理由は様々ですが、所有する戸建てを売りに出す人は少なくありません。
しかし、売りに出したからといって、即買い手が現れるわけではなないようです。中にはなかなか買い手が見つからず、売れなくて困っているという人も少なくありません。
売れ残ったままでは、深刻な問題になってしまいますよね。そんな時に考えて欲しいのが、戸建が売れない理由です。
売れない戸建には、共通する理由があります。これら理由を把握しておけば、将来売りに出すことになっても、売れ残りの心配がありません。
売れずに困っている人や、売却検討している人だけでなく、これから戸建購入を検討しようという人も最後まで目を通してもらい、物件購入時の参考にしてください。
戸建ての売却は平均でどれくらいかかる?
売りに出した戸建が売れにくい物件なのかを確認する際に、まず知っておいて欲しいのが、売却にかかる平均期間です。
どれくらいの期間売れなければ、売れない戸建なのかを判断するために、まずは戸建売却にどれくらいの日数が掛かっているのを、お教えしておきましょう。
成約までの平均日数は90日前後
下記はレインズ(不動産流通標準情報システム)を運営している、公益財団法人 東日本不動産流通機構が発表した「首都圏不動産流通市場の動向(2016年)」を 参考に作成した平均成約期間です。
ここから、中古戸建の売出から売却まで、必要な平均成約期間がどうなっているのかを見てみましょう。
年度 | 中古戸建 | 中古マンション |
2010年 | 84.4日 | 64.1日 |
2011年 | 83.5日 | 67.5日 |
2012年 | 85.0日 | 77.1日 |
2013年 | 90.1日 | 79.1日 |
2014年 | 87.4日 | 71.2日 |
2015年 | 88.4日 | 65.5日 |
2016年 | 93.2日 | 69.3日 |
上記の数値を見てみると、中古戸建の売却までにかかる平均期間は90日前後なのが見て取れます。
売却を仲介業者に依頼すると仲介契約を結びますが、1社のみと仲介契約と結ぶ場合、その契約期間は3ヵ月です。これはこの売却までにかかる平均期間が、反映された結果かもしれません。
また、比較のために中古マンションの成約日数も記載しましたが、戸建と比較してもらえればお判りでしょうが、中古戸建は中古マンションよりも売却に時間が掛かる傾向にあります。
これも中古戸建を売りに出す人は、覚えておくようにしてください。
売れない戸建に共通する6つの理由
中古戸建はだいたい90日前後で売却されていることが分かりました。
となれば、この期間を経過しても売れない場合は、売りに出した戸建に何かしら売れない理由が存在していることになってきます。
自分が売りに出した戸建には、売れないだけの理由があると思った方がいいでしょう。至急、その理由を特定することをおすすめします。
売れなくて困っている人や、売却を検討している人は、売却予定の戸建物件に該当する理由がないかを確認しながら、読み進めていくようにしてください。
①:売出価格に問題がある
中古戸建を売りに出す場合、大抵は不動産会社等の仲介業者に売却を依頼することになります。
自分で売却先を見つけられる場合もありますが、この売却手段を取るのが一般的でしょう。
そこで再確認してもらいたいのが、売りに出されている戸建価格です。
仲介業者を選ぶ際は、各業者が出した査定価格を元に選ぶことも少なくありません。
そして、その査定価格が売出価格となるのですが、そこに問題があることも多いのです。
もしかすると市場相場に反した、高い売出価格が設定されているかもしれません。その際は、市場相場に合った適正価格への変更が必要です。
ここではこの売出価格に問題が生じやすい、売却価格の設定方法を紹介します。
同じ方法で売出価格を設定している場合は、市場相場に反した売出価格になっている可能性が大です。自分が該当しないかを確認しながら、読み進めていきましょう。
