一般的に角部屋は人気があり、マンション売却時に高く売れる可能性があります。
ただ、高いために敬遠されるという悩みがあるのも事実です。だからと言って値下げするのは避けたいですよね。
マンションの角部屋を少しでも高く売るポイントについてご説明します。
角部屋はマンション売却時に高値で売れるって本当?
マンションには角部屋と両側に部屋がある中間部屋(中部屋とも言う)があります。よく「角部屋は人気がある」と言われますね。
「住むなら角部屋がいい」という声が多いのすが、角部屋と言っても向きによって住環境が異なります。
4つのタイプ別角部屋の特徴
角部屋はバルコニー(ベランダ)がどの方向を向いているかによって、次の4つのタイプに分けられます。それぞれの特徴を見てみましょう。
バルコニー(ベランダ)の向き | 特徴 |
---|---|
南向き | ・1日を通して日光が入る ・バルコニー(ベランダ)の洗濯物がよく乾く ・昼間は部屋の照明がなくてもいい ・冬でも暖かい ・小さな子どもがいるファミリー向け |
東向き | ・午前中はよく日光が入るが、午後は日光が入りにくい ・朝から洗濯物を干せる人におすすめ |
西向き | ・午後、特に夕方の日差しが強い ・西日がよく当たるため、夜間でも比較的暖かい ・カーテンやカーペットなどが日焼けすることがある |
北向き | ・1日を通して日光が入りにくい ・湿気が多い ・夏は涼しいが冬は寒い ・カーテンやカーペットなどの日焼けは少ない |
実際はきちんと真南や真北を向いている物件ばかりではありません。南東や北西、また南南東や南南西といった方角を向いていることもあります。
角部屋のマンションは10%増しで売れる!?
一般的に角部屋は中間部屋よりも約10%程度高く売れると言われています。そのウワサは本当なのでしょうか?
中古マンションはなかなか同じ条件での比較が難しいので、新築マンションで角部屋と中間部屋の価格を比較してみました。
間取り | 専有面積 | 販売価格 | |
角部屋 | 3LDK | 75.89㎡ | 6890万円 |
中間部屋 | 3LDK | 70.52㎡ | 6200万円 |
(東京都23区内 同一マンション いずれも南東向きの物件)
この例では角部屋の方が10%程度高くなっています。ただし、マンションの価格を決める要素はそれ以外にもあります。
マンション売却の価格は階層や位置にも左右される
マンションの価格は角部屋かどうかだけで左右されるわけではありません。
何階の部屋かという点も大きなポイントになります。
マンション売却の価格設定に利用される階層別効用比と位置別効用比とは
同じマンション内で間取りや専有面積、設備などが同じでも、階層によって価格が異なります。特に高層マンションでは1階と高層階の価格は大きく異なることがあります。
階層が異なるマンションの価格算出の際に使用されるのが「階層別効用比」で、次のように定義されています。
「階層別効用比とは、一棟の建物の基準階(鑑定主体が判定した基準となる階層)の専有部分の単位面積あたりの効用に対する各階層の専有部分の単位面積あたりの効用の比をいう」
ちょっと難しいですが、例えば15階建てのマンションの場合、1階を基準にします。基準値は100で、2階は102.73、3階は105.6……と少しずつ数値が増えていきます。最上階の15階は115.99とかなり高くなります。
また、階層別効用比は何階かという階層以外に次の要素も比率に関係してきます。
- 日照
- 眺望
- 通風
- 騒音
- 安全性
- ブランドイメージ
など
最近の超高層マンションでは高層階の方がブランドイメージが高く、その分価格も高値になっています。
一方、位置別効用比は同じ階でも部屋によってどう違うかを示す数値で、次の要素で比較します。
- 角部屋か中間部屋か
- 開口部(バルコニー・ベランダ)の方位
- エレベーターや階段の位置
- 眺望
- 日照
- 間取り
- 騒音
マンション売却の査定では、こういった要素を考慮して計算します。
角部屋のマンション売却時にアピールすべき点
マンションを購入する人にとって角部屋は魅力ですが、一方で「高そう」という不安があります。そこで、不安を解消しつつ角部屋の魅力をアピールする必要があります。
角部屋のメリットとデメリットを整理しておきましょう。
マンションの角部屋のメリット
角部屋ならではのメリットは、次のようにたくさんあります。
- 窓が多いので日当たりや風通しがいい
- 隣接する部屋は1室なので生活音の悩みが少ない
- バルコニーやベランダが広い場合がある
- 専有面積が中間部屋よりも広い傾向にある
- 部屋の前の通路を人が通らないために静かでプライバシーが守られる
- 眺望が楽しめる
マンションの角部屋のデメリット
角部屋と言えどもデメリットはあります。特にマンション購入を検討される人では、角部屋に対して次のような不安点をお持ちのケースが多いようです。
- 価格が高そう
- 窓が多いのでカーテンが多く必要。お金が余分にかかるのでは?
- 窓を有効に使いたいが家具の配置で悩みそう
- 隣の部屋の生活音は1室のみだが、外の騒音が気になるのでは?
- 壁ではなく窓が多いために外気の影響を受けやすい(結露が多い)のでは?
- 外気の影響を受けると冷暖房費がかかるのでは?
これらの不安は内覧会などで実際に部屋を見てもらって説明するのが一番です。写真や動画などを撮影して見せるのもいい方法でしょう。
角部屋のマンション売却時にはユーザーの不安を払拭することが重要
物件に対する不安は実際に入居した人の意見が一番説得力があります。上記のデメリットや不安に対して、「大丈夫ですよ」と言えるようにしておきましょう。
- バルコニー側と道路側に窓があるので部屋が明るくて昼間は照明がいらない
- 外気の影響で冬は寒いかと思ったけれど、日差しがよく当たるので部屋が温まってそれほど寒くはなかった
- 防音壁なので外の騒音はあまり気にならない
角部屋以外の魅力もアピール
「最上階で眺望がいい」「1階で便利」といった角部屋以外の魅力もアピールできると、より売れやすくなります。
角部屋のマンション売却時のポイント~まとめ
角部屋は人気がある一方で、価格が高いため敬遠されやすいという問題があります。角部屋ならではの魅力と物件そのものの魅力を上手にアピールしましょう。
アピールしたいポイント
角部屋ならではの良さをアピール
・一日を通して日光がよく入る
・風通しがいい
・隣室が1室だけなので生活音が気にならない
・部屋の前の通路を人が通らない
・バルコニー(ベランダ)が広く使える
・同じ間取りでも専有面積が広い
といった角部屋だからこその魅力をしっかりと伝えましょう。
角部屋以外の要素をアピール
一方、角部屋以外の要素もアピールすることが大切です。
・高層階で眺望がいい(または1階なので便利)
・日当たりがいい
・エレベーター(階段)に近いので便利
このようにアピールできるポイントをまとめておくと安心です。
信頼できる業者に頼むことも重要
自分で売却したい物件のアピールポイントを整理したら、信頼できる業者を探しましょう。
専門業者なら、自分では気づかない魅力を発見してくれることがありますし、どこを一番押すといいかも心得ています。
地域の特性やユーザーの属性などから最適なアプローチをしてくれるでしょう。