中古マンションは新築より購入費用を抑えることができ、実物を見ることで生活スタイルをイメージしやすいなど、メリットが多いです。
しかしいざ住んでみたら後悔ばかり…というケースも珍しくありません。そこで当記事では中古マンションの購入の際によくある後悔について解説しています。
まず始めに|中古マンションを購入するメリットとは?
新築マンションはキレイで設備も最新、間取りも自分たちの自由に決められるなど、さまざまなメリットがあります。
しかし最大とも言えるデメリットは購入費用が高くなりがちなことです。中古マンションなら新築に比べて費用を抑えることが可能。ほかにも中古マンションのメリットはいろいろあります。
価格が新築に比べて圧倒的に安い
中古マンションの成約平均平方メートル単価は首都圏で53.5万円、近畿圏で33.8万円です。一方、新築マンションの場合は、首都圏で87.9万円、近畿圏で68.0万円(2019年4月 全国宅地建物取引業協会連連合会 不動産総合研究所の調査より)となっています。
数字で見れば一億瞭然。中古マンションの方が安いということが分かります。
新しい物より中古の方が安くなるのは当然とも言えますが、新築マンションの場合オプションで設備を加えたり、床や壁などにニオイや湿気を吸収するエコカラットなど新しい技術を採り入れたりすれば、さらに費用がかかるものです。
中古マンションなら欲しかった設備が前に住んでいた人が取り付けていた、という都合のよいこともあるもの。その分費用が浮くこともあるでしょう。
実物を見ることができる
マンションの外観や部屋の間取り、雰囲気など実際のところを見てから決められるのは中古マンションのメリットです。
新築マンションの多くは建物や部屋が完成する前に募集をします。人気のあるマンションは完成を待っていると希望の部屋が予約できない可能性もあるため、早い決断が迫られます。
新築マンションの場合、部屋の間取りや雰囲気は図やモデルルーム参考にして決めるため、できあがった建物や部屋がイメージと違ってがっかりする、ということもあります。
中古マンションの場合はそのような心配はなく、すでに間取りや雰囲気が分かっているため、インテリアなどを含めた生活スタイルをイメージしやすいでしょう。
条件のいい物件が多い
新築にこだわると選択肢が狭くなります。交通アクセスがよい、医療機関や教育施設が充実している、自然環境が整備されているなど、立地のよい場所にはすでに中古マンションが建っていることが多いもの。そのため、新築で条件に合ったマンションを探すのは一苦労です。
中古マンションの場合は数も多いので、選択肢が広がります。通勤しやすい、駅から近い、ショッピングをするのに困らないなど、条件に合った物件を見つけやすいでしょう。
中古マンションの購入でよくある後悔理由TOP5
では本題となる中古マンションの購入でよくある後悔理由をみていきましょう。
5位:近隣住民・隣人トラブル
マンションの場合、隣近所のお付き合いは少ないことも多いものです。そのためコミュニケーションを取ることがほとんどないので、どのような人が隣に住んでいるかも分かりません。
特に何もなければそれですむのですが、隣や下の階に住んでいる人がクレイマーで、何かにつけて文句を言ってくるようなケースがあります。
また子どもがいるとマンション内でもコミュニケーションが必要になることも多いです。周囲がよい人ばかりなら安心ですが、意地の悪い人がいると仲間に入れてもらえなかったり、人間関係で苦労したりすることもあります。
4位:金銭的な負担
中古マンションを購入する際には、支出と収入をもとにきちんとした計画を立てないと購入後、金銭的に苦労をすることになります。
また中古マンションを購入する際には頭金だけでなく諸費用がかかります。
その一つが仲介手数料です。通常、新築マンションの場合仲介手数料はかかりませんが、中古マンションの場合は物件価格の3%程度の仲介手数料が発生します。また、引っ越し代や新しく購入する家具などのインテリア、もしくはリフォーム費用なども予算に入れておかなければなりません。
それらにかかる費用が予定以上に増えてしまうと、購入後の生活に影響することがあります。住宅ローンを組めばその返済があります。古いマンションの場合は設備不良などがあると修繕積立金の値上げがあったり、管理費が高くなったりすることも。マンションを購入すれば固定資産税も払わなければなりません。
