老後破産が心配!定年退職したらマンション売却すべき?

老後破産が心配!定年退職したらマンション売却すべき?

日本では多くの企業が定年退職を60歳と定めています。その後も65歳くらいまでは継続雇用が可能ですが、人によっては退職後も住宅ローンの返済が続くというケースがあります。

定年退職で収入は減るのに住宅ローンが支払えないといった「老後破産」が問題になっています。一方で自己所有のマンションがあるけれど、定年退職後は地方に移住したいという人もいます。

このページでは定年退職後のマンション売却について見ていきます。

定年退職後の収入減で住宅ローンが払えずにマンション売却を考える場合

マンションを購入した年齢によっては、定年退職時にまだ住宅ローンが残っているという場合があります。

退職金などで一括返済や繰り上げ返済ができるといいのですが、そうでない場合は住宅ローンの返済が負担になってしまいます。

定年退職でマンション売却したらどこに住む?

「住宅ローンが払えないからマンションを売ってしまおう」という考え方はわからなくはありません。しかし、今住んでいるマンションを売却したら、どこに住むのでしょうか?

賃貸マンションやアパートに入居しても家賃がかかります。また、マンションの売却代金で住宅ローンの残高がすべて返済できるかどうかも重要な問題です。

人生100年時代~払い続ける家賃総額を考えること

もしマンションを売却して賃貸住宅に入居するとしたら、一生涯に支払う家賃はいくらになるのか、考えてみましょう。

これからは「超高齢化社会」とか「人生100年時代」と呼ばれています。2016年時点での日本人の平均寿命は、男性80.98歳、女性87.14歳となっています。

もし60歳で定年退職した場合、男性でも約21年生きることになります。

定年退職時にマンションを売却して賃貸住宅に入居した場合は21年間、家賃を払い続けることになるのです。

もし1ヶ月の家賃が8万円のアパートで暮らす場合、21年間で支払う家賃の総額は
8万円×12ヶ月×21年間=2,016万円
となり、約2,000万円も支払うことになります。さらに管理費や更新料なども必要になります。

一方、住宅ローンの毎月の返済額が10万円、ボーナス時の返済額が20万円としても、住宅ローンの残高が上記の家賃の総額(2,000万円)よりも少ない場合は、返済を続けた方が老後の総支出額は少なくなります。

マンションを売っても住宅ローンが残る場合

住宅ローンを借りてマンションを購入している場合、その物件には「抵当権」がついています。抵当権がついているマンションを売ろうと思うと、住宅ローンを完済して抵当権を抹消しなければなりません。

ところが、よほど立地や周辺環境などが好条件な物件でない限りは、中古マンションが購入時よりも高く売れるということはありません。そのためマンションを売却した金額で住宅ローンの残高が完済できない場合は、手持ち資金を使って完済することになります。

それが可能かどうかをよく考えましょう。

マンション売却のタイミングも重要

マンションは築年数が経過するにつれて査定額が下がっていきます。もし「そのうちに売却しよう」と考えていると、どんどん価値が下がるということも視野に入れておきましょう。

特に所有しているマンションの周辺に新駅ができるとか、大型ショッピングセンターができるといった状況であれば、高く売れるときに売却するのがおススメです。

住宅ローンの残高がある状況で定年退職を迎える人は、住宅ローンの残高とマンションの査定額を天びんにかけて、売り時かどうかをよく考えることが大切です。

定年退職後に地方移住でマンション売却を考える場合

住宅ローンの返済に困っているわけではないが、定年退職後は地方に移住してゆっくりと余生を過ごしたいという人もいらっしゃいます。

マンションを売却して地方の古民家を買う方法も

地方の古民家なら戸建て住宅で200万円という格安物件が多くあり、自治体が移住を支援しているところもあります。

マンションを売却して住宅ローンを完済し、地方の古民家を購入するというのも1つの方法です。

この場合も売却価格で住宅ローンが完済できるのかどうかをよく検討しましょう。マンションを売却した金額だけで住宅ローンの完済が難しい場合は、退職金を充てるなど自己資金を使うことになります。