査定価格で仲介業者を選んでいる
仲介業者を選ぶ際には、複数社に査定見積もりを出してもらうのがセオリーとされています。
これは業者ごとで査定方法が違ってくるため、査定価格に違いが見られるためです。
適正価格で売却してくれる業者選びをするためにも、必要不可欠な理にかなった方法と言えるでしょう。そして、一番高い査定を出したところと、仲介契約を結ぶ人も多いのではないでしょうか。
この業者選びは決して間違っていないのですが、この価格頼りの業者選びには、注意してもらいたい点もあります。
1社との専属契約の場合、契約期間は3ヵ月だと話しましたが、仲介業者が査定価格を出す場合、この期間内で売却可能な査定金額を出すのが一般的です。
しかし、中には契約を取るために、わざと高めの査定価格を出す業者も見られます。
売主にとって査定価格は重要でしょうが、それが市場相場に反した価格では購入希望者が募らず、いつまで経っても売れずに残ってしまいます。
中古戸建は必ずしも提示された査定価格で売却できるわけではありません。入居希望者が納得できる価格でなければ、買い手が納得することはないでしょう。
査定価格には仲介業者が値引き交渉を前提とした、含み価格が加算されているのが一般的なのもそのためです。
そして勘違いしてはならないのは、売却先は仲介業者ではなく一般の購入希望者です。この点を勘違いしないようにして、査定価格頼りの業者選択には注意するようにしてください。
仲介業者の意見に反した売主主導の売出価格
住んでいた戸建を売却する際には、次のマイホームに移り住むための予算が必要になります。
また、住宅ローンが残っている場合は、売却益で相殺したいと考えるのが普通でしょう。それが影響して、仲介業者が薦める売出価格よりも高い設定額を希望する売主も少なくありません。
基本的に仲介業者が薦める売出価格は、過去の様々なデータや、自社販売力を考慮して、仲介業者が3ヵ月以内に販売可能だと考える価格です。
それが市場相場に則した適正価格であるのは言うまでもありません。その価格を無視して高く設定してしまえば、購入希望者たちにそっぽを向かれるてしまいます。
売主の事情もあるでしょうが、自分たちの意向ばかりを通していては、売出金額は決して適正価格にはなりません。
それを避けるためにも、仲介業者とよく相談して、購入希望者にアピールできる売出価格を設定するようにしてください。
②:立地条件に問題がある
次に、売れない中古戸建の理由として考えられるのが立地条件です。立地条件が悪いことから、売れ残ってしまう戸建は少なくありません。
不動産情報サイトを運営しているアットホーム株式会社が、2015年に行ったインターネットリサーチを見てみましょう。
下記のように中古物件を購入する際の条件として、立地条件が一番目に挙げられています。
順位 | 購入理由 | 回答者数 | 割合 |
1位 | 立地条件がよかった | 134人 | 34.7% |
2位 | 新築よりも安かった | 113人 | 29.3% |
3位 | リフォームすれば良いと思った | 43人 | 11.1% |
4位 | すぐに入居できたから | 32人 | 8.3% |
5位 | 築年数が浅かったから | 14人 | 3.6% |
6位 | 築年数をまったく気にしなかったから | 14人 | 3.6% |
6位 | 近所の雰囲気が分かるから | 12人 | 3.1% |
8位 | 古くても耐久性に優れていそうだから | 11人 | 2.8% |
その他 | その他 | 13人 | 3.4% |
参照先URL:https://athome-inc.jp/wp-content/uploads/2015/07/15070901.pdf
この立地条件の良し悪しに関しては、住んでいる売主が一番分かっているでしょう。
しかし、売主が把握できないことが理由になることもあるのです。
