マンションに限らず、自分のものを販売する際一番気になるのは売却価格でしょう。できるだけ高く売りたいと思うのは人の心情ですから、これは当然のことです。
しかも、それが何千万円もの高額売却になるマンションなら、その思いはさらに高くなるのではないでしょうか。
売却物件がマイホームなら新居の費用も掛かりますし、住宅ローンの相殺も必要です。となれば、マンション売却では、少しでも高く売る努力は欠かせません。
ではどうすれば、マンションを少しでも高く売れるのでしょうか。今回はそのための4つのコツを紹介していきます。
マンション売却を検討している人は、最後まで目を通してもらい少しでも高く売るための参考にしてください。
少しでもマンションを高く売る4つのコツ!
マンションに限らず建物は、経年劣化と共に市場価格が年々下がります。
そのため中古マンションを売却すれば、購入時価格よりも売却価格は下がるのが一般的です。
一般社団法人 不動産流通経営協会が発表した「不動産流通業に関する消費者動向調査(2019年度)」でもその傾向は明らかで、下記のようにマイナスの売却差額が発生しています。
年度 | 平均購入額 | 平均売却額 |
2019年度 | 3824.2万円 | 3463.4万円 |
2018年度 | 4073.6万円 | 3512.2万円 |
2017年度 | 3937.5万円 | 3454.2万円 |
2016年度 | 3536.7万円 | 3070.8万円 |
2015年度 | 3596.6万円 | 3074.4万円 |
2014年度 | 3757.3万円 | 2780.3万円 |
2013年度 | 33717.5万円 | 2820.7万円 |
だからといって安くなることを、簡単に受け入れてはいけません。中古マンションの売却価格はその年の景気はもとより、築年数や間取り、立地環境など、様々な要因が影響してきます。
しかし、優良な仲介業者であれば、売却するマンションの正しい価値を知り、少しでも高く売却することができるのです。
信頼できる優良な仲介業者探しこそが、マンションを少しでも高く売るための第一条件とも言えるでしょう。
そこでまずは信頼できる優良な仲介業者に巡り合うためには、どうすればいいのか、そのポイントをお教えします。
①:信頼できる優良な仲介業者を選ぶ
それでは早速、信頼できる優良な仲介業者選びには、どんなポイントを押さえておけばいいのかを解説します。
そこでまず考えて欲しいのが、マンション売却で仲介業者が必要とされる理由です。何の理由もないのなら、仲介業者と契約して、安くはない仲介手数料を支払う必要もありません。
必要だから手数料を支払ってまで、仲介業者と契約しているのです。
仲介業者が重要なワケ
仲介業者の主な役割には、下記のものが挙げられます。
- 売却物件の調査・査定
- 売却プランの提供
- 売却物件の販売活動と宣伝
- 購入希望者への売却交渉
- 売却物件の売買契約手続き
- 物件の引き渡し手続き
この中でも重要なのは下記の3つです。
- 売却プランの提供
- 売却物件の販売活動と宣伝
- 購入希望者への売却交渉
この3つは売却価格に直接影響してくるため、仲介業者の力量が大きく影響してきます。
逆にこれら3つを個人が仲介業者と同じ力量でこなせるならば、仲介業者を雇う必要はありません。
しかし、これを不動産売却の経験がない、個人が満足に行えるとは考えられませんよね。
マンションの売却成立には、下記のような市場情報が大きくものを言います。
- 売却物件の周辺ニーズ
- ニーズ層が求めている物件条件
- 競合物件との比較
これらすべてを総合的に判断して売出価格をはじき出し、仲介業者は最善の売却プランを立てます。
この売却プランを立てるには、様々な検討材料が必要です。
下記条件に当てはまるほど、売却物件にマッチした最善のプランを立てることができます。
- 売却実績の高さ
- 地域での密着営業を通して得た地域特性
- 物件に適した購買層
少しでも高くマンションを売るには、これら有益情報を数多く持っているほど有利になってきます。
提案プランが売却物件にマッチしたものでなければ、いい条件で売却できませんし、安く買い叩いて売却することにもなりかねません。いつまでも売れ残る可能性もあるでしょう。