地方での暮らしにはそれなりの覚悟が必要

地方での暮らしにあこがれる人は多いですが、下記のように現実はかなり厳しい面があります。

  • 買い物が不便
  • 医療機関が遠い
  • 交通のインフラが悪い
  • 地域のコミュニティになじめない
    など

特に都会の便利な生活に慣れた人が、それまでの住まいも生活もすべて投げ打って地方で暮らすには、相応の覚悟が必要であるということを理解しておきましょう。

古民家の改修費用も考慮すること

地方で売りに出している古民家などの住宅は、安いのが魅力ですが改修が必要な場合があります。

また冷暖房や水道設備が不十分など、使い勝手が悪い部分が多いと考えられます。そういった改修工事の費用がかかるということも考慮する必要があります。

定年退職したらマンション売却か賃貸で人に貸すか、どっちがお得?

マンションを売却するという選択肢の他に、賃貸マンションとして人に貸すという方法もあります。

マンション売却と賃貸のメリットとデメリットを比較

マンション売却した場合 賃貸マンションとして貸した場合
固定資産税 不要 負担する
修繕費 不要 負担する
住宅ローンの返済 なし あり
収入 売却時のみ 家賃収入が入る

マンションを売却した場合のメリットとデメリット

マンションを売却すると、固定資産税や修繕費の負担がなくなるというメリットがあります。また、当然ながら住宅ローンの負担はありません。

しかし、売却するには抵当権を抹消する必要があるため、住宅ローンを完済することが条件になります。マンションの売却価格で住宅ローンが完済できない場合は、手持ちの資金を出して住宅ローンを返済します。住宅ローン完済のために自己資金を使った場合、老後の生活費が足りるのかどうかもよく考えることが大切です。

デメリットとしては、マンション売却後の住まいの費用がかかるという点があります。息子や娘の家に同居するなど家賃が不要で生活できる場合はいいのですが、新たに賃貸物件を探して長い老後生活で家賃を払い続けるのは大変です。その場合は住宅ローンの返済額よりも安い家賃の住まいを探す必要があります。

まや、有料老人ホームに入居するにも費用がかかります。超高齢化社会をどう過ごすかをよく検討しましょう。

賃貸マンションとして人に貸した場合のメリットとデメリット

賃貸マンションとして人に貸す場合は、家賃収入が入るというメリットがあります。もし住宅ローンが完済できていれば、家賃収入はすべて収入になりますが、住宅ローンが残っている場合は家賃収入を住宅ローンの返済に充てることになります。

また、人に貸していても所有者は自分なので、固定資産税や修繕費などは負担しなければなりません。

さらに賃貸マンションとして人に貸した後で何らかの事情が出来て、「やはり自分たちがこのマンションで暮らしたい」という場合に入居者に出て行ってもらうことは難しいという問題があります。

マンションを売却するか、人に貸すか、ずっと自分が住むかは長い老後の人生設計をよく考えて決断することが大切です。

定年退職後のマンション売却について~まとめ

定年退職後にマンション売却を考える場合、住宅ローンが完済できていればすぐにでも売ることができますし、所有したままで人に貸すことも可能です。
ただし、人に貸す場合は固定資産税や修繕費などは所有者である自分が負担することになります。

一方、住宅ローンが残っているマンションを売却する場合は、抵当権が付いているため住宅ローンを完済しなければなりません。
マンション売却代金で住宅ローンが完済できればいいのですが、足りない場合は自己資金を追加する必要があります。さらに売却後の住まいの家賃なども考慮しなければなりません。

地方の古民家に移住する場合は、そこでの老後生活が可能かどうかを慎重に考えましょう。

このように定年退職後のマンション売却は、その事情や住宅ローンの残高によって選択肢が分かれます。後で後悔しないためにも、よく検討してから最善の方法を選ぶようにしましょう。

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