マンションの売却を考えるときに、売主が最初に行うのが「机上査定」です。この段階では不動産業者も決まっていないので、営業マンに相談することもできず、自分自身で査定の依頼をしなければなりません。そこで、机上査定をするときに売主がやるべきこと、心がけることをお話ししたいと思います。
そもそも、「机上査定」とはいったい何?
机上査定の価格は、あくまで訪問査定前の“参考価格”
「机上査定」とは、不動産業者が物件を査定する際に、同じような条件をもつ物件の成約事例や市況などを加味して算出する査定額のことです。机上査定は、実際に訪問して物件を詳しく確認するわけではないので、あくまで“参考価格”と思っておいた方が良いでしょう。
これに対して、実際に現地を訪問して室内の状態や周辺環境などを細かく確認し、確かな査定額を算出する査定方法を「訪問査定」といいます。実際にマンションを売却する際は、この訪問査定の金額をもとに行います。
複数の業者に机上査定を出してもらい、そこから訪問査定を依頼する業者を選ぶ
マンションを売却する人にお勧めしたいのは、まず複数の業者から机上査定を出してもらい、その中から良いと思う3社ほどの業者に訪問査定を依頼する方法です。
何社もの不動産会社に連絡をするのは、失礼だと思う人もいるのですが、まったくそんなことはありません。最初から1社の不動産会社に限定してしまうと、本当はもっと高く売却できる可能性があっても、みすみすそれを逃してしまうことになります。
それよりは、数社の不動産会社に訪問査定を依頼し、その中から比較的査定額が高く、信頼できる1社をセレクトするのがベストの方法です。
当サイトの「カンタン60秒査定」を利用すれば、机上査定も楽チン
早ければその日の内に、複数の業者の机上査定額がわかる
机上査定を依頼するなら、当サイトの「カンタン60秒査定」を利用すれば、何の苦労もなく複数の不動産業者の机上査定をもらうことができます。
申し込みの方法は簡単! 平米数や駅からの距離といった必要事項を1分程度入力して申し込むと、早ければその日の内に複数の業者から連絡が入り、机上査定の金額がわかります。
悪徳業者はサイトから排除されているので、安心して机上査定を依頼できる
机上査定をする際に売主にとって心配なのは、「悪徳業者につかまるようなことはないだろうか?」という点です。確かに、マンションを売却する人を餌にして暴利をむさぼる悪徳不動産業者は実際にあり、大変な思いをした売主がいることも確かです。
しかし、当サイトと契約をしている不動産業者には、そうした悪徳業者はいません。売主の方々が安心して取引できる業者のみをご紹介しているので、安心して机上査定を依頼することができます。
「机上査定」の金額は、どうやって割り出すのか?
中古マンションの机上査定の算出方法には、2種類あります。
取引事例比較法 | 過去の取引事例と比較して、査定価格を決定する方法 |
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新築マンション比較法 | 物件が新築時と比べてどのくらい安くなっているかによって、査定価格を決定する方法 |
中古マンションの査定で最もポピュラーなのが「取引事例比較法」
マンションの査定方法で最もポピュラーなのが、「取引事例比較法」です。その名の通り、これまでの取引事例と比較して予測する方法で、公益財団法人不動産流通センターが発行する「マンション価格査定マニュアル」をもとに行います。
取引事例となるマンションを選ぶ際は、交通の便利さや環境の良さ、買物・教育・公共施設などの充実度など、さまざまな観点から似た条件の物件をチョイスします。そして、最終的には評価を点数として出し、その点数を査定価格に換算します。
たとえば「事例となるマンションを評価したところ、評点が〇〇点で、〇〇万円で売却された。それに対して、今回査定するマンションは評点が〇〇点なので、査定価格は〇〇万円になる」といった具合です。
こうして決定した机上査定の金額を持って、不動産業者は訪問査定を行い、「机上査定では〇〇万円だったが、思ったよりも景観が良く、買手が付く可能性が高いので、査定額を100万円アップしよう」といった調整を行います。これによって売手と相談の上、実際に売却価格が決まるのです。
減価修正によって査定額を割り出す「新築マンション比較法」
取引事例比較法に比べてややマイナーですが、「新築マンション比較法」という査定方法もあります。これは、「物件が新築時にいくらで販売され、そのときと比べてこのくらい安くなっているから、その分を減額修正する」という方法で、査定額を割り出す方法です。
どのくらい安くなっているかを判断するにあたっては、築年数や老朽化の度合い、修繕が必要かどうかなどが基準となります。
机上査定の金額で、本当にマンションを売却できる?