また、購入者を募るための宣伝・広告活動も重要です。多くの購入者が集まれば価格を下げて売却する必要もないので、少しでも高く売却できる可能性も高くなってきます。
購入希望者への売却交渉1つにしても、交渉力が高ければ無駄な値引きを回避することが可能です。
このように仲介業者は売主にはできないことを代わって行っています。となればマンション売却で、いかに仲介業者が重要になってくるのかはご理解いただけるでしょう。
複数業者とのコンタクトが一番の近道
仲介業者の重要性は分かってもらえたかと思いますが、ここで理解しておいて欲しいのは、不動産会社の販売力には違いがあるということです。
販売実績が高いところと、販売実勢が低いところの両者が同じ営業年数ならば、前者の方が販売力に長けているのは疑う余地はありません。
それではそのような優良な不動産会社を、どうやって探し出せばいいのでしょうか?まず求められるのは、できるだけ多くの不動産会社とのコンタクトです。
複数の不動産会社とコンタクトすれば比較もしやすく、その中で最も優良な不動産会社を選ぶことができます。信頼できる優良な不動産会社と出会える確率は高くなるでしょう。
しかし、無作為に不動産会社を回っても、信頼できる優良な不動産会社と出会えるとは限りませんし、掛ける時間と労力は甚大です。
せっかく時間と労力をかけても、見つからなかったということにもなりかねません。そこで複数の不動産会社とコンタクトするのにおすすめなのが、不動産の一括査定サービスです。
一括査定サービスならば、この問題点を一気に解消し、信頼できる優良な不動産会社と巡り合うことができます。
一括査定サービスの一番のメリットは、一度の申し込みで複数の不動産会社へ査定を依頼できる点です。
これなら複数の不動産会社にコンタクトするのに、時間と労力を割く必要はありません。
しかも、当サイトがおすすめしている「イエウール」ならば、悪質な不動産会社との契約を打ち切って、締め出しを行っています。
信頼できる優良な不動産会社と巡り合える確率も、グンと高くなってくるのです。
また登録している不動産会社は、下記のような希望物件情報を事前登録しているので、依頼者にピッタリの不動産業者が、最大で6社自動ピックアップしてもらえます。
- 売却する物件種類
- 売却地域
ピックアップされたのはすべてがおすすめの不動産会社ですから、安心してこの中から最善な仲介業者が選べるというわけです。
信頼できる優良な仲介業者選びのポイント
仲介業者の候補が絞れたら、後はその中から仲介業者を選ぶだけです。しかし、査定価格やフィーリングだけで、仲介業者を選んではいけません。
最も信頼できる優良な不動産会社を選ぶためには、それなりの条件をクリアしたところでなければならないからです。
それではその条件にはどんなものがあるのかを、見ていくことにしましょう。
1.担当者から販売意欲が感じられるか
まず大事なのは担当者の存在です。担当者は直接売却プランを作成し、購入希望者との交渉を行いますが、その担当者には売却しようとする販売意欲が必要不可欠です。
これは担当者との面談時の様子や、提案されるプラン内容を他社と比較すれば、良し悪しの判断はつくでしょう。
信頼できる優良な不動産会社を選ぶことは重要ですが、そんな不動産業者が見つかったとしても、販売を担当するのはその会社の社員です。
販売力の高い不動産会社だからといって、それで安心してはいけません。不動産会社に販売力の差があるのと同様に、同じ会社の社員間にもその差はあるのです。
熟練したベテラン担当者が就いてくれればいいですが、入ったばかりの新米担当者が就くことも考えられます。
不動産会社選びをする時は、担当者の確認も忘れないようにしてください。
2.十分な販売実績が上がっているか
マンションの売却が得意な不動産会社であれば、これまでにも多くの仲介実績があるはずです。
担当者との面談時には、これまでの実績を聞いてみるようにしてください。
実績が分かれば販売力だけでなく、その不動産会社にどれだけのノウハウと情報をもっているかが分かります。
面談時には必ず実績を聞いて、その実力をほどを比較するようにしてください。
3.地域密着型の会社か
地域密着型の不動産会社には、下記のような特徴があります。
- 地域特性を理解している
- 活動地域の取引データが多い
- 地域内で物件を求める人が訪れやすい
- 査定価格が高くなる傾向がある