ボーナス返済をするプランにしたらボーナスが減額されて返済が苦しくなってしまった、ということもあります。他にも予定外の大きな出費がかさんで月々の返済が難しくなるなど、経済的負担が重くなると最初の計画を失敗した、と後悔することもあります。
3位:騒音トラブル
防音対策はしてあるマンションでもピアノの音や足音、洗濯機を回す音などが聞こえてくることがあります。
多少の生活音は我慢しなければなりませんが、夜中に洗濯機を回す音がしたり、毎日のように子どもたちが駆け回る足音がしたりすると、気分的にもうんざりしてしまいます。
騒音トラブルは住人だけが原因とは限りません。マンションの近くに大きな道路があり夜中でもトラックの走る音が聞こえたり、飲食店などのお店が多いと、酔っ払いの声などが聞こえたりするケースもあります。
音は気にし出すと大きなストレスにつながりやすいものです。睡眠不足になる可能性もあり精神的・体力的にもダメージを受けてしまいます。
2位:立地・周辺環境問題
思っていたより交通量が多く事故などに巻き込まれる心配が絶えない、近所に公園がなくて子どもが遊びに行けないなど、立地や周辺環境による後悔も多いものです。
近所に大きなショッピングセンターなどがあれば買い物は便利ですが、休日は駐車場待ちの渋滞に巻き込まれてしまうことがあります。
昼間は人通りも多くお店もあるので寂しくないと思っていたのに、お店は閉まる時間が早く、夜になると街灯も少ないので暗い印象になったり、駅からそう遠くはないとはいえ、帰りが夜になると怖いということもあります。
治安に関してもっと調べておけばよかったというケースも…。
また、駐車場だった場所にマンションが建ってしまい、日当たりや眺望が悪くなってしまった場合、快適な環境を失ってしまうことも後悔の理由になります。
1位:部屋の選択
同じマンションでも部屋の階や向きによって日当たりが相当違うことがあります。見学したときにはリビングの日当たりがよかったのに、実際住んでみたら日当たりがよいのは数時間だけだった…ということも多いです。
また、反対に日当たりがよすぎて夏場は地獄、という失敗例もあります。
入居前には大丈夫と思ったものの、クローゼットが狭くて布団などの大きなものが入らない、ということもあります。
そもそも収納場所が少なくて部屋が片付かない、タンスを置かなければならず部屋が狭くなってしまい部屋の選択に後悔をしているケースもあります。
購入後にリノベーションをしようとしたら、希望通りの間取りにできなかったということも少なくありません。
マンションの構造によっては間取りの変更ができないことがあるのです。それを確認せずに購入してしまうと、大きな後悔につながってしまいます。
後悔しないために中古マンション購入前にチェックすべきポイント
「失敗した!」と後悔しても購入後ではどうにもならないこともあります。後悔しないためにも購入前の確認が重要です。購入前にチェックしておきたいポイントを紹介しましょう。
近隣住民・隣人の雰囲気
購入しようとしている部屋の隣や上下の部屋に、どのような人が住んでいるのかをチェックできるのは、中古マンションのメリットです。
個人情報なので不動産会社の担当者に聞いても詳しいことは教えてもらえない可能性もありますが、過去にトラブルがあったかどうかはチェックしておきましょう。
マンション内を見学させてもらい、住民同士があいさつなどをしているかなど雰囲気を確認することも必要です。ファミリーが多いのか、住民の年代はどれくらいか、なども知っておくとよいでしょう。ゴミ置き場や自転車置き場など、公共の場はきれいかどうかもチェックしておきましょう。
金銭的負担の大きさ
購入後に家計が苦しくなるのは避けたいことです。そのためにも、初期費用や購入後にかかる費用について把握しておきましょう。
初期費用としては主に手付金や仲介手数料、火災保険料や印紙税などの住宅ローンに関連する費用などがかかります。購入後は毎年固定資産税や都市計画税などの支払いのほか、管理費や修繕積立金などの費用も必要です。
リノベーションをするならその費用、引っ越し代やインテリア費用も忘れてはいけません。貯金から出すならまだよいのですが、それらの費用もカードなどを使えば住宅ローンと同時に支払っていかなければなりません。