それでは購入希望者から敬遠される立地条件には、どのようなものがあるのかを見ていきましょう。
日当たりや風通しが悪い
近隣に高層マンション等の高層建築物がある場合は、風通しが悪い上、日中は建築物の陰になる時間が長いため、日当たりが悪くなってしまいます。
快適な居住環境に、日当たりと風通しは欠かせません。
日当たりや風通しの条件が、あまりにも悪いようだと、購入希望者からは敬遠されてしまう理由となるでしょう。
接道状況
中古戸建の場合、接道状況も購入条件に大きく影響してきます。
マイホームが道路に面しているといないでは、日々の生活にも影響が出てくるからです。
道路に面していない、奥ばったところに建っていると、マイカーの出し入れにも時間や手間がかかりますし、日当たりや風通しの問題も出てくるでしょう。
また、道路に面しているからOKというわけではありません。購入後に立て替えを検討することもあるでしょう。
この場合、面している道路の道幅が狭ければ、自分の土地を道路に充てる必要があるため、立てられる建物の大きさが制限されます。
また奥ばった場所では、工事車両が入れず、建築費用が割高になってしまうことも考えられるのです。
将来的な建て替えまで考慮する人は少ないでしょうが、接道状況を気にする人は少なくありません。
変形土地に建っている
時折、「こんなところにどうやって建てたんだ?」と驚く戸建がありますが、変形土地に建っている戸建を敬遠する人も少なくありません。
変形土地とは非整備地とも呼ばれ、下記のような形の土地を指します。
- 三角形
- L字形
- 旗竿地
これらの土地では建てられる建物の高さや形、大きさが制限されてしまいます。
また、建築費用も割高になってしまうため、接道状況で解説したように、将来的な建て替えを考慮している人には敬遠されます。
周辺環境や利便性が悪い
これはマイホーム購入だけでなく、賃貸物件でも言えることですが、自分の住むマイホームには、周辺環境や利便性を求める人が大半です。
特に市街化調整区域の戸建の場合は、周辺環境や利便性に難を示す人が多くなってくるでしょう。
不動産物件を探す際に、まず大抵の人が条件とするのが、市街化区域内の物件であることです。
市街化区域と市街化調整区域の違いは下記の通りです。
- 市街化区域:街の活性化を目的に活用される地域
- 市街化調整区域:無秩序な市街化の拡大を防ぐ地域
周りに田畑や山林しかなく、農家が点在しているのが市街化調整区域、一般的な市街地が市街化区域だと思ってもらえば、想像がつきやすいでしょう。
市街化調整区域は積極的な開発が行われていない地域のため、下記のような生活インフラの遅れが懸念されます。
- 道路や歩道の舗装
- 上下水道
また下記のような商業施設が近くにないため、普通の市街地生活に慣れた人は、不便さを感じるでしょう。
- コンビニエンスストア
- スーパー
- デパート
- レンタル店
北の国からの田中邦衛さん家族の生活がまさにそれです。近くに公共交通機関がないのも、大きなデメリットです。
騒音がなく、静かに過ごせるので、そういった生活を望む人ならば需要があるでしょうが、会社務めをして、一般的な生活環境を望む人にまず需要は望めません。
➂:戸建ての形状が一般的ではない
分譲住宅の場合、同じ設計を元に建てられるため、戸建の形状にあまり違いは見られません。
このような一般的な形状の戸建ては、売りに出しても購入希望者が集いやすいため、比較的売れやすいと言われています。
しかし、戸建の形状が一般的ではない場合、購入希望者は限られてくるため、売却までに時間がかかる傾向にあるようです。
個性的過ぎる外観や間取り
近年は注文住宅を建てる人が多くなってきましたが、注文住宅は施主の意向が設計に反映できるため、中には奇をてらった外観のものも見られます。
施主の意向が十分に反映されるのが、注文住宅の良いところですが、こだわりの強い外観や、施主の生活スタイルに合わせた間取りは、施主以外の人には受け入れられません。