大手不動産はネットワークの広さと、広告宣伝費に掛ける予算が大きいため、多くの人に物件情報を見てもらえるというメリットがあります。
しかし、地域限定で購入者を募る場合は、地域密着型の不動産会社の方がおすすめかもしれません。
地域の販売特性をよく知った不動産会社の方が、販売戦略やターゲット層を見誤ることなく、好条件で売却できる可能性が出てくるからです。
地域でニーズがあったとしても、販売戦略やターゲット層を見誤ってしまっては、みすみす売却チャンスを逃してしまいます。売れ残ることにもなりかねないでしょう。
特に築年数の古いマンションは大手不動産だと杓子定規な査定になるため、査定には期待できません。
ですが地域特性を理解し、地域情報が多い地域密着型の不動産会社だと、物件に対する商品価値を違った角度から見れるため、高く売却できる可能性も出てくるのです。
少しでも高く売りたいなら、地域密着型の不動産会社を仲介業者候補に入れることをおすすめします。
4.査定根拠を明確に答えられるか
査定見積もりが出された後の交渉では、必ず出された査定価格の根拠を聞いてみましょう。
査定価格は不動産会社が3ヵ月以内に売却できると判断した額面です。価格を出した時点で、売却プランがほぼ固まっているからこそ出せる金額というわけです。
査定根拠を聞いて、あやふやな回答しか返ってこないようだと、明確な売却プランが固まっていないどころか、適正価格を見誤った査定価格である可能性があります。
特に他社と比較して高い査定価格を出したところには注意してください。
媒介契約を取りたいがための、何の根拠もない価格提示の可能があります。
ずば抜けて高い見積もりが出ている場合には必ず根拠を聞いて、本当に適正価格として出された数値かを判断するようにしましょう。
5.査定価格で選ばない
複数社へ査定見積もりするのは、信頼できる優良な不動産会社を見つけるためだけではありません。
マンションを少しでも高く売却するための手段でもあります。高い査定価格の方が、少しでも高く売れる確率が高くなるのは、当然の話ですよね。
しかし、査定価格頼りの仲介業者選びだけは止めてください。先ほど話したように、契約目当ての高額査定の可能性もありますし、査定価格には購入希望者との価格交渉時の値引き損が加算されているからです。
査定価格が売却価格になるワケではありません。
査定価格は仲介業者選びの選択肢ではありますが、ここまで解説した点を確認し、その上で査定価格を考慮した総合的判断で、仲介業者を選ぶようにしてください。
②:余裕をもって売り出す
少しでも高く売りたいのであれば、時間を余裕を持った売却を心がけてください。
早期売却には値引きが必ず求められます。最初から値引きをした価格で売り出されることが大半です。
しかし、時間に余裕をもって売り出せば、希望する売却価格で売り出すことができます。そして購入希望者が現れるのを待てばいいのです。
早期売却を望むかどうかで売却価格に影響が出る
早期売却には値引きが必須と言いましたが、その理由は値引きが市場アピールに欠かせない材料からです。
同じ地区にあなたが売り出そうとするマンションと、同等条件の売出物件があったとしましょう。
この場合、購入希望者はどちらがいいか迷うことでしょう。ですが売出価格に差があれば、購入希望者は安い方に魅力を感じるはずです。
値段の差は購入希望者にとって、間違いなく購入を決める重要な要因になってきます。
高い物件よりも、安い方が、確実に多くの購入希望者が現れるでしょう。これが値引きによる市場アピールです。
早期売却を望む場合はこの市場アピールを狙うために、適正価格の90%から80%で売り出されるのが好ましいと言われています。
また売り急げば、相手からの値引き交渉にも応じざるを得ません。しかし、時間に余裕をもって売り出せば、希望の売却価格で購入してくれる人を待つことができます。
結果的に値引きをせざるを得ないこともあるでしょうが、少しでも高く売れる可能性は確実に高くなってくるでしょう。
③:売り急ぎを招く要因を避ける
マンションを少しでも高く売りたいのであれば、売り急ぎはしないに限ります。
しかし、そんな余裕はないという人も多いでしょう。時間に余裕を持てない人に多いのが、ダブルローンの存在です。
ここではダブルローンが、売却価格に与える影響について解説します。
売却前に新しいマイホーム購入するのは絶対にNG!
