マンションを購入したときは一生そこに住み続けるつもりであっても、子供の成長や夫の転勤、実家への帰郷などさまざまな理由で住み替えをする可能性は出てきます。
この記事ではそんなマンションの住み替えが必要になった時に失敗しないためのコツや住み替え先の選び方、最適なタイミングについてご説明します。
マンション住み替えがうまくいくコツ!
まず売り先行をする
現在所有してるマンションを売ってから、住み替え先のマンションを購入するのが「売り先行」です。
それに対し、先に住み替え先のマンションを購入し、その後現在所有しているマンションを売ることを「買い先行」といいます。
マンションの住み替えをする場合、おすすめなのは「売り先行」です。その理由をご説明します。
資金計画を立てやすい
住み替え先のマンションを購入するにも、そもそも予算がわからないと探すに探せないですよね。その予算を出すには、所有しているマンションがどれくらいの額で売却できるかを知る必要があります。
先に売ってしまえば、その額がはっきりとし、それをもとに新居を探すことができます。なお予算は、以下のようにして求めます。
予算=所有マンション売却金額-(住宅ローン残債+売却に要する諸経費)
もちろん手持ちの資金があればこれに足して予算にすることができますが、覚えていただきたいのは所有マンションの売却金額をそのまますべて使えるわけではないことです。
高く売却できる可能性がある
売り先行にすると売却を急がなくていいので、売却期間を余裕のあるものに設定できます。
「この日までに売らなければ」という期限があると、値下げをして売るしかなくなりますが、その期限がない分値下げする必要はなく、結果的に高く売れることにつながります。
仮に購入希望者が値下げ交渉をしてきても、すぐに売らなければいけない理由がないので納得がいかなければ応じる必要もありません。
売却より購入に重点を置く
住み替えを成功させるコツとして、「売却より購入に重点を置く」というものがあります。売却がうまくいって高値で売れたとしても、購入が失敗であれば「住み替えがうまくいった」とは言えませんよね。
終わりよければすべて良し、ではないですが、やはり最終的に住む場所選びがうまくいくと「住み替えがうまくいった」と言えるのではないでしょうか。
そのため、住み替え先のマンションを探す際は周辺地域の調査にしっかりと時間をかけ、納得のいく物件を購入できるようにしましょう。
住み慣れたマンションを出来るだけ高値で売ることに気を取られがちですが、そこに多くのパワーを費やすよりは、この先ずっと住むマンションや周囲の環境選びにパワーを費やすのが住み替え成功のコツです。
リノベーションをするなら工期を見込んで計画する
近年、古い物件を安く購入して、自分たちの好きなようにリノベーションするという人たちも増えてきました。
スケルトンリノベーションであれば間取りも自由に変えられるため、購入するマンション自体がメンテナンスがきちんとなされていれば、安く買って自分たち好みの部屋にすることができるのでお得です。
ただリノベーションはすぐには終わりません。特に間取りを変えるレベルだと着工から完了までに数か月を要することもあります。会社選びや間取りの打ち合わせなども含めると、半年はみておいたほうがいいでしょう。
そうなると売却が決まってすぐに新居に引っ越すのは難しいため、場合によっては仮住まいが必要となります。中古物件を購入してリノベーションをする予定であるならば、仮住まいやそれにかかる費用なども予算に入れておく必要があります。
一括査定を使って負担を減らす
住み替えをするには、現在所有しているマンションを貸し出すという選択肢もありますが、そうでない場合は売却する必要があります。
しかし売却にはかなりの労力が要ります。不動産会社選び、契約手続き、売却活動、内覧、価格交渉など挙げればキリがありません。そんな労力を少しでも軽くするのが、最近多くのサイトが行っている一括査定です。
1分程度で物件の基本情報を入力するだけで不動産の相場がわかり、しかも複数の不動産会社の価格を比較して交渉を進めることができます。
そのため損をするリスクを避けれるだけでなく、自分に合った不動産会社も見つけられるのでまずは査定だけでもしてみて損はないでしょう。
住み替え先のマンションを選ぶポイント
資産価値が落ちにくい物件を選ぼう!
