不動産査定書の見方と知るべき注意点を紹介!

不動産査定書の見方と知るべき注意点を紹介!

不動産査定書と言われても、これまでの人生で不動産業界に関わっていない限り入手方法から見方まで何もわからないと思います。

そこで今回の記事では不動産査定書の見方や特徴、見る時の注意点などについて詳しく解説をしていきます。これから不動産査定を行う予定のある方は参考にしてください。

不動産査定書とは?

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不動産査定書とは、名前の通り不動産を査定してその内容を書いた書類になります。

具体的には不動産会社が対象不動産を評価して、その物件の価値を査定することを言います。不動産の評価と言うと、不動産鑑定を思い浮かべる方も多いでしょうが不動産査定とは何が違うでしょう。

不動産鑑定書との違い

不動産鑑定とは、専門の国家資格を持った不動産鑑定士が報酬をもらって業として行う物件の評価のことを言います。

一方で不動産査定を行うのは不動産会社の担当者などで、さらにサービスに一環として行う評価なので報酬は発生しません。不動産鑑定書は裁判所や税務署にも提出できる公的な資料であるのに対し、不動産査定書は証拠としての効力はありません。

このように不動産査定書は不動産会社などが、あくまでサービスの一環として行う評価です。

そのため不動産鑑定書などと比べると査定額に幅がある場合などもありますが、無料で物件の評価をしてもらえる便利なサービスでもあります。

 項目 不動産査定書 不動産鑑定書
報酬 不要 必要
資格の有無 不要 必要
税務署・裁判所への提出 不可
評価額 幅が有る場合も 精緻に出る

不動産の評価方法

続いて実際に不動産査定ではどのように評価を行っているを見ていきましょう。物件を評価する場合は様々な評価方法がありますが大きく分けると、原価法・取引事例比較法・収益還元法の3種類があります。

それぞれの評価方法には特徴があり、評価する物件によって使い分ける必要があります。具体的には下記の通りです。

評価方法 評価の仕方 特徴など
原価法 評価する物件の再調達価格から、築年数などに応じた減価を控除して評価する方法。 物件そのものの価値を算出するので自用物件などの評価に利用される。
取引事例比較法 評価する物件の類似物件の実際の成約事例を参考にして評価額を算出する方法。 原価法では評価しにくいマンションや土地などに利用される。
収益還元法 評価する物件が1年間に生み出す収益価格に基づいて評価する方法。 賃貸用物件の評価の際に利用されることが多い。

不動産鑑定の場合は上記の3種類を組み合わせながら客観的に評価を出しますが、不動産査定の場合は取引例比較法での評価を使う場合が多いです。

そのため不動産査定を行う不動産会社の担当の方の経験やノウハウ、周辺相場などに基づいて行われるケースが多く、査定を行う方の主観が反映されやすいという特徴があります。

また不動産査定には、訪問査定と机上査定の2種類があります。訪問査定とは実際に担当者が現地を訪問して物件を見たうえで、建物や設備の瑕疵や故障などを見たうえで評価を行います。

一方で机上査定とはヒアリングした物件の概要に基づいて机上の計算で評価を行う方法です。訪問査定の方が現地確認をしているため精緻な評価額が出せますが、評価にかかる時間は机上査定の方が早いです。

不動産査定書の見方

不動産 査定書 見方

ここでは実際に不動産査定書の書かれている内容や、その見方について説明をしていきます。

普段の生活では不動産査定書を見る機会も少なく、また不動産業界に詳しい方でなければ書いてある内容も専門的で分かりずらい場合もあります。ここで不動産査定書の見方について理解をしておきましょう。

先に知るべき|査定書に書かれていること

不動産査定書の書式は不動産会社によって様々です。紙1枚の簡単なものもあれば、数十ページに及ぶ本格的な査定書もあります。

そのため書かれている項目が会社によって違いがありますが、大きく書かれている内容は次の3つのカテゴリに分類されます。

  • 不動産の詳細情報
  • 不動産の査定項目やその結果
  • 不動産査定の結果

公益財団法人不動産流通センターでは、不動産査定に関するマニュアルを開示しています。お客様向けに提出する提案書などもフォーマットも開示しており、こちらのマニュアルに基づいて査定を行っている不動産会社も多いため、査定書のフォーマットは違っていても書いてある項目にそう大きな違いはありません。

