マンション売却の最終段階~決済当日の流れと注意点

マンション売却の最終段階~決済当日の流れと注意点

マンションの売却先が決まり、マンション代金を支払ってもらうことを「決済」と言います。マンション売却の最終段階で、これでいよいよマンションが買主の手に渡ります。

今回はマンション売却の決済当日の流れと注意点についてご説明します。

マンション売却の決済当日の大まかな流れ

マンション売却時の決済当日にはどんなことをするのか、大まかな流れを見ていきましょう。

決済当日はマンション売却のさまざまな手続きも行う

決済日にはマンション代金の支払いの他に、さまざまな手続きも行います。
決済当日の流れは下記の通りです。

  1. 関係者が金融機関に集合
  2. 登記申請に必要な書類を確認
  3. 買主に住宅ローンの融資が実行される
  4. 買主がマンション代金を売主に支払う
  5. 諸費用の精算
  6. 書類等の引渡し
  7. マンションの引渡し
  8. 不動産会社、司法書士への報酬の支払い

このように多くの作業を行いますが、金融機関や不動産会社の担当者、司法書士など専門家がそろっているので、売主、買主はともに指示に従っていけば問題はありません。

また、これらは1日で終わらせますが、各担当の指示に従って進めれば2時間ほどで終わります。

では、それぞれの流れを詳しく解説していきます。

マンション売却の決済の流れと注意点

各段階で何をするのかを理解しておきましょう。また、必要なものや注意点などがあります。事前によく確認することが大切です。

決済の流れ~①金融機関に関係者が集合

決済は「買主が住宅ローンを借りる金融機関」の一室で行なわれます。集まるのは金融機関の担当者、不動産会社の担当者、買主、売主、司法書士です。

決済の流れ~②登記申請に必要な書類を確認

マンション売却に必要な登記を司法書士に依頼します。登記には下記のものがあります。

  • 抵当権抹消登記(売主が住宅ローンを借りていた場合)
  • 所有権移転登記
  • 抵当権設定登記(買主が住宅ローンを借りる場合)

売主が準備する書類

司法書士が登記に必要な書類がそろっているか、確認します。
売主側は次のような書類を準備します。

権利書 正式には「登記済証」と言います。
最近の物件は権利書の制度がなくなり、「登記識別情報」になっています。
登記原因証明情報 抵当権が抹消されるには、住宅ローンが完済されることが条件です。完済後に金融期間から「抵当権解除証書」や「弁済証明書」などが発行されるので、それを司法書士に渡します。
委任状 司法書士に登記の代行を委任するための用紙です。
司法書士が準備することが多いので確認してみましょう。
印鑑証明書 発行から3ヶ月以内のもの
実印
本人確認書類 運転免許証など

役所に出向いて取得する必要のある書類があるので、早めに準備しておきましょう。

決済の流れ~③買主に住宅ローンの融資が実行される

まず、融資の実行(買主が申し込んでいた住宅ローンのお金が買主の手に渡ること)がおこなわれます。ただし、金額が高額なので手渡しではなく、預金口座に振り込まれます。

決済の流れ~④買主がマンション代金を売主に支払う

マンション代金は契約の時点で手付金を受け取っているケースがあります。決済当日は残金の支払いが行われます。

マンション代金の支払いも高額なので、その場で売主の預金口座に振り込まれます。これによって代金の支払いは完了です。

決済と言ってもお金を手にすることも見ることもなく、金融機関から買主の口座へ、そして買主の口座から売主の口座へと移動するだけです。

売主は住宅ローンの残高を完済する

売主の預金口座にマンション代金が振り込まれたら、次はそのお金で住宅ローンの残りをすべて支払います。

それによって「抵当権抹消登記」が可能になります。なお、「住宅ローンの完済=抵当権がなくなる」ということなので、上記の必要書類にもあるように「抵当権解除証明書」を金融機関に発行してもらいます。

決済の流れ~⑤諸費用の精算

精算すべき諸費用には、下記のものがあります。

公租公課 固定資産税と都市計画税(マンションが都市計画区域内にある場合)は1月1日時点での所有者が納めています。そのため、売却時には日割り計算をして精算するのが一般的です。引渡し日の前日までの分を売主が、引渡し日以降の分を買主が負担します。
管理費 引渡し日の前日までの分を売主が負担、引渡し日以降を買主が負担します。
修繕積立金 引渡し日の前日までの分を売主が負担、引渡し日以降を買主が負担します。