マイホームとして住んでいたマンションを売るなら、当然、次の新居は視野に入れているはずです。
しかし、売却する前に次の新居を購入するのはおすすめできません。売却するマンションのローンが完済されているならば問題ありませんが、残っていれば新居のローンと二重払いになってしまうからです。
このダブルローンの支払いは、必ず負担となり、家計を圧迫します。そのため、早く売りたいという気持ちが大きくなるのです。
そうなると冷静な判断ができません。安い価格で売ってしまうことにもなりかねないのです。
購入したい新居が人気物件で、早く購入しないと売れてしまうということもあるでしょう。
しかし、その場合も売却時期を考慮した購入を心がけなければ、ダブルローンとなってしまいます。
一般的に家の売却にかかる期間は90日前後です。次の新居を購入するのであれば、この期間を考慮して、ダブルローンとならないようにしましょう。
人が住んでいた方が魅力的に見える
また、家を売りに出す場合、マンション、戸建にかかわらず、人が住んでいた方が売れやすい傾向にあります。
その理由は人が住んでいた方が、生活イメージが湧きやすいからです。
想像してみてください。まったく家具のない部屋よりも、モデルルームの方が魅力的に見えますよね。
新しいマンションや戸建を売り出される際、必ずモデルルームを用意するのはそのためです。しかも、内覧者に好印象を与えられれば、それだけ購入希望者が増え、少しでも高く売れる確率は高くなります。
この効果を踏まえて、新居の購入はマンションの売却が決まってからにしてくださいね。
④:物件価値を高める
少しだけでも高く売るための4つ目のポイントは、物件価値を高めることです。ですが物件価値を高めるには、費用が発生します。
実施する際は費用を支払ってまで、物件価値を高める必要があるかが重要なポイントです。
費用対効果を考慮した上で、慎重に検討する必要があります。不動産売却の知識に長けた仲介業者によく相談してから行うようにください。
それではどのような方法で、物件価値を上げるのかを見ていくことにしましょう。
1.ハウスクリーニングを実施する
仲介業者が決まり、売り出されると、購入希望者を連れてだった内覧会が行われます。
ここで絶対に避けなくてはならないのは、内覧者に悪い印象を抱かせることです。内覧会に来るくらいですから、相手の購入意思は高いと考えられます。
しかし、ここで悪印象を与えてしまうと、一気に購入意識は失せてしまい、売却先を逃すことになるでしょう。
特に清潔感は重要です。通常は売主がこまめに掃除し、部屋の中をすっきり見せるくらいで十分でしょう。
ですがそれでは十分でないと感じるなら、ハウスクリーニングも視野に入れる必要があります。
ハウスクリーニングンのメリットと相場
清掃業者が専門的な装備と技術を駆使して、家のクリーニング(美化)を行う作業がハウスクリーニングです。
個人では目の届かない隅々まできれいにしてくれるので、清潔感や見た目の印象には、十分な効果が期待できます。
主なクリーニング場所は、おおむね下記の通りです。
- 玄関
- 窓・サッシ
- ベランダ・バルコニー
- ダイニング
- 台所
- 換気扇・レンジフード
- エアコン
- 床
- 浴室
- 洗面所・脱衣所
- トイレ
ハウスクリーニングの費用相場は下記の通りです。
間取り | 料金 |
ワンルーム・1K | 15,000~30,000円 |
1DK・1LDK | 30,000円~40,000円 |
2DK・1LDK | 30,000円~70,000円 |
3DK・3LDK | 50,000~85,000円 |
4DK・4LDK | 70,000円~100,000円 |
4DK・4LDK超え | 要相談 |
見積価格は依頼するクリーニング業者で違います。
必ず複数社から見積もりを取って、価格を比較するようにしましょう。
2.ホームインスペクションを実施する
