不動産業者の相見積りは、必ずとっておいた方が良い
「相見積りを取るのは、不動産会社に申し訳ない」と思う人もいる
マンションを売却するときに、最初から一社の不動産会社に絞って見積もりをお願いするのが良いか、それも数社から相見積りをもらった方が良いかは、悩むところです。
気に入った営業マンを一人見つけて、「あなたに信頼してすべてを任せますよ!」と言った方が、相手が張り切って販売活動を行ってくれるのではと思う人もいるでしょう。中には「相見積りを取るのは、不動産会社の人に申し訳ない」と遠慮してしまったり、「仕事が忙しいから、何社にも声をかけるのは面倒」という人もいます。
たとえ忙しくても、相見積りの時間は何とか確保すべき
しかし、マンションの売却をするなら、不動産業者の相見積りは、絶対にしておくことをお勧めします。不動産会社の営業マンは、毎日何度となく売主と接し、相見積りの場面にも何度となく出くわしています。そのため、営業マンも「相見積りは当たり前」という認識があるので、売主が遠慮する必要などはまったくありません。
「仕事が忙しいから、相見積りが大変」という人も、不動産の売却で動くお金がいくらあるかを考えると、少しでも高く売却するために相見積りを取る時間は何とか捻出しておくべきでしょう。
最低でも3社からは相見積りをとること
不動産業者の相見積りは、最低でも3社、できればそれ以上の相見積りを取っておいた方が賢明です!間違っても、1社だけにすべてを任せてしまうことのないよう、くれぐれも注意しましょう。
「カンタン60秒査定」で、相見積りの時間を短縮!
相見積りを取るといっても、簡易査定までの段階は、やり方次第であっという間に終わってしまいます。当サイトの「カンタン60秒査定」を利用して、売却するマンションの間取りや駅からの距離、平米数などを記入し、査定を申し込みましょう。
しばらくすると数社からメールや電話などで連絡が入り、簡易査定の金額が提示されます。その中からあまりに高すぎる査定額や低すぎる査定額を出してきた不動産業者は省き、平均的な査定額を出した数社の中から3社ほどピックアップし、それぞれ訪問査定を依頼して相見積りをとります。
相見積りをとったほうが良い理由1
数社を比較検討することで、妥当な査定額を見極められる
1社の査定だけでは、本当に妥当な査定額かどうかがわからない
マンションの査定をするときに、相見積りをとらずに1社だけに依頼すると、「この査定額で本当に良いのだろうか?」という不安がどうしても心をよぎります。営業マンから査定額を提示された瞬間、売主としては「思ったより安い」と感じる場合もあるでしょうし、「意外と高くて安心した」と思う場合もあるでしょう。
しかし、この査定を1社からしかもらっていないと、その営業マンがどういう意図でこの金額を出してきたかが、まったく読めないのです。たとえば、不動産会社がよくやる方法として、「最初は相場より高い査定額を出しておいて、取りあえず専任媒介契約を結ぶ」というやり方があります。
営業マンはさまざまな意図をもって査定額を提示してくる
高い査定額が出ると、売主としてはその時点で満足しますが、本当にその金額で売却できなければ何の意味もありません。逆に、安いと思う査定額を出された場合、営業マンが誠実に判断した上でその金額になった場合もあるでしょうし、早く売り切って利益を確定したい場合もあり得ます。
このように営業マンの考え方によって、また不動産会社の方針によって、さまざまな意図をもって査定額を提示してきます。相見積りをとらずに1社から査定を受けただけでは、たとえその営業マンが誠実な人だったとしても、それを確証する手立てがありません。
その点、数社に相見積りを依頼することで、複数の査定額を比較検討でき、「この査定額が妥当だろう」という確信をもつことができます。
どんな不動産業者に訪問査定を依頼したらいいか?
