繰上返済は、どのようにするのが一番“お得”なのか?繰上返済に潜む、意外なデメリットとは?

繰上返済は、どのようにするのが一番“お得”なのか?繰上返済に潜む、意外なデメリットとは?

繰上返済をするにあたっては、「時間短縮型」と「返済額軽減型」という、2つのタイプがあります。どちらを選ぶかで、今後の生活にも大きな影響が及ぶので、両者を比較検討した上で慎重に選びましょう。

また、「住宅ローンを一日も早く完済したい」という必死の思いで繰上返済を考えている人は、要注意です!住宅ローンを滞納する人もいる中で、できるだけ早めに返そうと努力するのはとても素晴らしいことなのですが、ここで冷静になることも大切です。

その繰上返済は、本当に今やるべきなのでしょうか?たしかに繰上返済をすれば利息は減りますが、もしかしたら繰上返済に回すお金を貯蓄や投資・子どもの学費などに回した方が、結果的に良かったと思える日が来るかもしれません。こうした、繰上返済に潜む意外なデメリットについても、詳しくお話ししたいと思います。

まずは繰上返済の仕組みについて、お話ししましょう

繰上返済について考える前に、まずは繰上返済がどういう仕組みになっているのかをご紹介しましょう。

住宅ローンを借りると、「毎月6万5千円、ボーナス月10万円」というように、一定のパターンで返済を続けますが、それ以外にスポット的にローンの返済をすることがあります。これを「繰上返済」といいます。「手元に300万円あるから、これを繰上返済に回して、利息を少しでも軽減しよう」というような形です。

収入が増えたり、臨時収入が入るなどして返済能力に余力ができたときは、繰上返済をすることによって住宅ローンの負担を軽くすることができます。

繰上返済をすると、当然ながら総返済額は減ります。さらにその資金は住宅ローンの元金部分に充当されるため、その減った元金に対応する利息が無くなるので、利息を軽減することができます。

繰上返済には2つのタイプがある

繰上返済をしようとする場合、“返済期間の短縮”に焦点を当てるのか、それとも“返済額を安くすること”に焦点を当てるのかによって、返済のタイプが分かれます。

時間短縮型の繰上返済

利息軽減効果が高いので、多くの人が選ぶ繰上返済の方法

「35年ローンを組んだけれど、定年後に住宅ローンの支払いが残るのは大変なので、30年に縮めたい」というように、返済期間を短縮する方法が、時間短縮型の繰上返済です。

時間短縮型の繰上返済は、後でご紹介する返済額軽減型の繰上返済よりも利息を軽減する効果が高いため、繰上返済をする人の多くがこの方法を選んでいます。

「繰上返済をしたのに、何も変わらない」と感じてしまうデメリットも

ただし、35年ローンが30年ローンに縮まったとしても、ローンを組み始めて間もない人にとってはるか遠い話であることには変わりありません。そのため、「繰上返済をしたのに、何だかお金が減っただけで、ローンの金額はちっとも変わらない」という気持ちになってしまいがちなのが、時間短縮型繰上返済の辛いところです。

しかし、遠い未来ではありながらも、必ずそのときはやってきます。30年は長いようで、意外とあっという間に過ぎてしまうもの。そのときに「定年になって年金生活になったし、やっぱりあのとき繰上返済をしていて良かった」と思えるのは、時間短縮型繰上返済の大きなメリットといえるでしょう。

返済額軽減型の繰上返済

毎月の返済額が減るので、繰上返済の喜びがすぐに味わえる繰上返済の方法

かたや、返済期間ではなく月々の返済額を少なくしていくという、返済額軽減型の繰上返済があります。返済額軽減型は、ローンを返していくことでだんだん返済額が少なくなっていくので、「繰上返済をしている」という実感が味わえるという利点があります。

「子どもの大学進学もあるので、毎月の返済額をできるだけ安くしたい」「定年で再雇用になると収入が減るので、そのときは支払額を少なくできるように調整したい」といったように、返済時期によって返済額を調整したい人向けの繰上返済方法といえます。

時間短縮型 VS 返済額軽減型、いったいどちらが本当にお得なのか?

さて、時間短縮型と返済額軽減型の繰上返済方法についてご説明しましたが、実際にどのくらい数字的な違いがあるのでしょうか?一例を挙げてシミュレーションしてみましょう!

<2,000万円の住宅ローンを組み、10年後に500万円の繰上返済を行う場合>

マンションを購入して2,000万円の住宅ローンを組んだ人が、がんばってお金を貯めて10年後に500万円の繰上返済をしようとした場合、どのようになるでしょうか?

返済期間:35年(繰上返済時の残存期間は25年)
返済方式:元利均等
借入金利:1%(固定金利)
毎月の返済額:56,457円
ボーナス払い:なし

上記の前提でシミュレーションしてみます。

時間短縮型を選択した場合

時間短縮型を選択すると、残存返済期間は25年から16年に短縮されるので、実に9年も縮まります。繰上返済を行った時点で45歳だったとすると、繰上返済をしなければ70歳まで支払わなくてはならないところ、61歳で返済が終了するので、気持ち的にかなり楽になるでしょう。

総返済額も、23,711,940円から22,581,821円になり、約113万円も利息を軽減することができます。

ただし、毎月の返済額は、完済するまでずっと56,457円のままです。「500万円も払ったのに、住宅ローンの金額はまったく変わらないので、繰上返済した実感が湧かない」と思ってしまうタイプの人は、時間短縮型の繰上返済は向いていないかもしれません。

