住宅ローン返済に困ったら?住宅ローンが残っていてもマンションは売却できる!

住宅ローン返済に困ったら?住宅ローンが残っていてもマンションは売却できる!

「事情があってマンションの住宅ローンを支払えなくなり、マンション売却を考えたが、住宅ローンの残債に満たないなので一括返済ができない。手持ちの資金がないので、このままでいくと競売に出されてしまう」というような状況で悩んでいる人は、ぜひこれをお読みください

住宅ローンが残っていても、マンション売却を実現することは可能です。でもその前に、融資先の銀行への相談は済ませたでしょうか?住宅ローンを支払い続けることが困難になり、なおかつマンション売却額が残債に満たない場合は、まずは融資先の銀行に相談することからスタートしましょう。

マンションの住宅ローンが支払えなくなったときの手順

  1. 金融機関に返済金額を見直してもらう
  2. 任意売却を行なう
  3. 競売に出す

住宅ローン契約中の金融機関に返済金額を見直してもらう

債務者にとって、住宅ローン契約中の金融機関は一番の相談相手

住宅ローンの返済が滞ると、銀行から督促状が届くので、「申し訳なくて、とても銀行には相談できない」と誤解している人がいますが、それは違います!融資を受けた金融機関は、住宅ローンの返済に困っている人にとって、一番の相談相手です。なぜなら、貸手と借手は融資を実行した時点で、すでに一蓮托生の仲間のようなものだからです。

住宅ローンの融資を受けている金融機関に、まずは相談を

銀行は厳重な審査の上で、「この人なら最後まで住宅ローンを返済し続けられる」と見込んでお金を融資します。ところが、長い人生の内には思いもよらないことがあり、住宅ローンの返済が苦しくなってしまう人もいます。

住宅ローンの返済が難しくなったときは、マンション売却を真っ先に考えるのではなく、まずは融資を受けた金融機関に住宅ローンの減額を依頼しましょう。せっかく手に入れたマイホームなのですから、月々の返済額を減額することで今後も住宅ローンを支払い続けることができるなら、それが一番良い方法です。

金融機関としても、債務者が住宅ローンを継続することを望んでいる

金融機関としても、競売や任意売却によってマンション売却が決まってしまうよりは、期間が長くかかってもこのまま住宅ローンを継続してくれた方が、金利が入ってくるので喜ばしいのです。

銀行によってもシステムが違いますが、たとえば「月々8万円の住宅ローンを、3年間だけ5万円に減額する」など、一定期間だけ減額するという方法もあります。減額分はなくなるわけではなく、期間終了後に上乗せして支払うことになります。この場合は、3年後に増額になったときに債務者が確かに支払える状況にあるかどうかが、審査のポイントになるでしょう。

また、今回のことがある前に住宅ローンの滞納がなく、債務者に返済面での信用があることも、減額できるかどうかの判断に大きく関わります。これまでに何度も住宅ローンの滞納を繰り返していた場合は、減額申請は難しいかもしれません。

住宅ローン契約中の金融機関に相談するのは、早ければ早いほど良い

一番理想的なのは、「もうこれ以上住宅ローンを払い続けられない」とわかった段階で、早急に金融機関に相談をすることです。相談後に住宅ローンを滞納することがわかっていても、その前に相談をしていれば、銀行の受け止め方もまったく違うでしょう。何ヶ月も住宅ローンを滞納し、度重なる督促を受けた後に相談するのとでは、金融機関の対処の仕方も違ってきます。

そしてもちろん、度重なる督促を受けた後からでも、金融機関に相談してみる価値はあります。住宅ローンを支払えなくなるに至った事情をきちんと説明し、どうしても銀行に出向けなかった状況も誠実に話した上で、最善の解決策を銀行に委ねることです。

住宅ローン契約中の金融機関に相談しても、すぐに競売や任意売却に進むわけではない

中には「金融機関に相談をすると競売に出されてしまう」と思っている人もいますが、それは違います。金融機関に相談したからといって、すぐに競売や任意売却に進むわけではありません。

「返済金額や返済期間を見直せば、この人は確実に返済をしてくれる」という確信を持てば、金融機関は前向きに返済条件の見直しを検討してくれます。

金融機関に住宅ローンの減額を認めてもらうためのポイント

  1. 今後の返済に対する意思を明確に示すこと
  2. 返済が滞ることに対して、深い謝罪の気持ちを伝えること
  3. 銀行に対して最大限の誠意を示し、誠実に対処すること
  4. 住宅ローンの滞納額が膨らんでしまう前に相談に行くこと
  5. たとえ収入が減っても、何らかの仕事を持って働いていること