数社に訪問査定を依頼して相見積りをとると、基本的にはその中から媒介契約をすることになるので、どこに訪問査定を依頼するかというのは非常に重要な問題です。
では、いったいどんな不動産業者に訪問査定を依頼し、相見積りをとったら良いのでしょうか?訪問査定の際に不動産業者を選ぶためのポイントは、下記の通りです。
① 大手の不動産会社と、地元の不動産会社の両方に依頼する
たとえば「大手の不動産会社から2社選び、地元の不動産会社から2社選んで相見積りをとる」といったように、不動産会社の規模が偏らないように選ぶのがベストです。
大手には「全国的なネットワークがある」「買主がたくさん集まる」といったメリットがあり、地元の不動産会社には「地域限定で探している顧客をもっている」「物件の魅力を良く理解している」といったメリットがあります。
さまざまな特性をもった不動産業者に訪問査定を依頼することで、自分自身の見識も深まり、より広い視野でマンションの売却を考えることができるようになります。
② マンションの売却に強い不動産会社を選ぶ
どんなに評判のいい不動産業者でも、投資用物件に強いなど、関係のない分野を扱っている場合では意味がありません。簡易査定の際に、不動産会社に成約実績を訊ねるなどして、マンションの売却に強い不動産会社をセレクトしましょう。
③ 効果的な広告戦略を立ててくれる不動産会社を選ぶ
どこでどういう広告戦略を打つかで、マンションの売りやすさは格段に変わってきます。不動産取引情報サイト「レインズ」への掲載はもちろんのこと、SUUMOやLIFELL HOME’Sなどの不動産情報サイトへの効果的な配信、地域へのチラシ配り、独自ルートによる顧客の紹介など、さまざまな方法を駆使して広告戦略を立ててくれる不動産会社を選びましょう。
④ 誠実で実力のある営業マンを選ぶ
“どの会社に相見積りを依頼するか”も重要ですが、”相見積りをとる会社の営業マンがどんな人か”というのは、それと同じくらい重要な要素です。
不動産取引は人生を変えるほど多額のお金が動くので、自分自身が「誠実で実力のある営業マンでなければ、任せたくない」と思うのと同じで、買手もまた「営業マンの選択は非常に重要」と考えています。ということは、そういう営業マンでなければ、購入を真剣に考える内覧者を連れてくることは難しいということです。
会社のネームバリューだけでなく、営業マンの人間力・営業力もチェックした上で訪問査定を依頼することが大切です。会う前からそれを判断するのは難しいかもしれませんが、メールや電話でのやり取りだけでも、ある程度の推測はできるはずです。
⑤ ブランド価値の高いマンションの場合は、販売元のデベロッパーにも依頼する
野村不動産のプラウドをはじめ、東京建物のブリリア、三井不動産のパークタワーといった有名どころのマンションや、一般的にブランド価値が高いとされるマンションの場合は、販売元のデベロッパーにも査定を依頼するのがベストです。販売元なので当然ながらマンションの魅力を熟知しており、売却実績も数多くあるはずです。
特にブランド価値が高くない場合でも、複数の不動産業者の相見積りをとるのであれば、その内の候補のひとつに販売元の不動産会社も入れておいた方が良いでしょう。ただし、往々にしてデベロッパーが良い仲介業者とは限りらない場合があるので、慎重に判断することが大切です。
相見積りをとったほうが良い理由2
数社を経験することで、どんな不動産会社なのかがよくわかる
いろいろな不動産会社があることを知るのは、マンション売却において大いに勉強になる
マンションの売却は、ほとんどの人が生まれて初めての経験なので、訪問査定を依頼する前は不動産会社の実態を把握することができません。
しかし、4社・5社と訪問査定を経験すると、「先日来た不動産業者はとにかく契約したくて必死だったけれど、今回の不動産会社は客の立場に立って話を聞いてくれるし、査定額も妥当だった」など、不動産会社の実態がいろいろとわかってくるようになります。
そういう意味でも、複数の不動産会社に訪問査定を依頼するのは、大きな意味があります。不動産会社の実態を知らずに、万が一口先だけの営業をする担当者に媒介を頼んでしまうと、後々トラブルになる危険性もあります。不動産業者選びはくれぐれも慎重に行いましょう。
相見積りをとるときの注意点
口頭の約束だけでなく、査定書を必ず受け取ること
