不動産会社に査定をしてもらって、いよいよマンション売却の活動がスタート!
ところが、売りに出しているのに一向に反響がないと不安になってしまいますね。反響がない原因とそのときの対策についてご説明します。
マンション売却の反響がないと困る!
マンションを売却するということは、なんらかの事情があります。しかも、多くは急いでいるというケースです。それなのに売りに出してもまったく反響がないと困ってしまいますね。
マンション売却の背景
マンションを売却する背景には、次のような事情が多いようです。
- 今のマンションが手狭になったため、もっと広いマンション購入を考えている
- 転勤が決まり、子どもの学校のこともあって転勤先で一戸建てを購入予定
- 勤め先の業績悪化で給料が激減した。住宅ローンの返済が大変になってきたので売却して賃貸への入居を検討中
マンションが売却できないと次に進めない!?
上記のようにマンション売却を考えている人というのは「マンションが売れたお金で住宅ローンを完済したい」というケースが多く、またローン返済後に残った資金を新たに購入する物件の頭金にしたいと考えています。
そのため、マンションが売れないと、次のステップに進めないという問題が発生します。
マンション売却開始から反響が出るまでの期間はどれくらい?
では、マンション売却を依頼してから反響が出るまではどれくらいの期間がかかるものなのでしょうか?
反響が出るのは2~3週間後
一般的に不動産会社と媒介契約を結んで販売を依頼すると、不動産会社はさまざまな媒体を使って広告宣伝活動を開始します。
新聞折込チラシ、フリーペーパーといった紙媒体、自社のホームページなどのネット広告を使って広く「こういう物件がありますよ」と知らせてくれるのです。
購入希望者のタイミングなどにもよりますが、これらの広告宣伝活動の効果が表れるのは2~3週間後と言われています。
媒介契約は3ヶ月が基本
ちなみに不動産会社と売主が結ぶ「媒介契約(媒介とは仲介のこと)」は3ヶ月が基本です。これは3ヶ月あれば、その間に買主が見つかるケースが多いからと言われています。
3週間を過ぎてもまったく反響がなく、3ヶ月を経過しても売れない場合はなんらかの原因があると考えていいでしょう。
マンション売却の反響がない原因はこの3つ
査定と仲介を不動産会社に依頼したら、後は広告宣伝をして購入希望者を見つけてくれる……と思っていたのに、まったく反響がない。
その原因として、大きく分けると次の3つが考えられます。
- 価格設定のミス
- 広告宣伝が不十分
- 不動産会社が物件の囲い込みをしている
マンション売却の反響がない原因~① 価格設定のミス
不動産会社が自分の物件を高く評価してくれるのはうれしいことかも知れません。しかし、近隣のエリア内で販売されている物件の価格と大きくかけ離れていると、売れないどころか問い合わせも来ないでしょう。
マンション売却は競合物件の調査と適正な価格設定が大切
近隣で類似物件がいくらくらいで販売されているのかを、よく調べてみましょう。最近は各不動産会社のホームページなどですぐに価格が調べられます。同じような築年数や間取りなのに、自分が売りたい物件の価格が大きくかけ離れて高い場合は不動産会社に相談するといいでしょう。
マンション売却の反響がない原因~② 広告宣伝が不十分
最近はどこの不動産会社でもホームページに売り出し中の物件を掲載しています。しかし、力を入れている物件は目立つところに掲載しますが、それほど注力していない物件は下の方にひっそりと掲載……ということがあります。
紙媒体の広告も意外と重要
インターネットの普及で、どんなものも「まずはネットで」という時代になっています。しかし、不動産会社のホームページで物件を探す人というのは、「今すぐ家が必要」というかなり切羽詰まった人が多い傾向があります。
しかし、紙のチラシやフリーペーパーは「近いうちに購入を考えてはいるが、とりあえずいくらくらいで売っているのかな~」と軽い気持ちの人の目にも留まります。その場合、希望の条件に合致し、価格も手ごろだとわかると購入に動く可能性があります。
紙媒体の広告は、このように潜在的な見込み客を動かす力になるので、もし広告がホームページだけだという場合は、紙を使っての広告を検討してみましょう。
マンション売却の反響がない原因~③ 不動産会社が物件の囲い込みをしている
「不動産会社の囲い込み」という言葉をご存知でしょうか?
囲い込みとは
売却の依頼を受けた不動産会社は、その物件情報をレインズ(REINS:不動産流通機構)に登録しなければなりません。
(専任媒介契約と専属専任媒介契約は一定期間内に登録する義務がありますが、一般媒介契約の場合は登録は任意になっています。)
レインズに登録された物件情報は多くの不動産会社で共有します。それによって、より多くの見込み客の目に触れることが可能になるのです。
しかし、他社から問い合わせが来た場合に、「現在、商談中です」とか、「もうすぐ契約になりそうなので…」と他社の介入を断ってしまうケースがあります。それを「囲い込み」と言います。
囲い込みの目的は仲介手数料
レインズに物件情報を登録することで、早く、適正な価格で売れるというメリットがあります。業界もそれを目指しているからこそ、登録を義務づけているのです。
しかし、不動産会社としては1件でも多く自社で販売(仲介)をして仲介手数料を得ようとします。しかも、自社で買主を見つけたら、売主と買主の双方から仲介手数料を得ることができます。
そのために、まだ見込み客や購入希望者が現れていないのに、さも交渉中であるかのような返答をして他社が仲介するのを妨害してしまいます。
囲い込みを防ぐ方法
このような囲い込みを防ぐには、売主が複数の不動産会社と媒介契約をする「一般媒介契約」をするのが有効でしょう。
専任媒介契約と一般媒介契約
専任媒介契約と一般媒介契約の違いは下記の通りです。
媒介契約 | 複数の不動産会社との媒介契約 | 自分で見つけた買主との取引 | 不動産会社から売主への報告 | レインズへの登録義務 |
---|---|---|---|---|
専属専任媒介契約 | できない | できない | 1週間に1回以上 | 媒介契約から5日以内 |
専任媒介契約 | できない | できる | 2週間に1回以上 | 媒介契約から7日以内 |
一般媒介契約 | できる | できる | なし | 登録は任意 |
なお、いずれの媒介契約でも契約期間は3ヶ月以内とされています。
一般媒介契約は売却したい不動産の物件情報をレインズに登録する義務はありません。そのため、広く他の不動産会社に情報が届く可能性は低くなるのですが、複数の不動産会社と媒介契約ができるため、一社による囲い込みを防ぐことができます。
マンション売却時に一括査定で不動産会社を選ぶのもおすすめ
不動産会社の中には一般媒介契約を嫌がる会社があります。あまり頑なに一般契約を拒む場合は囲い込みをしようと考えているのかも知れません。
疑うとキリがないので、いかにいい不動産会社と出会うかが重要になります。まずは一括査定で何社かの不動産会社と接触を持ってみるといいでしょう。その中から信頼できる不動産会社を選ぶと安心です。
マンション売却の反響がない原因~まとめ
マンション売却を不動産会社に依頼して2~3週間経過しても反響がない場合は、「価格設定のミス」「広告宣伝が不十分」「不動産会社の囲い込み」のいずれかが考えられます。
特に急いで売りたい場合は、あまり悠長なことはしていられません。価格設定や広告宣伝に問題がない場合は、不動産会社の囲い込みを疑ってみてもいいかも知れません。最初から囲い込みを避けるには一般媒介契約をすると安心なのですが、不動産会社が嫌がるケースもあります。
専任媒介契約をする場合でも、まずは一括査定で不動産会社を見極めるといいでしょう。