弁護士や任意売却業者に相談をするのは、金融機関に行った後に

住宅ローンの返済に悩む人の中には、最初から弁護士や任意売却業者に相談をする人がいますが、これはお勧めできません。信頼のおける弁護士や業者を知っていれば話は別ですが、一から探す場合は、相談した弁護士や任意売却業者にすぐ「任意売却を進めましょう」と言われてしまう可能性があるからです。

そうなると、銀行が融資条件を変えてくれる可能性を、最初から潰してしまうことになります。それよりは、まず何はともあれ銀行に相談し、それでも解決しなければ弁護士や任意売却業者を訪ねるという方法をとるのがベストです。

マンションの住宅ローンが支払えない場合、任意売却を行なう

「任意売却」を行なえば、マンションを競売に出さずに済む

金融機関に相談しても、解決の目途が立たなかった場合には、「任意売却」という方法を取ることになります。実際、銀行で減額できる金額には限界があり、「8万円の住宅ローンが3年間5万円に減額されても、その5万円が払えない」という状況の人もいるでしょう。

その場合は任意売却によってマンションを手放すことにはなりますが、競売という最悪の事態を免れることができ、残債の支払いを1万円程度(債務者によって金額が違う)に抑えることができるようになります。

任意売却は、債務者の立場に寄り添った優しい制度

任意売却とは、不動産を売却しても住宅ローンの全額返済ができない場合に、債務者(所有者など)と債権者(銀行など)の間に仲介者(弁護士や任意売却業者など)が入って不動産を売却する方法のことです。

債務者が今どのような状況で、どの程度の支払い能力があるかを考慮しながら話を進めるので、競売と違って債務者の立場に寄り添った優しい制度です。すでに競売に出してしまった場合でも、債権者である銀行の合意が得られれば、任意売却に切り替えることができます。

マンション売却で穴埋めできなかった残債は、債務者が可能な範囲で返済していく

マンション売却に臨む際、通常は住宅ローンが残った状態で売却することはできません。まずはマンション売却額や自己資金で住宅ローンを一括返済し、その上で抵当権を解除してから、買主に所有権を移転するのが普通のパターンです。

ところが任意売却を行なうと、債務者は住宅ローンの一括返済をしなくても、マンションを売却することができます。マンション売却で穴埋めできなかった住宅ローンの残債は、債務者が毎月無理なく払える範囲内で支払っていくことになります。

毎月いくらずつ支払うかは、弁護士や任意売却業者などの仲介者をはさんだ上で、金融機関と交渉することになります。月々の返済額は数千円~3万円程度なので、債務者が今後ローン返済によって生活に困窮することはほぼありません。

任意売却は競売よりも高い金額でマンションを売却できる

マンションを競売に出すと、市場価格の7割ほどの金額で落札されることが多いため、住宅ローンの残債が多い場合は多額の債務が残ってしまいます。任意売却の場合、マンション売却額は市場価格よりやや下回りますが、競売よりも高い金額でマンションを売却できます。

マンションの住宅ローンが支払えず手持ちのお金がなくても大丈夫?

住宅ローンを払えないような苦しい状況下では、マンションの売却経費や引越し代などを現金で支払うことは難しいでしょう。その点、任意売却なら、マンション売却にかかる登記料や仲介手数料などの経費は売却代金から清算できるので、債務者が現金で払う必要はありません。

また、引越しのための諸費用も、債権者(または住宅購入者)に融通してもらえる可能性があります。ただし、これはあくまで善意でやってもらえることなので、融通してもらえないケースもあります。

債権者から強硬に住宅ローンの返済を迫られない

競売によってマンションを手放した場合、金融機関は残った債務の取り立てに躍起になります。強硬に返済を求めてきたり、債務者の給与を差し押さえる場合もあるでしょう。その点任意売却なら、そのような強制的な取り立てはありません。弁護士や任意売却業者が間に入って、円滑に物事を進めることができます。

債権者からマンションの強制退去を求められない

競売の場合はマンションの強制退去を命じられますが、お金に困っている状況下では急な引越しもできません。でも任意売却をすれば、引越しの時期や諸条件などについても考慮してもらうことができます。

債務者はマンション売却が決まるまで住み続けることができ、マンション売却が決まり、契約が締結された時点で引越しの準備をします。

住宅ローンを滞納していることが、バレずに済む

マンションを競売に出すと住所を公表されてしまいますが、任意売却は通常の不動産取引と同じように扱われるため、住宅ローンを滞納していることがバレずに済みます。

周囲の人には「マンションを売却することになった」とだけ説明しておきましょう。そうすれば、引越し後もプライバシーを傷つけられることなく、何事もなかったかのように生活できます。