「このマンションなら何千万円で売却できますよ!」といったように、口頭で査定額を伝える不動産業者がいますが、この手の不動産会社には依頼をしない方が賢明です。必ず査定書を受け取り、数字として残すことが大切です。
訪問査定の前に、室内をきれいにしておくこと
訪問査定の際に、あまりに室内が散らかっていると、「この物件は売りづらいかもしれない」と思われて、低い査定額を提示されてしまう可能性があります。訪問査定は内覧ほど神経質になる必要はありませんが、ある程度室内を整えた状態で来てもらう方が良いでしょう。
相見積りをとったほうが良い理由3
数社の中から、物件の価値を高く評価する会社を選べる
物件の価値の判断基準は、会社や営業マンによってさまざま
数社に相見積りを依頼すると、営業マンによって査定の仕方はさまざまです。たとえばA社は「5階の3LDKなので、査定額はこの辺が妥当ですね」と一般的な評価をするだけでも、B社は「ベランダから見える景色が美しく、晴れている日は富士山がクッキリと見えますね。そこに魅力を感じる方はいると思うので、このくらいの金額でも売却できるかもしれません」と、高い評価を出してくる場合もあります。
複数の不動産業者から相見積りをとることによって、このように物件の価値を高く評価してくれる会社を見つけられる確率が高くなります。また、このように高く評価してくれる営業マンは、実際に眺望の良さに興味をもつ購入希望者を連れてきてくれる可能性も大いにあります。
訪問査定によって査定額がアップしやすい要素とは?
訪問査定によって、先ほどの富士山が見える眺望のように、査定額がアップすることがあります。では、たとえばどのような条件があったときに、査定額のアップが期待できるのでしょうか?
- 室内が美しくスッキリと整い、生活をイメージしやすい
- ベランダからの景観が良い
- マンションの管理体制が良く、共有施設が良い状態を保っている
- 天井高が高く、開放的な空間になっている
- 駐車場の出し入れが容易で、快適なカーライフを送れる
- エントランスや外観に経年劣化がなく、新築同様に美しい
- 住民のマナーが良く、コミュニティが充実している
- 風通しが良く、日当たりも申し分ない
- リフォームによって住居設備が新しくなり、快適な居住空間になっている
- 周辺に利便施設が充実していて、生活しやすい
- 駅からマンションまでの歩道が美しく、通勤通学が快適
- 子育てに最適な環境が整っている
販売価格が多少高くても、どこまでなら受け入れられる?
高値で販売するなら、“査定額の110%”がひとつの目安
不動産業者から相見積りをとる際に、「自分のマンションを少しでも高く評価してほしい」というのは、誰もが望むことです。しかし、どんなに魅力的な物件だったとしても、相場を大きく外れて高く販売すると売却はしづらいでしょう。たとえ売却できたとしても、相当時間がかかることを覚悟しなければなりません。
では、いったいどれくらいまでなら、高い販売価格でも売れ入れてもらうことができるのでしょうか?よく言われているのは、“査定額の110%”というのが、ひとつの目安になるようです。
たとえば3,000万円が査定額の相場とされているマンションの場合は、物件に魅力的な要素があることで、3,300万円まではアップしても売却できる可能性があるということです。
絶対的な売却期限がある場合は、査定額の105%までに留める
また、「買い替え先が決まったので、絶対に3ヶ月以内に売却したい」というように期限付きの場合は、査定額の95%~105%の間であれば、3ヶ月以内の売却が可能と言われています。3,000万円の物件なら、2,850万円~3,150万円ということになります。
絶対的な売却期限のある物件は、強気の価格で出してしまうと、最悪“業者買取”ということもあり得ます。そうなると、査定額の70%~80%まで落ち込んでしまうので、くれぐれも売却価格の設定は慎重に行いましょう。
マンション売却の際の“相見積り”に関するまとめ
相見積りは、マンションの売却査定だけでなく、引越し業者やリフォーム業者を決めるときなどにもごく一般的な方法として行われています。特にマンションの売却に関しては、他のどれよりも大きな金額が動くため、相見積りは絶対にやっておいた方が良いでしょう。
数社の訪問査定は非常に面倒な作業でもありますが、これをやっておくことで、売主としてマンション売却への意識を高めることにもつながります。当社の「カンタン60秒査定」から最適な不動産業者をセレクトし、心から満足できるマンション売却を実現してください!