返済額軽減型を選択した場合

では、返済額軽減型を選択すると、どうなるでしょうか?返済額軽減型を選んで最もうれしいことは、月々の返済額がガクッと減ることです。毎月の返済額56,457円が37,613円と、実に18,844円も減るので、その分家計にゆとりができます。

総返済額はというと、23,711,940円から23,058,740円になり、約65万円の利息を軽減することができます。時間短縮型を選んだ場合は約113万円の利息を軽減できるので、利息軽減効果は時間短縮型にはかないませんが、それでも65万円も軽減できるのはうれしいことです。

ただし、返済額軽減型を選択すると、返済期間は縮めることができません。35歳で住宅ローンを組んだ場合は、月々の返済額こそ減ったものの、70歳までその金額を払い続けなければなりません。 老後の年金暮らしに入ったときには、たとえ3万円台の支払いでもきついと感じるかもしれません。

時間短縮型と返済額軽減型のお得度は、結局同じという考え方もある

以上のことを踏まえて、ご家庭のライフプランにどちらがより合っているかを考えながら、繰上返済の方法を慎重に選ぶ必要があります。

住宅ローンの専門家の中には、「時間短縮型と返済額軽減型の利息軽減効果は、実はあまり変わらない」と言う人もいます。

それはなぜかというと、確かに数字的には時間短縮型に軍配が上がるのですが、返済額軽減型の場合は毎月の支払額が減った分を別のことに使えるというメリットがあるからです。

たとえば、返済額軽減型を選択して月々の返済額が減った分を、毎月せっせと繰上返済に回したと仮定しましょう。実際にはそのようなことはしませんが、もしそうしたとすると、結局利息軽減効果は時間短縮型と大きく変わらなくなるのです。

そうなると、「時間短縮型の方が絶対に得」という神話は、崩れ去ります。そして、「利息軽減効果が結果的にあまり変わらないのなら、返済額の減らない時間短縮型にするよりも、返済額を減らして今後の景気低迷や収入減に備えておいた方がいい」という考えも成り立つでしょう。

繰上返済はいつ行うのがベストか?

繰上返済を行う時期は、早いに越したことはありません。特に返済し始めの頃は借入残高が多いので、「最初はほとんど利息だけを払っているようなもの」と感じるほど利息も多く、少しでも住宅ローンの金額を減らした方が利息を軽減できます。

しかし、住宅ローンを組み始めの頃は子育ての真最中のご家庭も多く、日々の生活に四苦八苦しているケースも少なくありません。日本人は生真面目な性格なので、「今の内にできるだけ繰上返済をして、住宅ローンを後に残さないようにしたい」と、無理をしてしまう人もいるのが事実です。

繰上返済には、意外なデメリットもある

繰上返済をする際に最も怖いのは、このように「利息がもったいないから」と、住宅ローンの返済を前倒しすることに夢中になってしまう人がいることです。そうすればたしかに住宅ローンの残高も利息も減りますが、そのために家族に厳しい生活を強いたり、まとまったお金が必要なときに払えないなどの不都合が生じては、本末転倒です。

もしも貯めたお金をすべて繰上返済に使ってしまうと、子どもの教育費や医療費・不意の出費などに対応することができません。繰上返済を考える際は、「少しでも利息を減らしたい」と必死になるのではなく、「預貯金がかなり貯まったから、半分は何かあったときのために取っておいて、あとの半分を繰上返済に回そう」というように、家計にゆとりができたときに考えるのが妥当な方法です。

まずは「何年後にこの理由でこれだけの出費が必要」という長期的なマネープランを立て、その中で無理のない範囲で繰上返済をするようにしましょう。

繰上返済に必要な手数料は?

繰上返済をする上で気を付けなければならないのが、繰上返済の際に発生する手数料です。ここ数年は“繰上返済手数料0円”をアピールする金融機関が増えてきましたが、中には数万円単位の手数料をとる金融機関もあります。

せっかく繰上返済によって利息を減らしても、手数料をたくさん取られてしまってはもったいないので、事前に調べておくことが大切です。

繰上返済額に制限はある?

繰上返済額に関しても、金融機関によって対応が違います。10万円以上や100万円以上といった制限を設けている銀行もありますので、手数料と合わせて事前チェックをしましょう。

繰上返済に関するまとめ

住宅ローンは人生最大の借金なので、繰上返済をして一日も早く完済したいと思うのは、当然のことです。しかし住宅ローンと人の人生とは、ある意味“一蓮托生”。30年以上もの長きにわたるお付き合いになるので、ある意味腰を据えて開き直り、焦らないことも重要です。

スーパーのポイントカードにせっせとポイントを貯める、実直な日本人だからこそ、“繰上返済貧乏”にも陥りやすいことを肝に銘じておきましょう。せっかく必死になって住宅ローンを完済しても、生活がギスギスして夫婦が離婚したり、親子が断絶してしまっては元も子もありません。

しかし、本当に返済のゆとりがある人は、尻込みせずに積極的に繰上返済を検討しましょう。そうすることで、返済期間の短縮や返済額の軽減といった恩恵を受けることができます。

業界最多!1000社以上の会社から選んで一括査定!
一部上場の大手企業から地元密着の歴史ある不動産会社などから最大6社までを選んで一括査定できる

  • センチュリー21
  • ピタットハウス
  • 長谷工リアルエステート
  • 大京穴吹不動産
  • 大東建託
  • ハウスドゥ

一括資料請求はこちら