ホームインスペクションは住宅診断とも呼ばれ、ホームインスペクター(住宅診断士)と呼ばれる住宅診断のプロが、第三者の立場から、住宅状態を見極めたアドバイスが受けられるサービスです。
- 劣化状況
- 欠陥の有無
- 改修する必要がある箇所
- 改修するまでの猶予その費用概算
日本ではまだまだ浸透していないサービスですが、2018年4月から宅建事業者に対して重要事項説明時などで、ホームインスペクション実施の有無の説明が義務化されています。
ホームインスペクションは人間でいう健康診断に当たるため、実施されていれば購入希望者も安心して購入できるというわけです。
ホームインスペクションのメリット
ホームインスペクションは欠陥住宅や、購入してはいけない住宅を見極める際の大きな判断基準となります。
実施後に住宅状態に問題なしとなれば、商談もスムースに進むでことしょう。
費用は購入者負担が一般的ですが、売出時に実施済みであれば、購入希望者の費用負担が省けるので、大きなアピールポイントになります。
ホームインスペクションに掛かる費用は、依頼先によって異なりますが、一般的な相場価格は下記の通りです。
診断方法 | 価格 |
目視による一時診断 | 5万円~6万円前後 |
機材を使用する詳細診断 | 10万円~ |
3.耐震基準適合証明書を取得する
耐震基準適合証明書は建築士等が、建物の耐震性が建築基準法に定められた基準をクリアしていることを証明する書類です。
実はこの耐震基準適合証明書は、購入者に大きなメリットを生み出すため、取得しておけば大きなセールスポイントになります。
その主な効果は購入後の減税効果です。売出時にはぜひ取得して、アピールポイントすることをおすすめします。
耐震基準適合証明書のメリット
耐震基準適合証明書による減税効果は全部で3つです。
それではその減税効果を簡単に見ていきましょう。
①住宅ローン減税
まず1つ目の減税効果が住宅ローン減税です。住宅ローンでマンションを購入した場合、ローンの年末残高の1%が所得税や住民税から、10年間に渡って控除されます。
ですが住宅ローン控除を受けるには、建物の築年数が要件に加えられており、マンションの場合は築25年以内が対象です。
ですが築25年超えのマンションでも、耐震基準適合証明書を取得すれば、この住宅ローン減税を利用できます。
25年超えのマンションを売却する際には、大きなアピールポイントになってくるでしょう。
②登録免許税の減税
中古マンション購入時には、所有権の移転登記と抵当権設定が必要です。
それにかかるのが登録免許税で、耐震基準適合証明書を取得していれば、下記の減税措置を受けられます。
- 建物の所有権移転:2.0%→0.3%
- 抵当権設定:0.4%→0.1%
➂不動産取得税の減額
不動産の購入時には、不動産取得税の支払いが必要です。
ですが、この税金には特例の税額措置が設けられており、利用すればかなりの減額ができます。
不動産取得税は下記計算式で求められるのですが、この際、課税対象となる固定資産税評価額から控除され、納税額がグンと減額されるのです。
不動産取得税 = (固定資産税評価額 − 控除額) × 3%
これは土地と不動産の両方で利用できますが、建物の場合は1982年1月1日以降に新築されたことが要件になっています。
しかし、1981年12月31日以前のものでも、耐震基準適合証明書を取得すれば不動産取得税の減額を受けることが可能です。
④地震保険の割引
また耐震基準適合証明書は地震保険料の割引にも大きく影響してきます。
地震保険には割引制度があり、建物の耐震性によって、適用される割引制度と割引率が下記のように異なります。
割引制度名 | 条件 | 割引率 |
建築年割引 | 1981年6月1日以降の新築された物件 | 10% |
耐震等級割引 | 耐震等級1 | 10% |
耐震等級2 | 30% | |
耐震等級3 | 50% | |
免震建築物割引 | 住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく免震建築物 | 50% |