経済的な負担を大きくしないためにも、できるだけ正確な資金計画が必要です。子どもがいる場合は教育費や塾の費用もかかります。さらには、老後のための貯金なども考えていかなければなりません。それぞれの家庭のライフステージを考えた資金計画を立てることが大切です。
騒音の有無
部屋の防音性能をチェックしましょう。窓を開けたときと締めたときの音の差や、上下左右の部屋から聞こえてくる音が気にならないかどうかをチェック。子どもが多いマンションは部屋を駆け回る足音や、廊下などで遊ぶ声などが気になることもあります。
道路を走る車の音や飛行機、電車の音などが騒音とならないかも確認することが必要です。過去に騒音トラブルがなかったかどうかも担当者に聞いてみましょう。
立地・周辺環境
部屋の中だけでなく住環境を把握しておくことも大切です。近くにスーパーやコンビニがあるか、通いやすい範囲に病院や銀行などがあるかどうかも確認しましょう。駅からの距離は実際に歩いてみることです。
利用できる路線や始発・終電の時間、電車の込み具合、マンションの前の交通量などについてもチェックしておきましょう。
子どもがいる場合は、学校や保育施設への距離や交通手段、塾の場所、公園などの有無もチェックしておくことです。マンションの周りを歩いて雰囲気などを確認してみることをおすすめします。昼と夜の環境や雰囲気の違いについても知っておいた方がよいでしょう。
また、警察のホームページなどでエリアの犯罪件数を調べると同時に、交番の場所やその地域の治安対策についても知っておくと安心です。
駅から徒歩で帰宅する場合は、街灯の状況や近所のお店が何時まで開いているかなどをチェックし、帰り道が暗くないかどうかも確認しましょう。
日当たり、湿度、収納を確認する
中古マンションの内覧は、こちらが指定しない限りその部屋の日当たりのよい時間帯になることが多いものです。リビングをはじめ寝室の日当たりはどうか、1日のうちどれくらい日が当たっているのか、西日はどうかなども確認しましょう。
日当たりだけでなく風通しがよいかどうかもチェックが必要です。窓を開けても風が入ってこないと、部屋の湿度が高くなりカビの原因になります。
ニオイの原因にもなるので、部屋の風通しがよいかどうかも確認しましょう。
中古マンションの場合、築年数によっては収納場所が少なかったり、スペースが狭かったりすることがあります。便利な場所に収納が設置されているか、十分なスペースがあるかなどをチェックしましょう。
特にキッチン周り、洗濯機周りの収納は重要です。家事の動線を考えた収納があるか、ない場合は収納スペースを作れるか、なども確認しておきましょう。
現在使用している収納家具を持っていく場合は、設置場所なども踏まえて検討することが必要です。
中古マンションを売るなら〈マンション売却ガイド〉で一括査定
住んでいるマンションを売却して、中古マンションを購入しようと考えている人もいるでしょう。希望に合った中古マンションを購入するためにも、その後の生活のためにも、できるだけ高く売却したいものです。
しかし、売却方法を誤ると損をしてしまうこともあります。通常は不動産会社を通して売却をするケースが多いですが、不動産会社選びも重要。そうはいっても、自分で一つずつ不動産会社を回るとなると時間も労力も必要です。
そこでおすすめなのが一括査定です。〈マンション売却ガイド〉なら複数の不動産会社から同じ条件で見積りを取ることが可能。中古マンションを売却するなら利用してみるとよいでしょう。
中古マンション購入の後悔理由まとめ
中古マンションを購入する際、よほど急いでいない限り、部屋の内覧をして納得をしてから決めることがほとんどでしょう。しかし、住み始めたら困ったことや不便なことが出てくることも少なくありません。
しっかり部屋を見たり、自分たちのライフスタイルのことを考えたりして決めたはずなのに、後悔してしまう、ということにならないためにも購入前には念入りなチェックが必要です。
隣人とのトラブルや騒音、部屋の日当たりや収納などは、中古マンションだからこそチェックできることです。さらにマンション周りの環境も確認し、安全で快適に生活ができることを確認しましょう。
また、マンションを売却する場合は、一括査定ができる〈マンション売却ガイド〉を利用するのもおすすめです。希望に合った中古マンションを購入するためにも、よりよい条件でマンション売却をしましょう。