格_高騰_いつまで_関西

参照:不動産経済研究所「全国マンション市場動向」より当方作成

関西圏のマンションの推移を見ると、他の地域と比べると上昇が弱いことが分かります。関西は首都圏に次ぐ第2位の経済エリアであり、インバウンドニーズも高いエリアでもあるため意外に感じてしまう方も多いでしょう。関西の中心である大阪府では、年々マンション用地の確保が難しくなっており、コンパクトなマンションの販売が増えていることも要因の一つと言われています。

関西圏の中でも突出した動きを見せているのが京都府です。京都府は国内だけでなく海外からの観光人気が高く、ホテルの開業なども相次いでおり「京都バブル」と言われるほど不動産価格が上昇しています。

毎年の地価発表を見でも、上昇率ランキングの半数を京都が占めているほど京都の価格は高騰しています。しかし、マンション価格の推移を見ると、2016年をピークに販売価格は下がり始めています。

この理由には、ホテルの開業が相次いでいることが挙げられます。

マンション価格_高騰_いつまで_京都バブル

参照:民泊専門サイト「Airstar」より抜粋

上記の表から分かる通り、京都では2016年以降ホテルの開業が相次いでいます。ホテル開発業者が高い稼働が見込める京都でホテル用地を確保しているため、マンションデベロッパーがマンション用地が確保できず、マンションの建築が困難になっているためです。そのため、京都におけるマンションの販売価格や販売戸数も減少しています。

大阪府でも京都府でもマンション用地の確保の困難さが、マンション価格に影響を及ぼしているのが関西圏の状況です。しかしこれはインバウンドを始めとして、関西エリアが世界的にも注目を集めている裏返しでもあります。実際2025年には大阪での万博開催が決定しており、今後ますます注目を集めることが予想されます。

一方で高騰を続けていた京都の不動産価格も、足元では落ち着きを取り戻しています。関西圏のマンション価格の今後は、インバウンドニーズと京都の不動産価格の影響に注意が必要と言えるでしょう。

中国・四国

マンション価格_高騰_いつまで_中国四国

参照:不動産経済研究所「全国マンション市場動向」より作成

中四国エリアの中心地であり、一番マンションの戸数も多い広島市のマンション価格推移を見てみましょう。上の表からも分かる通り、全国平均を上回る勢いでマンション価格が上昇しています。これには、原爆ドームと厳島神社という二つの世界遺産によるインバウンドの増加や、広島駅を始めとした再開発などによってマンションを含んだ地価が上昇していることが理由と言われています。

また広島では2014年に大雨による大規模な土砂災害が発生しました。これにより郊外の住宅地から都市部のマンションが注目されたことも、価格上昇の要因の一つです。

一方で山陰地方や四国地方では、地域によっては人口減少が続いており新築マンションの供給戸数も全国的には低位な水準に留まっています。同じ中四国エリアでも広島市のように今後も人口増加が見込めるエリアと、人口減少が続くエリアではマンション価格の動きも違ってきます。中四国エリアでマンション価格を調べる場合には、そのマンションの立地や周辺環境などを確認することが大切です。

九州・沖縄

マンション価格_高騰_いつまで_九州

参照:不動産経済研究所「全国マンション市場動向」より作成

九州エリアの中心の福岡市のマンション価格は、全国平均を上回る水準で高騰が続いています。福岡市は全国的にも珍しいペースで人口が増えており、2010~2015年の人口増加数・増加率ともに全政令市例都市の中でも1位となっています。また福岡空港は東京よりも韓国の方が近いというその立地からアジアを中心とした訪日外国人の拠点空港となっていることからも、インバウンド需要が増加しています。これらの要因から、マンション価格が高騰していると言われています。

沖縄エリアでは国内外からの観光客が依然高水準であり、ホテルなどの建設需要が活発なことから地価は上昇しています。しかし高騰しているのは那覇を中心とした南部エリアに集中しています。同じように九州でも鹿児島や宮崎などでは地価は横ばいもしくは微減となっている箇所もあるなど地域差が広がっています。他のエリアでも説明したようにマンション価格の動向は立地条件をよく確認することが大切です。

価格高騰が続く中でマンションを安く買う方法は?