耐震診断割引 | 地方公共団体等の耐震診断、または耐震改修で、建築基準法の耐震基準を満たす物件 | 10% |
これも耐震基準適合証明書があれば、中古マンションでも適用できる割引制度に幅を持たせることができます。
耐震基準適合証明書の取得費用は、発行依頼先によって異なりますが、一般的には10万円前後が相場です。
ですが建築年数が古いほど高額となるので、その点は注意してください。また、築年数が古いマンションは耐震基準適合証明書が取得できない場合もあります。
戸建住宅ならば耐震改修工事を受ければ取得可能ですが、マンションの場合はそうもいきません。
築年数の古いマンションの売却を検討している人は、この点も併せて注意するようにしてくださいね。
4.既存住宅売買瑕疵保険の検査を行う
住宅購入後に知らなかった下記のような不具合が発見されれば、売主は修理費用や損害賠償金の負担を保証しなければなりません。
- 雨漏り
- シロアリ被害
この隠れた不具合を瑕疵(かし)と言います。負担保証期間は売主が不動産会社ならば、最低2年が一般的ですが、個人の場合には期間を短縮した契約が多いと言われています。
売主が個人となる、仲介業者を介した中古マンション購入には注意が必要です。隠れた不具合がないかを、購入者は事前にしっかりと確認しなければなりません。
先に紹介したホームインスペクションの費用を、購入者が負担してまで実施するのはそのためです。
しかし、瑕疵発見時に不動産会社等が倒産等でなくなっていたとしたらどうでしょう。
請求先がなくなってしまうので、自己負担せざるを得なくなってしまいますよね。そのリスク回避に打って付けなのが、既存住宅売買瑕疵保険です。
既存住宅売買瑕疵保険のメリット
既存住宅売買瑕疵保険は、購入後、売主が瑕疵に対する費用負担を確実に履行するために販売されている保険商品です。
売主が費用負担できない場合、その費用を保険金請求でまかなうことができます。
この保険に加入していれば不払いの心配なく、安心して購入できるというわけです。
この保険はその名の通り、中古物件専用の保険で下記2つの保険が用意されています。
- 売主が不動産会社(宅地建物取引業者)のタイプ
- 売主が個人のタイプ(仲介業者用)
取り引きに応じて選ぶことができるので、どのような取り引きでも契約可能です。
保険料は保険期間や補償額によって違ってくるので、まずは保険会社に問い合わせてみるようにしてください。
5.フラット35の適合証明書を発行する
住宅ローンを組む際に、フラット35の利用者は年々増加しています。
しかし、そのフラット35利用には建物の技術基準があり、その基準をクリアできなければ利用できません。
その基準をクリアした物件に対し、発行されるのが適合証明書です。適合証明書は検査機関や適合証明技術者に検査申請して、検査合格すれば交付されます。
フラット35の適合証明書のメリット
基本的には購入者がローン申請時に取得するのですが、中古マンション購入者の中には、フラット35で住宅ローンを組むと決めている人もいるでしょう。
その場合、フラット35の技術基準をクリアしていることが購入条件になってきます。
適合証明書を取得できないマンションは、フラット35は利用できません。
よって、そんなケースも想定して、事前に適合証明書を取得しておくのも1つの手です。
「フラット35対象物件」という条件が加われば、購入者層も広がり、少しでも高く売れる確率は高くなってきます。
物件価値を高めるには、おすすめの方法です。
主な依頼先は建築士のいる事業所で、適合証明書の取得費用は10万円から20万円くらいが相場と言われています。
ですが竣工済みの物件であれば金額は安く、4万円から5万円程度で取得できるので、中古マンションにはおすすめです。
金額にバラツキが見られるので、取得する際には各社費用を見比べるようにしましょう。
マンションを少しでも高く売るのに時期はあまり関係しない
マンションを少しでも高く売るには、売出時期が関係してくるのでしょうか?