マンションがいくらで売却できるかは、売ってみなければわからない
結論から言うと、机上査定の金額でマンションが売却できるということはありません。マンションが実際にいくらで売却できるかは、「売ってみなければわからない」というのが、本当のところです。
訪問査定を受けることで、初めて正確な販売価格がわかりますが、販売価格は必ずしも売却価格ではありません。中古マンションの場合は、いざ売却となると必ず値引きが入ります。たとえば2,980万円でマンションを販売していた場合、買主の値引き交渉が入って“端数切り落とし”となり、2,900万円で成約となるのはよくあるケースです。
それだけでなく、売主が売却を急いでいたために足元を見られ、2,980万円で販売していたマンションを、2,700万円まで値引きされてしまうケースまであります。
机上査定の金額は、あくまで不動産業者を選ぶ際の“参考価格”
このようなことは、中古マンションの売却では当たり前のように起こるため、机上査定の金額を鵜呑みにするのは非常に危険です。机上査定はあくまで不動産業者を選ぶ際の“参考価格”ととらえ、実際に売却できる価格に関しては、常に不動産情報サイトなどで市場動向をキャッチする必要があります。
また、机上査定の金額はどの業者も「最大この金額で売れるかもしれない」という、マックスの金額を提示する傾向にあります。もちろん、物件によっては机上査定の金額より高い金額で売却できることもありますが、とりあえずは「実際の売却額は、机上査定の金額より安くなるだろう」と踏んでおいた方が賢明です。
では、何のために机上査定を行うのか?
机上査定は、不動産会社を選ぶための選考材料
「その程度の曖昧な査定額なら、机上査定はやめて最初から訪問査定をお願いした方がいいのでは?」と思う人も、いるかもしれません。しかし、訪問査定をお願いするとしても、どこに頼むかとなると迷ってしまうのが現実です。
訪問査定の前に机上査定を行うことに意味があるのは、机上査定の金額が、複数の不動産業者から良さそうな数社をピックアップするための選考材料になるからです。
机上査定の金額を見て、あまりに高い業者やあまりに低い業者はカットする
「カンタン60秒査定」で数社から机上査定の連絡を受け取ったら、その中からあまりに高い査定額やあまりに低い査定額を提示した不動産業者をカットします。それはなぜかというと、あまりに高い机上査定の金額を設定してきた業者は、何とか仕事を取りたいためにわざとあり得ない金額を設定している可能性が高いからです。
また、あまりに低い査定金額を設定してきた業者は、営業マンに妥当な査定額を提示できる能力がない可能性があります。こうして数社をカットすると、おのずと選択する不動産業者が絞られてきます。
興味のある会社があれば、直接出向いて話を聞くのもひとつの方法
また、机上査定で判明するのは、査定額だけではありません。不動産業者の営業マンから入る連絡は、メールの場合もあるでしょうし、電話が入ってくる場合もあるでしょう。そのときの営業マンの対応がどうだったかは、信頼できる不動産会社を見極める上で大いに参考になります。
そこで「この会社の話をもっと聞いてみたい」と思ったら、訪問査定を受ける前に直接会社に出向いて話を聞くのもひとつの方法です。それによって会社の雰囲気をつかむこともできますし、営業マンと面と向かって話をすることで、信頼できる人物かどうかをリアルにチェックすることもできます。
机上査定に関するまとめ
机上査定が、信頼できる不動産業者を選ぶための登竜門になるということを、おわかりいただけたでしょうか? 一括査定サイトを使って気軽にできる机上査定ですが、マンションをより高く早く売却するためには、机上査定の段階から鋭いチェックを入れることが大切です。
心から信頼でき、能力的にも優れた営業マンと出会えたら、マンションの売却はもう半分以上成功したようなもの。そんな不動産業者と出会えるよう、机上査定をフルに有効活用しましょう!