マンション価格_高騰_いつまで_安く購入する方法

これまでの説明の通り、現在日本全国どの地域でもマンション価格は高騰しています。これからマンションの購入を検討している方にとっては、どのタイミングで購入するべきかとても難しいところでしょう。とても高額になるマンション購入ですから、少しでも安く買いたいと思うのは誰でも同じです。

マンションの相場を読むのはとても難しく自分だけの努力ではどうしようもないですが、マンションを安く買うためのコツを押さえておくことで安くマンションを買うことが出来ます。

  • 値引き交渉をする
  • 諸経費を安くする
  • 税金制度を上手く活用する

この3点を意識するだけで、マンション購入に関する支払いを抑えることが出来る場合もありますので、マンションを購入する方はぜひ意識をしてください。それでは一つずつ見ていきましょう。

値引き交渉をするコツ

マンションを買う場合も、電化製品を買う場合と同じように値引き交渉が可能です。むしろ販売価格そのままで買う場合の方が少ないと言っても良いでしょう。値引き交渉はマンションを買う場合には、必ずと言ってもいいほど行うべきことです。

値引き交渉する場合、相手の気持ちになって考えることが重要です。新築でも中古でも、売り主は物件を売りたい訳ですから具体的に「それなら売ってもいいかな」と思わせるような条件を出すことがポイントです。

新築マンションの場合

新築マンションの場合、売り主はマンションデベロッパーと呼ばれる不動産会社です。新築だから値引きは出来ないと思ってしまいがちですが、そんなことはありません。値引きのしやすい物件を狙うことで大きな値引きが出来る場合もあります。値引きのしやすい物件とは、具体的には次のような物件です。

  • 完売間近の残り住戸
  • ローンキャンセルの物件

一つ目が完売間近の物件です。不動産会社によって違いはありますが、通常新築マンションは建物を建築している間に販売を開始して、完成する前には全戸売り切ってしまいます。そうすることで、営業など販売に携わる人員を効率よく配置できるからです。大きな分譲マンションでも数戸でも売れ残りがあると、そこに人員を配置する必要があるため出来るだけ早く完売をしたいのが不動産業者の本音です。

そうすると、残り数戸になった物件などは多少値下げをしてでも早めに売り切ってしまった方が不動産業者にとっては良いことになります。そのため大きな値引きが期待できます。

二つ目がローンキャンセルなどの物件です。ローンキャンセルとは、売買契約をしたものの買う予定の方の住宅ローンなどが通らず、契約がキャンセルとなってしまった物件です。不動産業者としては、一度は売ってしまった物件ですから値引きをしてでも早く売りたいという心理が働きます。

物件や不動産業者によっては値引きをいっさいしないという場合もありますが、新築の場合はこの2点を意識することで通常よりも大きな値引きを期待出来る可能性があります。

中古マンションの場合

中古マンションの場合、価格の決まり方は買主と売主の合意によって決まることは先ほども説明しました。そのため値引き交渉する場合には、売り主の事情を確認することがとても重要です。例えば、転勤などの事情で早く売りたがっている売主であれば値引き交渉にも応じてもらいやすくなります。逆に「いい値段であれば売ろう」というなスタンスの売主だと、値引き交渉はあまり期待できません。値引き交渉をする際には不動産会社にこのような事情も確認するようにすると良いでしょう。

また値引き交渉の場合、出来るだけ具体的な提案をするようにすると良いでしょう。ただ単純に「〇〇万円なら買う」というよりは、「価格はこのままでも良いが、この部分のリフォームをしてほしい」などのような提案の方が売主としても検討しやすいからです。特に中古の場合はリフォームなどの修繕が必要になる場合も多いです。このような費用を買主負担から売主負担へと転嫁することで実質的な値引きが可能になります。