戸建は感性を同じくする人が出てくるまで、売れ残ってしまうでしょう。
注文住宅を建てる際は売却を想定して、あまり奇抜なものにならないように、配慮する必要があるかもしれませんね。
二世帯住宅
近年の少子高齢化も影響して、二世帯住宅のニーズは年々、高くなっています。
しかも、通常の戸建よりも、売却相場が高いため、普通に考えれば売りやすい戸建物件と言えるでしょう。
しかし、現実はそうもいかないようで、なかなか買い手がつかない中古戸建が多いのです。
二世帯住宅は下記2つの形態に分けられます。
- 非完全分離型
- 完全分離型
非完全分離型は親側と子供側にそれぞれ別のキッチンやリビング、ダイニングが造られていますが、扉や通路は共有で、互いに行き来ができるようになっています。
これに対して完全分離型は玄関から内部間取りまで、すべてが完全に親側と子供側に分かれており、互いの行き来は玄関からしかできません。
2つの家屋が1階と2階に、分けて建てられていると考えればいいでしょう。
このように二世帯住宅は住んでいる人の意向が強く出ている物件であるため、その意向に欧入希望者の要望がピッタリ合うことが難しいのです。
先に紹介した奇抜な注文住宅と、同じというわけです。
しかも、築後5年未満のものは、二世帯住宅の割高さも影響して新築物件との価格差があまりないのも、売れにくい原因となってしまいます。
二世帯住宅を売却するには、まずは値引きをして、市場相場よりも安い売出価格にすることが求められるでしょう。
④再建:築不可物件になっている
中古戸建の中には再建築不可物件と呼ばれるものがあります。
再建築不可物件とは、現在ある建物を取り壊して、新たに建物を建築できない物件を指します。
将来、建て直しを絶対にしないというのであれば、購入に支障はありませんが、建て直ししないとしても、将来的なことは誰にも分かりません。
できないと言われれば、その気がなくても、心情的にはどうしても敬遠しがちになってくるでしょう。
再建築不可物件の条件は、建築基準法の第42条で定められており、下記条件に適していない場合、その敷地に新しい建物を建築することができません。
- 公道などの幅員4m以上の道路に接していない敷地
4mに満たない場合でも、みなし道路として建築許可が出る場合がありますが、基本的には上記条件の道路に2m以上接していない敷地に建っている建物は、建築不可物件に該当します。
この再建築不可物件は都市計画区域の敷地に限ってのことですから、都市計画が定められていない準都市計画区域の敷地には適用されません。
しかし、その地域の敷地であっても、条例が定められていたり、役場の了承が必要になることがあるようです。
準都市計画区域の敷地だからと安心せず、再建築不可物件でないかを確認してください。
⑤依頼先の仲介業者
ここまで紹介した条件に該当していないのに、売れ残っている。そんな場合、まず考えられる理由は、契約している仲介業者です。
仲介業者は収益性の高い物件を進んで販売したがるため、該当しない場合、満足な営業活動が行われていない可能性も考えられます。
また、担当者の存在も大きく影響してきくるでしょう。仲介業者自体が販売力の高い業者であっても、売却担当者の力量には違いがあります。
ベテランが担当してくれればいいですが、経験や知識の低い新米担当者に当たることもあるでしょう。
そんな場合、なかなか売却が進まないようだと、担当者換えを検討してみる必要もあります。
また、媒介契約の方法も売却に大きく影響してくるので、契約方法の見直しが必要かもしれません。
早期売却には、この媒介契約の方法が重要なポイントとされています。安易な考えで媒介契約を選んでしまうと、売れない理由を自ら招き入れることにもなりかねません。
それでは媒介契約の契約方法で、注意して欲しいポイントを紹介していきます。該当する場合は、至急、改善するようにしてください。
一般媒介契約の場合は特に要注意!