各項目の見方

それでは各項目に書かれている内容を詳しく見ていきましょう。

参照:公益財団法人不動産流通推進センター「価格査定マニュアル」より抜粋

こちらの見本のように不動産の詳細情報では、評価対象物件の詳細な情報が書かれています。評価不動産や構造、面積などに間違いがないことを改めて確認しましょう。

不動産詳細に書かれている項目は評価対象物件によって違いますが、下記のような項目が書かれています。

  • 建物名(マンションの場合)
  • 所在地
  • 最寄り駅
  • 専有面積(マンションの場合)
  • 間取り・方位
  • 構造
  • 建築年月日
  • 総戸数(マンションの場合)
  • 建ぺい率・容積率(戸建て・土地の場合)
  • 用途地域(戸建て・土地の場合)

不動産の査定項目やその結果

参照:公益財団法人不動産流通推進センター「価格査定マニュアル」より抜粋

物件の査定を行う場合、物件毎の特性を細かくチェックをして上記のように評点を付けてチェックをしていきます。例えば土地の形が綺麗な正方形であれば建物が建築しやすいですが、土地の形が変形していると建物の建築も限定される場合があります。

そのような場合は同じ相場の土地であっても、正方形の土地の方が高くなります。

このように物件毎の要因や地域性の要因などを細かくチェックして物件毎の評点を出すのが、不動産の査定項目です。

上記の見本は戸建ての建物の場合の見本ですが、土地の場合もマンションの場合もそれぞれにチェック項目が決められています。具体的には下記のような項目があります。

  • 最寄り駅までの距離
  • 築年数
  • 建物のグレード(マンションなど建物の場合)
  • 駐車場の有無
  • 間取り
  • 日当たりや方位、向き
  • ベランダや窓からの眺め(マンションの場合)
  • 騒音などの周辺環境
  • 接道の状況(土地や戸建ての場合)
  • 土地の形や間口
  • 隣地や周辺の状況(嫌悪施設の有無など)
  • 電気・ガス・水道などのインフラ
  • 室内の利用状況など

不動産査定の結果

参照:公益財団法人不動産流通推進センター「価格査定マニュアル」より抜粋

最後にこれまでの査定項目などを考慮した査定価格を記載します。この査定価格の出し方は、物件や不動産の種類などによって違いますが、査定で多く使われる取引事例比較法では下記のような計算方法で算出します。

査定価格=参考にした取引事例の単価×(対象物件の査定項目の評点÷取引事例の評点)×面積×流通性比率

流通性比率とは、評価する物件の立地などに応じた物件の売れやすさです。当然ですが人気ある物件ほど売れやすいですから、100%を基準にして売れやすい物件は110%を上限、売れにくい物件は85%を下限に決定をします。

このようにして計算して査定価格を決定します。

そしてその査定を価格をもとにして物件の売り出し価格の決定を行います。売る側からしたら出来るだけ高く売りたいですから、査定価格や周辺相場などを参考にしながら売り出し価格は高めに設定する場合が多いです。

不動産査定書を見る時の注意点

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不動産を売却する際は、不動産会社へと相談をします。買主を見つけてくるのも、売買の契約をするのも不動産会社ですから不動産会社の役割はとても大きく、売却の際には信頼できる不動産会社を見つけることが大切です。

不動産会社が信頼できる先かどうかを見極める材料の一つが、不動産査定書です。

いい加減な不動産査定書を作る不動産会社では信頼が出来ませんし、売却も任せられません。不動産査定書を見る際の注意点を見ていきましょう。

価格の根拠が明記されているか

これはとても重要です。先ほども説明をしましたが不動産査定書は、不動産会社にとってはサービスの一環です。不動産会社にとっては不動産の売買を成立させることが最終目的です。

そのためどうしても売却の意思決定をしやすいように、査定を高めに出してしまう傾向があります。

そのため査定価格の根拠のコメントや説明が明確かどうかはしっかりと確認しましょう。明らかに相場よりも高い場合は、実際に売り出しをしても価格を下げることになってしまいます。

どのような方法で査定をして、どのよう項目で金額が増減したかなど細かくチェックして質問するようにしましょう。

流通性比率に注目

不動産査定書を見た際、流通性比率が100%以外の数値になっている場合は必ずその根拠を尋ねましょう。不動産査定には担当者の主観が入りやすいことは説明しましたが、それが一番表れるのが流通性比率です。