なお、マンションの修繕積立金は、入居中に特に修繕することがなくても返金されません。

売主が先払いで負担したものを買主から受け取る

上記の諸費用のほとんどは売主が先に支払っています。日割り計算して買主から受け取ることになります。金額的にはそれほど大きな額ではありませんが、売主は領収書を発行しましょう。

決済の流れ~⑥書類等の引渡し

マンション入居に関する書類をすべて売主に引渡します。主な書類には、下記のものがあります。

  • マンションの管理組合の規約など
  • エアコンやガスコンロ、給湯器など付帯設備の取り扱い説明書など

これらはいずれも原本を渡します。

決済の流れ~⑦マンションの引渡し

マンションなど住宅物件の引渡しは鍵を渡すことで完了します。決済が済んだことを確認した後に、鍵を買主に手渡します。

場合によっては不動産会社の担当者と売主、買主が一緒にマンションまで行って、鍵を渡すこともあります。

決済の流れ~⑧不動産会社、司法書士への報酬の支払い

最後に司法書士に報酬や登録免許税を支払います。また、不動産会社には仲介手数料を支払います。司法書士への報酬は銀行振込にするケースもあります。

マンション売却の決済当日までにやっておくこと

マンション売却が進み、決済日が決まったら、その日までにやっておくことを確認しておきましょう。

決済当日までに準備すべきこと

マンション売却が決まると、忙しくなります。準備すべきことややっておくべきことを書き出してみましょう。

大きく分けると、次の3つになります。

  • 引越し準備
  • 書類の準備
  • 司法書士への報酬や仲介手数料の準備

決済日までに引っ越しを完了させる

「決済日=マンションの引渡し日」になります。そのため、空室で売却するケースでない限りは、売主は引越しを完了させなければなりません。

引越し準備

引越し準備は多岐にわたるため、早くから計画を立てて進めていきましょう。

引越し業者に依頼する 引越し費用の見積もりを出してもらい、引越し業者を決めて依頼をします。引越し業者にダンボールが何箱もらえるのか、梱包はどの程度必要か…などを聞いておきます。
荷造り 引越しと同時に処分するもの、引越し先に持って行くものを仕分けて、早めに処分や荷造りを行います。
学校の転校手続き 子どもの学校を転校する場合は、手続きを進めます。
電気、ガスなどの手続き 売却するマンションの電気、ガス、水道、新聞などの停止手続きをし、引越し先での申し込み手続きをします。
マンションの管理組合に連絡 マンションの管理組合に転居すること、マンションは売却するので所有者が変わることなどを伝えます。
挨拶 同じマンションに住む人やお世話になった人に引越しの挨拶をします。また、転居通知の準備なども進めましょう。

これら以外に役所や郵便局、金融機関、運転免許証などの住所変更の手続きを行います。役所の転出届けは転出の14日前から、引越し先の転入届けは転入から14日以内に手続きが可能です。

スケジュールをよく考えて、スムーズに進むように計画を立てましょう。

決済日までに必要な書類を準備する

必要書類には役所で取得するもの(印鑑証明書や住民票)と、自宅保管のものがあります。

役所で取得するものは、引越しの段取りなども踏まえて効率よく行動すると無駄がありません。

また、自宅保管しているはずのマンション管理組合の規約や付帯設備の取り扱い説明書なども、出しておきましょう。もし、紛失している場合は管理組合や管理会社に相談して再発行してもらうなどの対策が必要です。

司法書士への報酬や仲介手数料の準備

最後はお金の準備です。

マンション売却に関連する費用としては、司法書士への報酬や不動産会社の仲介手数料などがあります。

銀行振込の場合は、金額と振込先を確認しておきましょう。

他にも引越し費用や不用品の処分費用などもかかります。マンション売却時は何かとバタバタするので、計画的に進めましょう。

マンション売却~決済当日の流れと注意点のまとめ

マンション売却の最終段階が「決済」です。
決済は金融機関に売主、買主、不動産会社の担当者、司法書士、金融機関の担当者が一同に集まります。

買主に融資が実行されると、マンション代金を売主の預金口座に振り込みます。これでマンション代金の決済は完了です。

この日はそれ以外にも不動産登記に必要な書類の確認や諸費用の精算を行い、最後にマンションの鍵を引渡します。

事前に準備するものなどがあるので、よく確認しながら進めましょう。

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