新築の場合 値引きしやすい物件を選ぶ
中古の場合 売主の事情に応じて提案をする

諸経費を安くする

マンション購入には、物件価格以外にも様々な費用がかかります。諸経費と呼ばれるこの費用を抑えることで、実質的にマンション購入価格を抑えることが出来ます。具体的にマンションを買う場合の諸費用には下記のようなものがあります。

  • 仲介手数料
  • 固定資産税(日割り計算)
  • 不動産取得税
  • 印紙税
  • ローン手数料(保証料)
  • 抵当権設定費用
  • 支払利息
  • 火災保険料

一つずつ見ていきましょう。まず仲介手数料は交渉するべき重要な諸費用です。中古マンションの場合、売主と買主をつなぐ不動産会社が存在するのが一般的で、その不動産会社が受け取るのが仲介手数料という報酬です。仲介手数料は通常売主と買主からそれぞれ3%、合計6%を報酬として受け取ります。この6%は宅建業法という法律で定められた数値ですが、上限の数値ですから下げることは法的には問題ありません。

実際に値引きするかどうかは不動産会社次第ですが、言ってみる価値はあります。しかしあまり強引に値引きを迫るのは得策ではありません。間に入る不動産会社にとっては、仲介手数料が収益になりますからここを強引に値引きしてしまっては、不動産会社にとっては利益の出ない仕事になってしまいます。仲介手数料を値引きする際にはこの点を理解しておくことが大切です。

固定資産税・不動産取得税・印紙税については値引きは出来ない項目です。ローン手数料や保証料は融資を受ける場合に借入する金融機関に払う手数料ですが、一般的にもここも値引き交渉は難しいでしょう。抵当権設定費用は借入をする際に購入物件に抵当権を設定するために必要な費用で、支払う先は司法書士になります。司法書士によって設定費用に違いがありますから、値引きが出来る可能性はありますが大きな値引きは期待できないでしょう。

支払利息とは、借入をする場合の金利に該当する部分です。金利は毎月の返済額に組み込まれているため分かりづらいですが、下記表のように金利の差によって総支払金額は大きく変わります。

毎月返済額 総支払利息 差額
4000万円を1%で借入(35年) 112,914円 7,423,753円
4000万円を2%で借入(35年) 132,505円 15,651,862円 +8,228,109円

このように金利が1%違うだけでのも800万以上の差が出ることになります。マンションの価格を値引き交渉する以上に、金融機関の借入金利は重要になります。可能であれば複数の金融機関を比較しながら出来るだけ低金利の金融機関を探すようにしましょう。

火災保険はマンションを買う場合は必須です。火災保険は、どこを窓口として加入するかによって同じ保険会社でも実は金額が違います。火災保険は保険会社が直接販売するのではなく、金融機関や不動産会社などが販売代理店となって販売する形となっており、販売する会社によって割引率が違うためです。

マンションを買う場合、他にも色んな事を決めなくてはならないため火災保険は後回しになってしまいがちですが、しっかりと比較して安いところで加入するようにしましょう。

値引きの可能性
仲介手数料 ◎(ただし強引な交渉は辞めた方が無難)
固定資産税 ×
不動産取得税 ×
印紙税 ×
ローン手数料(保証料) ×(銀行によっては出来ることも)
抵当権設定費用 △(出来るが効果は薄い)
支払利息 ◎(長い目で見ると効果大)
火災保険料

減税制度を上手く活用する

マンションを購入することで、税制上のメリットを受けることが出来る制度がいくつかあります。減税制度を上手く活用することで、支払う税金を数十万~数百万と大きく減らすことが出来るためマンションの値引き交渉以上に重要な項目です。

これらの税務上の優遇制度は、自ら税務署に申告することで優遇を受けることができますからどのような制度が対象になるかを良く確認することが大切です。減税制度には様々なものがありますが、経済効果の大きい4つを紹介します。

住宅ローン減税

住宅に関する減税制度では最も有名な制度でしょう。マンションに限らず自己居住用の住宅取得のために金融機関等から借入をした場合、毎年のローン残高の1%の所得税が控除されます。通常は購入後の10年間に限定されていましたが、令和2年末までの購入の場合は13年間まで延長されています。個人の収入にもよりますが、毎年数十万程度の減税があるため、とても大きな経済効果のある制度です。

