マンション売却の相談先として、大手不動産業者がいいのか、中小の業者がいいのか迷う人が多いのではないでしょうか。
もちろん、それぞれにメリット・デメリットがあります。詳しくご説明します。
マンション売却~大手不動産業者のメリット・デメリット
大手不動産業者とはテレビCMやインターネット広告、新聞の一面広告などあらゆる媒体を通して全国ネットで宣伝を行っている業者のことです。
特に不動産に関心がない人でも社名やその会社のCMは知っているというほどの有名企業ばかりです。
大手不動産業者でマンション売却するメリット
大手の不動産業者でマンション売却をする場合、次のようなメリットがあります。
- 安心感や信頼感がある
- 販売力がある
- 総合的なサービスを提供
- 全国ネットで展開
では、ひとつずつ見ていきましょう。
大手不動産業者は安心感・信頼感がある
大手不動産業者はやはり安心感や信頼感があります。もちろん中小の不動産業者でも安心・信頼はできるのですが、「大手」というイメージがより信頼感をアップさせるのでしょう。
圧倒的な販売力がある
最近の不動産業界はREINS(レインズ:不動産流通機構)の情報を共有しています。そのため、会社の規模を問わず同じ情報を持っているので、情報量の差はそれほどありません。
しかし、マンションを売却したい側としては、販売力があるかどうかは大きな問題です。その点、大手不動産業者には「マンションを買いたい」という問い合わせや相談が多いため、それだけ売れる量も増えます。
また、不動産業界は買取物件でない限り仲介手数料が入るため、会社側も売ることに力を入れます。販売力の点では大手不動産業者に軍配が上がるでしょう。
不動産に関する総合的なサービス提供
大手不動産業者は中古マンションや中古住宅の買取、仲介のほかに賃貸の仲介、新築の分譲、注文住宅設計施工、リフォームなど住宅・不動産に関する幅広いサービスを行っています。もちろん1社がすべてを行うのではなく、関連会社が行っていますが、顧客の要望に応じて必要なサービスを提供できるという強みがあります。
全国ネットで展開
大手不動産業者は全国各地に営業所や支店を置いて全国展開をしています。遠隔地のマンションを売却したいとか、転勤先の土地で住まいを探したいといったニーズにも対応できます。
また、ホームページで全国の不動産情報を紹介しているため、どこのエリアでも対応できるのも大手のメリットだと言えます。
大手不動産業者でマンション売却するデメリット
大手不動産業者のデメリットには、次の点があります。
- 地元の情報に詳しくない
- スタッフによって経験や力量の差がある
- 利益優先の傾向がある
地元の情報に詳しくない
大手不動産業者は全国各地に営業所や支店はあるものの、各都道府県の中でも人口が多い地域が中心になります。
地方の小さな町にまでは営業所を置いていないことが多いため、どうしても地元の情報は薄くなりがちです。
スタッフによって経験や力量の差がある
大手不動産業者は従業員の数は多いのですが、比較的若いスタッフが多く、経験や力量には個人差があります。もちろん会社をあげて研修や教育には力を入れていますが、経験不足のスタッフがいることは否めません。
不動産の売買は高額な取引だけに、担当スタッフに不安がある場合は上司や責任者に対応を求めるようにしましょう。
利益優先の傾向がある
大手不動産業者は宣伝広告に多額の費用をかけています。その分を回収しないといけないとか、各営業所ごとの競争などもあるため、どうしても利益優先になりがちです。
「早く売れる物件」「早く成約しそうな案件」を優先して取り扱い、面倒な案件は後回しにされる可能性があります。
ただし、大手でも対応は業者によって異なるため、不安な場合はマンション売却の一括査定を利用するといいでしょう。
マンション売却~中小不動産業者のメリット・デメリット
次に中小の不動産業者のメリットとデメリットを見ていきます。
中小不動産業者でマンション売却するメリット
メリットには次の点があります。
- 地元の事情に精通している
- 経験豊富なスタッフが多い
- 対応が親身である
地元の事情に精通している
地域密着型なので、地元の情報に精通しているのが大きなメリットになります。地域性や地形、その土地の経済状況などを幅広く把握しているため、的確なアドバイスが得られます。
経験豊富なスタッフが多い
中小規模の不動産業者は少数精鋭型と言っていいでしょう。新入社員を採用する場合でもまったくの新人を育てるよりも即戦力になる人材を求めています。社員数は大手よりも少ないですが、頼りになるスタッフが多いのがメリットになります。
対応が親身である
中小の不動産業者は地元で長く営業を続けているところが多いようです。そのため、「今回は成約に至らなかったけれど、今後何かあればよろしくお願いします」という姿勢で顧客対応をしています。
また、地元での評判を大切にするために、常に親身な対応を心がけているのが特徴です。細かい質問にもていねいに答えてくれるでしょう。
中小不動産業者でマンション売却するデメリット
一方、デメリットもあります。
- 販売力が弱い
- インターネットの活用力が弱い
- 大手よりも安心感や信頼感が劣る場合がある
- 会社の知名度が低い
販売力が弱い
中小の不動産業者は大手に比べると集客力が弱いため、販売力も弱い傾向があります。大手はさまざまな媒体を使って広告宣伝をしていますが、中小にはそれだけの宣伝費がかけられないため、どうしても宣伝できるエリアが限られてしまうからです。
マンション売却を考える場合は、見込み客の数が少ないという点がデメリットになると言えるでしょう。
ただし、中小の業者は地域密着型ならではの強みを生かして、ピンポイントで顧客を引き合わせることができるという強みも持っています。
インターネットの活用力が弱い
中小の不動産業者は店舗営業が中心というケースが多く、ホームページの運営にはあまり力を入れていません。
ホームページを持っていても、物件情報を常に更新するといった手間をかけていないとか、検索機能がない、または使いづらい……などあまり有効活用されていないケースが多いようです。
主な広告媒体は地元の新聞やフリーペーパー、店頭での案内などになります。遠隔地に住む人に物件の紹介ができないという弱点もあります。
知名度が低く、大手よりも安心感・信頼感が劣る
知名度は必ずしも安心感や信頼感とイコールではありませんが、聞いたことがない不動産会社というのはそれだけで不安感を抱かせる要素になります。
「マンション売却は高額な取引なのに、その会社って聞いたことがないけれど大丈夫?テレビで宣伝している〇〇不動産の方がいいんじゃない?」となりがちです。
しかし、知名度が低くてもしっかりと地元で長く営業をして信頼を集めている中小の不動産業者はたくさんあります。
知名度や企業イメージだけで判断しないことが大切です。
結論~マンション売却は大手か中小かどっちがいいの?
大手不動産業者にも中小不動産業者にも、それぞれに良さがあります。また、デメリットもありますが、デメリットと言っても致命的なものではありません。
「大手に比べれば……」「中小に比べれば……」というレベルで、どちらかが圧倒的に劣るというわけではないのです。
マンション売却の相談はケースバイケースで考えよう
大手には大手の、中小には中小の強みがあります。それぞれの特徴を理解してケースバイケースで選択するといいでしょう。
例えば急いで売却したい場合は全国ネットで宣伝をしている大手業者の方が早く買い手が見つかる可能性があります。しかし、中小業者でも顧客の細かいニーズを把握しているので、ピンポイントで見込み客を紹介してくれるケースがあるため、一概に「このケースは絶対にこっち」とは言い切れません。
相談は無料なので、まずは聞いてみるべし
大手業者でも中小業者でも相談は無料でできます。一度相談してみて、そのときの対応や査定額で業者を選ぶといいでしょう。