媒介契約には3つの契約方法が用意されていますが、その中で唯一、複数の仲介業者と契約できるのが一般媒介契約です。
この一般媒介契約は複数の仲介業者に依頼でき、自分で売却先を見つけることもできます。
そのため、一見、早く売却先が見つかりそうにも思えますが、実際はそうでもないのが実情のようです。
依頼主側から見れば、多くの仲介業者に売却先を探してもらった方が、早く売却先が見つかる上、多くの候補が出てくる可能性が高くなるかのように思えます。
しかし、仲介業者側から見れば、この一般媒介契約は危険性が伴う契約方法となってくるのです。
複数の仲介業者が関わっているということは、他社に契約を取られてしまう可能性が出てきます。
せっかく時間と労力を割いて、売却先を探していても、他社に取られてしまったのでは、それまでの苦労が台無しですよね。
それならばと、他社にとられる心配なく、安心して取り掛かれる案件に着手した方がいいと考えてしまうのです。
すべての仲介業者がそうとは限りませんが、あまりにも購入希望者が現れない、内覧会の希望者数が少ない場合は、活動している仲介業者が少ないことが影響している可能性が考えられます。
一般媒介契約には契約期間が定められておらず、いつでも解約可能です。
効果が見られない場合は、1社との単独契約にはなりますが、売却率が高いと言われている、残り2つの契約に切り替えてみるようにしてください。
専任媒介契約で売れない場合は囲い込みに注意!
一般媒介契約以外は、単独1社との契約になり、下記2つの契約方法から選べます。
- 専属専任媒介契約;仲介業者が探した候補にしか売却できない
- 専任媒介契約:仲介業者が探した候補以外に、自分で探した候補にも売却できる
この契約方法は、上記のように多少の違いがありますが、基本的には他社に契約をさらわれることがないので、仲介業者は安心して営業活動に取り組めます。
しかも、契約期間が3ヵ月に限定されているため、仲介業者はその期間内に売却先を探そうとするため、売却先が見つかりやすく、早期売却となる可能性が高いと言われる契約方法です。
しかし、この契約方法でも、なかなか成果が出ないこともあります。そんな時に注意して欲しいのが、依頼した仲介業者の囲い込みです。
これら2つの契約では、契約後に全国の不動産会社と情報共有できる、レインズへの登録が義務付けられています。
よって、この契約方法を選択すると、レインズに登録されている不動産会社から、売却依頼が入ることもあるのです。
その場合は、仲介業者がその不動産会社への売買を仲介することになりますが、このケースでは本来得られる手数料が得られません。
通常、仲介業者は、売却時に下記手数料が得られます。
- 媒介契約先:仲介手数料
- 売却先:売買契約手数料
しかし、レインズから依頼してきた不動産会社を売却先にした場合は、下記のように得られる手数料が違ってきます。
- 媒介契約先:仲介手数料
- 不動産会社:仲介手数料
仲介する不動産会社から仲介手数料は得られますが、それよりも高額になる売買契約手数料を、みすみす逃してしまうことになるのです。
それを避けて利益を上げるため、他の不動産会社からの依頼をスルーして、自社で売却できるまで待つ仲介業者も見られます。これが囲い込みです。
これは仲介業者の社内業務を確認しなければ分からないため、依頼主が状況を確認することはできず実態を知ることはできないでしょう。
それを避けるためにも、安心して売却が任せられる信頼性の高い仲介業者を選ぶ必要があります。仲介業者選びは、慎重に行うように心がけてください。
⑥売主の対応が悪い
ここまで紹介した理由のすべてに該当せず、それでも売れ残っている場合、最後に考えられるのは売主の対応です。
- 内覧会
- 外観や室内の清潔さ
- 修繕対応
売り出すと内覧を希望されることが多くなります。
相手からすれば高額な買い物になるわけですから、購入検討となれば、実際の物件を見てみたいと思うのは当然の話ですよね。
この時には、売主の協力が必要不可欠です。内覧会でまず求められるのは、家の清潔感でしょう。
内覧時に清掃が行き届いてなければ、決して好印象を与えることはできません。
また、いろいろな生活備品を出したままでは生活感が強くなってしまいますし、却って室内が手狭に見えてしまいます。
その点を考慮してすっきりとした室内空間作りにも、心を配る必要があるでしょう。