不動産業界の繁忙期は1月から3月だと言われていますが、マンション売却ではあまり気にする必要はありません。
この1月から3月が繁忙期というのは、賃貸物件の仲介業者に限っての話です。
売却物件に賃貸物件のような繁忙期はありません。1年間平均して同程度の販売数が見られるので、売却時期はあまり気にする必要はないのです。
マンション売却に繁忙期はない
公益財団法人不動産流通推進センターが発表した「2019不動産業統計集(3月期改訂)3不動産流通」から、指定流通機構調査による成約価格の推移を見てください。
3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | ||
首都圏 | ① | 3,189 | 3,237 | 2,785 | 3,317 | 3,139 | 2,303 | 3,244 | 3,096 |
② | 3,369 | 3,364 | 3,305 | 3,320 | 3,362 | 3,318 | 3,292 | 3,275 | |
11月 | 12月 | 1月 | 2月 | ||||||
首都圏 | ① | 3,225 | 2,987 | 2,667 | 3,484 | ||||
② | 3,297 | 3,380 | 3,294 | 3,479 |
*①成約件数、②平均価格(単位万円)
*2018年3月から2019年2月までの集計
上記の数値を見てもらえば一目瞭然ですが、一年を通して中古マンションの成約件数に大きな違いは見られず、成約価格も同様です。
8月は成約件数が目に見えて減少していますが、成約価格に大きな差は見られません。
成約件数が制約価格に影響してるわけではないので、敢えて時期を狙って売り出す必要はないということです。
無理して売り出したり、売り出しを控えたりする必要はありません。
それでも少しでも高く売りたいなら2月、3月がおすすめ
一年を通してい大きな変化はありませんが、それでも繁忙期と閑散期はあります。
8月は成約数が一番低く、2月と3月は高い傾向が見られ、下記4地域でもこれとまったく同じ傾向が見て取れます。
- 東京都
- 埼玉県
- 千葉県
- 神奈川県
2月と3月の成約数が高いのは賃貸物件の入居者が増加するのと同様に、転勤や就職、入学や卒業により生活拠点が変わることが影響してのことでしょう。
そしてこの2月と3月は成約数の増加の伴い、若干ではありますが、成約価格に100万円から200万円ほどの価格上昇が見られます。
少しでも高く売りたいのであれば、2月または3月に売却できるように、売出時期を調整してみるのもおすすめです。
近畿圏の数値を確認しても、首都圏と同様の傾向が見られました。
しかし、全国各地に同様の傾向が見られるとは限りません。少しでも高く売りたい願うならば、まずは住んでいる地域の傾向を確認するようにしてください。
少しでもマンションを高くするコツは4つのまとめ
今回は少しでもマンションを高く売るコツについて解説しましたが、まず一番肝心なのは最初に挙げた、信頼できる優良な不動産会社を仲介業者にすることです。
仲介業者選びに失敗してしまうと、残り3つも上手く機能しません。今回紹介したコツは、信頼できる優良な不動産会社ありきの話なのです。
信頼できる優良な不動産会社を自分で探し出すことは簡単なことではありません。ですが一括査定サービスを利用すれば、時間と労力を掛けず簡単に巡り合うことができます。
マンション売却を検討している人は当サイトがおすすめする、下記一括査定サービスを利用して、信頼できる優良な不動産会社探しをしてみてはいかがでしょうか。