住宅ローン減税を利用するには確定申告が必要になります。住宅を購入した年の、翌年の確定申告の期間(2月16日~3月15日)に税務署へと手続きが必要になります。適用には要件があるため、よく確認をして漏れのないようにしましょう。

すまい給付金

すまい給付金とは元々は消費税が8%へと増税した際に作られた制度ですが、2019年10月に消費税が10%へと増税したことにより適用となる要件が緩和され、最大で50万円の給付が受けられるようになりました。この制度は受けられる方の収入によって給付金が決まっているのが特徴で、年収が775万以下の方が対象となり年収が低いほど給付額が大きくなっています。

すまい給付金は住宅ローン減税の補完として作られた制度です。住宅ローン減税は所得税の優遇措置であるため収入が低い場合は、所得税の納税額も少ないため減税効果が限定的です。そのためこの制度では収入の低い方ほど給付金が手厚くなっています。

収入の目安 給付額
450万円以下 50万円
450万円超~525万円以下 40万円
525万円超~600万円以下 30万円
600万円超~675万円以下 20万円
675万円超~775万円以下 10万円

上記の表は目安です。ご家族構成や世帯の収入によっては金額は違いますので、詳しい金額を知る場合はすまい給付金のホームページで確認できます。

住宅取得資金の贈与税の非課税制度

マンションを購入する際、両親や祖父母などから資金の援助を受けるケースも多いでしょう。本来、両親や祖父母からであっても資金の援助を受けるということは、贈与税の対象となり税金を払わなくてはなりません。贈与を受けた金額にもよりますが、1,000万円の贈与の場合の税率は40%にもなります。せっかく援助をしてもらったのに、半分近い金額の税金を払ってしまうのでは住宅取得をためらってしまう方も多いでしょう。

そこで出来たのがこの制度で、住宅取得資金の援助に限って最大で3,000万円までであれば贈与税が非課税になります。住宅を購入した時期や物件の種類によって非課税の上限金額が定められていますので、詳しくは国税庁のホームページを確認するようにしましょう。この制度を利用する場合も、確定申告が必要になります。

投資型減税

長期認定優良住宅や低炭素住宅と呼ばれる環境に配慮した設計の住宅を購入した場合、この制度が適用できます。住宅ローン減税と同じく所得税から控除され、控除額は性能強化費用×10%で最大で65万円となっています。性能強化費用とは、住宅の床面積に43,800円/㎡を掛けた金額になります。この制度の特徴は住宅ローンの有無は関係ないので、ローンを組まないで現金で購入した方も対象となるのが特徴です。

マンション価格の高騰についてのまとめ

マンション価格_高騰_いつまで_まとめ

今回はマンション価格の高騰について、下記の内容について説明してきました。

  • マンション価格は、新築の場合は不動産会社が決定、中古の場合は買主と売主の交渉によって決まること。
  • 現在のマンション価格の高騰は大規模な金融緩和に加え、東京オリンピックなどが主な理由であること。過去マンション価格下がった際の原因は、大幅な景気悪化のタイミングであるため今後のマンション価格も金融引締による景気悪化の影響が予想されること。
  • 各地域のマンション価格は、全国平均と比較すると分かりやすいこと。
  • マンションを安く買うには、値引きしやすい物件を選ぶことに加え、諸費用を安くすることや減税制度を活用する方法があること。

マンションは買う場合も売る場合も、とても高額な取引になります。少しでも有利に取引をするためには、やはり周辺相場をしっかりと確認しておくことが大切です。またマンション相場への影響は、一見マンションとは関係にないように見えるインバウンドなども大きく関係していることを知っておくことで、より理解が深まります。

マンションの相場を確認する際には、不動産業者に査定をしてもらうのも有効です。下記のような一括依頼サイトを活用することで、簡単に複数業者からの査定が確認できます。

取引の後で後悔することのないよう、今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

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