日差しをたっぷりと取り入れるなどの、工夫も忘れないようにしてください。そして内覧希望には、できる限り相手の希望に対応する必要があります。
日取りが合わず、内覧を逃してしまえば、それだけ売却できるチャンスを逃すことにもなるでしょう。
以上のように、住みながら売却先を探す場合には、売主の率先した対応が必要不可欠です。
事実、先ほどと同様に不動産情報サイトを運営している、アットホーム株式会社が2015年に実施したインターネットリサーチでは、売却のための内覧会を行った人は、下記のような内覧時の苦労を挙げています。
順位 | 購入理由 | 回答者数 | 割合 |
1位 | 買ってもらえるか心配だった | 119人 | 40.3% |
2位 | 売る相手の顔が見れて良かった | 97人 | 32.9% |
3位 | 部屋を掃除するのが大変だった | 80人 | 27.1% |
4位 | 売るのがさみしく思った | 58人 | 19.7% |
5位 | 好感の持てる人に売りたいと思った | 36人 | 12.2% |
6位 | 内覧日時の調整が大変だった | 19人 | 6.4% |
7位 | 近所の雰囲気が分かるから | 18人 | 6.1% |
その他 | その他 | 13人 | 8.1% |
参照先URL:https://athome-inc.jp/wp-content/uploads/2015/07/15070901.pdf
真剣に売却先を探そうとするなら、売主の協力も必要になってくるというわけです。
この点をよく理解して、内覧者にどうすれば好印象を抱かすことができるのかを考慮し、細心の注意を払うようにしてください。
高リスクとなる修繕やリフォームには注意が必要!
「このままの状態では買い手がつかないかも・・・」そう心配になり、売却時に修繕やリフォームを検討する人も少なくありません。
築後間もない物件ならばあまり心配はないでしょうが、そうでなければ、多くの売主はこのままで売れるのかを心配しています。
事実、先ほど紹介したアットホーム株式会社が2015年に行ったインターネットリサーチの内覧時の思いでも、「買ってもられるか心配だった」が断トツでした。
となれば、「修繕やリフォームはした方がいい。」と考える人が多いのもうなづけます。
しかし、修繕やリフォームを行う場合は注意が必要です。元の状態に戻す程度の修繕なら問題ありませんが、戸建の印象を良くしようとリフォームは、購入者に与える影響が良し悪しだからです。
中古戸建を購入する際は、購入後のリフォームを前提にしている場合も少なくありません。自分の思い通りに快適なリフォームをしたいと考えている人には、売却前のリフォームが気に入らないということもあるでしょう。
しかし、すぐに入居したいという人にとっては、逆に売却前のリフォームは購入条件に合致することになります。購買層によって、リフォームした方が良いかどうかが分かれてくるのです。
また修繕よりも高額となるリフォームは、売却益を見据えた費用対効果も考慮する必要があります。
見かけを良くした方がいい、といった安易な考えで手を出すと、却ってそれが売却を遅らせる原因にもなりかねません。
どうするのが一番いいのかを、一番理解しているのは仲介業者です。市場傾向をよく把握している、仲介業者に相談して、一番いい方法を選ぶようにしてください。
売れない戸建てに共通している6つの理由のまとめ
売りに出してもなかなか売れない場合にはそれなりの理由がありますが、今回解説した理由と比較すれば、自分で把握することができるでしょう。
しかし、購入者が求める深層心理を把握した仲介業者にしかわからない理由も存在します。
売却を検討する場合には、自分の戸建が購入者の需要を満たすものかが重要なポイントです。それを一番熟知しているのが、仲介業者になります。
そのため、できるだけ多くの仲介業者に査定してもらうことが一番の近道です。
各社査定価格が違ってくるでしょうから、その価格を導き出したプラスポイントと、マイナスポイントを聞いてみてください。そうすれば、自分では見えないところも見えてきます。
そして自分の戸建に売れない理由が、存在しないかを判断すればいいいんのです。下記から一括で複数業者に見積もり依頼することができます。
売却を検討している人は、自分の戸建価値を正確に把握するためにも利用してみてはいかがでしょうか。