任意売却にはデメリットもある

さまざまな点において、競売よりも大きなメリットを持つ任意売却ですが、まったくデメリットがないわけではありません。もちろん、競売のデメリットに比べれば小さなことですが、任意売却を行なう際には知っておく必要があるでしょう。

連帯保証人の同意が必要

住宅ローンを組むときに連帯保証人を立てた場合は、任意売却に際して連帯保証人の同意が必要です。連帯保証人が同意しない場合や、行方不明などの場合は、任意売却の専門家に相談しましょう。

ブラックリストに載ってしまう

住宅ローンの支払いが数ヶ月滞らないと任意売却ができないため、数年間は信用情報機関(俗にいうブラックリスト)に登録される可能性が高くなります。ブラックリストに載ると、数年間は新たな契約などが難しくなります。

悪徳業者に騙される危険性がある

任意売却をネタに儲けようとする悪徳業者につかまってしまうと、すぐに自己破産を勧めてきたり、保証人の財産まで狙ってくることがあります。任意売却業者を選ぶ際は、十分に注意を払いましょう。

マンションの住宅ローンが支払えず競売で落札されてしまう

マンションが競売で落札されるのは、最悪のケース

マンションをどうしても任意売却することができなかった場合は、不本意ながらも「競売」に出されることになります。これは、マンションの住宅ローンが返せなくなって売却する場合の、最悪のケースです。

マンション売却における競売とは、債務者が法に定める一定期間住宅ローンの滞納を続けた場合、金融機関が裁判所に申し立てることによって“競売物件”として売却されることです。

競売に出されると、マンションを強制退去になる

債務者に有無を言わさずに、マンション売却が法のもとに強行されるのが、「競売」です。競売に出されたマンションは、市場価格より7割ほど安く落札されるケースが多く、物件の住所も新聞やインターネット上で公表されてしまいます。

そしてマンション売却が決まると、そこに住んでいる債務者は不法滞在者の扱いとなるため、早急に退去しなければなりません。マンション売却額は金融機関が強制的に回収し、残った残債に競売の費用や損害遅延金を上乗せした金額を、一括返済するよう債務者に迫ります。

任意売却に不利な条件があっても、まずは相談を

さまざまな点を含めると、やはり一番理想的なのは銀行に返済額を調整してもらって住宅ローンを継続することであり、それがだめでも何とか任意売却にだけは持ち込みたいものです。

「連帯債務者が任意売却に同意してくれない」「競売の通知を受けてしまった」など、任意売却に不利な条件があったとしても、まずは弁護士や任意売却業者に相談しましょう。そしてどうしても任意売却ができずに競売に至る場合でも、専門家の的確なアドバイスを受けながら、スムーズに解決できるようにしたいものです。

住宅ローンが滞ったときは、とにかく解決に向けてすぐ動き出すこと!

現実から目を背けず、まずは住宅ローン契約中の銀行に連絡を

住宅ローンが残っていてもマンション売却を実行できる方法を、ご紹介しました。住宅ローンが滞る、あるいは滞りそうになったときにまずやるべきことは、“解決に向けてすぐに動き出す”ということです!まずは債権者である銀行に連絡し、事情を説明して相談することからスタートしましょう。

住宅ローンを延滞し始めたときに、多くの人がやってしまいがちなことが、“督促状から目を背けてしまう”ということです。たしかに、今まで順調に払い続けていたのにそれができなくなってしまうことは、目を背けたくなる事実かもしれません。

一日も早く、新たな人生の構築に向けてスタートすることが大切

しかし、歯の治療を怠っていた人が、歯医者へ行く日を延ばせば延ばすほど手遅れになるように、マンション売却も延ばせば延ばすほど良くない状況に落ち込んでしまいます。逆に言うと、相談するのが早過ぎて不利になるということはまったくありません。

自分だけで悩むのではなく、その道のプロに相談しながら無事にマンション売却を果たし、一日も早く新たな人生の構築に向けて進むことです。たとえマイナスからの再スタートでも、債務者が前向きに進んでさえいれば、早期にプラスの状態へと切り替えることもできる筈です。

住宅ローンが残っているときのマンション売却に関するまとめ

住宅ローンは長ければ35年に及ぶ超長期ローンなので、長い人生の中にはさまざまなできごとがあり、住宅ローンを返せなくなるということもけっして珍しいことではありません。「人は必ず一度や二度は、人生の挫折を味わうのだ」という大きなスパンで事実を受け止め、まずは目の前の事態の早期解決に向けて歩を進めましょう。