子供たちに相続させることなども考慮して、住み替え先のマンションは高値で売却できるものを購入しておくに越したことはありません。
それでは、具体的にどのような物件が「資産価値が落ちにくい物件」なのでしょうか。
1.立地がいい
立地は、マンションを選ぶ際に最も重要なポイントです。利便性のいい都心部のマンションであれば、ファミリー層、シニア層問わず需要があり、資産価値が下がりにくいといえるでしょう。
一方で郊外の物件は今後人口が減ってくるにつれ需要が下がる可能性が大いにあり、資産価値も大きく下がることになります。
2.タワーマンションなどの大規模マンション
タワーマンションなどの大規模マンションは、仕様もよくサービスも充実しているため買い手は付きやすいでしょう。
ブランド力という面でも大規模マンションは目につきやすく、数年住んでいても資産価値があまり下がらない物件も多いです。
築浅中古物件
「築浅中古物件を探す」というのも、住み替え先マンションを選ぶポイントの1つです。近年、首都圏の新築マンションの平均価格は1,000万円も値上がりしているというデータがあります。
つまり、築浅の中古物件を購入したほうが新築マンションとそれほど違いのない環境・仕様の物件をお得に購入できるということになります。
Aという新築マンションを5,000万円で購入するより同じような間取り、仕様、環境の築5年の物件を4,000万円で購入するほうが断然お得ですよね。
マンション住み替えに最適なタイミング
築年数が5年~10年のタイミング
マンションの価格は築年数が高くなるほど下がるのが一般的です。築26~30年までは下がり続け、31年以降は横ばいになると言われています。
これは築30年をすぎると建物自体の価値はなくなり、土地の価格だけで売却されるからです。
しかし売却をするなら築5年超、10年以下が最適です。これには税金の関係があります。
マンションを売却した場合、もし譲渡所得が発生すると所得税・住民税・復興特別所得税の税金が発生するのですが、このうち所得税と住民税の税率は、マンションの所有期間によって異なります。
各年数の税率を以下の表にまとめました。
種別 | 所有期間 | 所得税率 | 住民税率 |
短期譲渡所得 | 5年以下 | 30% | 9% |
長期譲渡所得 | 5年超 | 15% | 5% |
このように所有期間が5年以下と5年を超えるのとでは税率に大きな違いがあります。そのため、少なくとも5年は所有しておいたほうが、売却する際の税金の関係上お得になるということです。
「だったら5年以上所有していれば別に10年以内の売却でなくてもいいのでは?」と思うでしょうが、これは「10年間の保証」の問題です。
2000年4月1日以降は、新築マンションを購入した人を対象に「10年の間にマンションの性能に著しく問題があったり、生活に支障をきたす重大な欠陥があったりする場合に、売主に対し修繕請求をすることができる」と住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下、「品確法」に定められています。
つまり、所有期間が10年を超えてしまうとその権利を失うため、品確法の権利がなくなる10年以内に売ってしまうのも一つのタイミングとなります。
修繕積立金の値上げ時期
マンションの修繕積立金には、
- 均等積立方式
- 段階増額積立方式
の2種類があり、均等積立方式は金額が固定されています。
一方、段階増額積立方式では一般的に5年に一回修繕積立金が値上げされます。修繕積立金は上がることはあっても下がることはなく、もし将来的に家計を圧迫するような額になる恐れがあるのであれば、値上がる前に売却するのも一つのタイミングといえるでしょう。
なお、均等積立方式でも修繕計画の見直しにより値上げされることもあり、「絶対に値上げはない」とは言い切れません。
均等積立方式のマンションを所有していて、将来住み替えを計画しているという方も、この修繕積立金の動向はきちんとチェックしておいたほうがいいでしょう。
住宅取得控除の適用が終わるタイミング
住宅取得控除制度は、適用できる期間が10年と決まっています。
住み替えで新しくマンションを購入した場合は、再度住宅取得控除を10年適用できるため、住み替えを計画しているのであれば10年を目安に住み替えをするのがお得だと言えます。
結論:5年~10年が住み替えに最適
いくつか住み替えに最適なタイミングをご紹介してきましたが、マンションの住替えをするなら10年が目安ということがわかります。
もちろん必ず10年で住み替えをしなければならないというわけではありませんが、税金や控除のことも考慮して、10年で住み替えをするのがお得です。
マンション住み替えのコツやタイミングまとめ
マンション住み替えは、資金計画を立てやすいなどの理由から、現在所有しているマンションを先に売却する「売り先行」で住み替えを進めることを強くおすすめします。
また、住み替えのタイミングとしては税金や控除などの観点から損が少ないといわれる10年が目安です。そして住み替え先のマンションを再度売却することも視野に入れ、資産価値のことも考えて新居選びは慎重に行いましょう。
住み替えを成功させるコツをきちんと把握し、悔いのない住み替えをしてくださいね。その際はマンション売却ガイドというサイトで利用できる、一括査定を利用することをオススメします。
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