多くの不動産会社が不動産査定をする場合、不動産流通センターが提供しているようなシステムを使って査定をします。

そのため必要な項目を入力していくことで査定額が出る訳ですが、流通性比率は違います。査定をする担当者の経験や勘に基づいて入力されます。

つまり査定価格を高く見せたい場合、流通性比率を使って調整すれば良いことになります。

多くの査定書では流通性比率が100%になりますが、他の数値になっている場合は必ず質問し根拠を確認するようにしましょう。

査定書のページ数やコメントが少なすぎないか

査定書のページ数やコメントは、担当者のやる気やモチベーションが現れる部分です。コメント欄にしっかりとした物件査定の根拠や、物件の強み弱みを踏まえた売り出し方の提案などが書いてあるかどうかを見ましょう。

また査定書も通常は10ページ以上になりますが、あまりにもページ数の少ない査定書はその不動産会社のやる気を表しているとも言えます。売却を依頼するには、やる気のある不動産会社にこした事はありません。

不動産査定書の取り方

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これまで詳しく説明をしてきた査定書ですが、実際に査定書を取るにはどのようにすれば良いでしょうか。不動産査定書を取得するには、不動産会社に依頼をするしかありません。

不動産会社へと連絡をして、直接担当者と会って依頼をするのがオーソドックスな方法です。

不動産を売却する際には、必ずと言っていいほど査定書が登場することは先ほども説明しましたが、そもそも何故不動産査定書を取得する必要があるのでしょうか。

不動産査定書のメリット

不動産会社からすると不動産査定書は営業ツールの一環です。持っている物件の売却を検討している方に対して、査定額や売り方を提案することで売買の成立へと促すことが出来るからです。

では不動産査定が不動産会社にばかりメリットがあるかと言うと、そうではありません。

売却を検討している方から見ても、不動産査定書を取得するメリットがあります。その一番の理由が無料で物件の評価をしてもらえることです。物件を売るかどうかの判断をするにも、物件を売る場合でもその物件の相場を知ることはとても重要です。

物件の相場を知ることで、物件を売った場合の価格も知ることが出来ますし、売却の際の買主との価格交渉の場でも相場を知っていることで落ち着いて交渉をすることが出来ます。

不動産査定がなければ、正確な相場を知るには費用をかけて不動産鑑定を取得する必要がありますが、無料の不動産査定があるおかげで無駄な出費を防ぐことが出来ます。

不動産査定はサービスの一環ですから、実際に取引まで至らなくとも多くの不動産会社は快く対応をしてくれます。このように不動産査定を取得するメリットは、売主側にとっても大きいと言えます。

一括査定がオススメ

不動産査定書を取得するメリットを最大限に活かすコツは、必ず複数社から査定を取ることです。これまで説明した来た通り不動産査定書は不動産会社によって価格や、出来上がるものが大きく違います。

査定書を見ることで不動産会社のやる気や、信頼できる先かどうかも分かります。複数社の査定価格を見比べることで、適正な評価も分かります。このようなことから、不動産査定を取得する場合は必ず複数社から査定を取り、比較することが重要です。

しかし複数社から査定書を取得するためには、一社一社不動産会社を訪問して依頼する必要があります。忙しい方にとっては、かなりの手間と時間を消費することになってしまいます。

そこでおすすめなのが、インターネットから申込の出来る一括査定です。一括査定サイトを利用することで、簡単に複数社へと査定を依頼することが可能になります。

またインターネットからの依頼であっても、机上査定と訪問査定を選ぶことも可能ですからしっかりとした査定を依頼出来ます。査定をしてくれる不動産会社も大手からエリア毎の地場不動産会社まで幅広にカバーをしているのも特徴で、査定取得にかかる手間や労力を大幅に減らすことが出来ます。

この記事の最後にも一括査定のリンク先がありますので、興味のある方はぜひ利用をしてください。

不動産査定書の見方と注意点のまとめ

不動産 査定書 見方 まとめ

今回の記事では不動産査定書について、下記の内容について詳しく説明をしてきました。

不動産の評価と言えば、不動産鑑定書を思い浮かべる方も多いですが、不動産査定を利用するメリットも多くあります。実際に億を超えるような高額の売買の際には不動産鑑定を使うケースも多いですが、マイホームの売却などの際には不動産査定を利用するケースが多いです。

不動産査定の最大の特徴は、無料で気軽に不動産価格の調査が出来る点です。更に最近ではインターネットの一括査定サイトを利用することで、より気軽に査定を行うことが出来るようになりました。

この記事の最後にも一括査定サイトを紹介していますので興味があれば利用してみるのも良いでしょう。今回の記事が不動産査定で悩んでいる方の参考になれば幸いです。

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